スマートフォン導入とともにmoconaviを採用し、社員の働きやすさが劇的に向上
山口県下関市に本社を置く株式会社山口フィナンシャルグループ。山口銀行、北九州銀行、もみじ銀行といった地方銀行を傘下として、地銀トップクラス、中四国地方では最大の資産規模を有する金融グループです。
近年組織内のDXを推進する同グループは、そのなかで社給のモバイル端末をガラケーからスマートフォンに刷新。スマートフォンには、グループ内のポータルサイトや業務アプリにセキュアにアクセスできるよう、moconaviを採用しました。
moconaviを選んだ理由や活用方法、スマートフォン導入による業務効率の変化などについて、同グループ DX戦略部の栗原 智史さま、加藤 修さまお二人にお話を伺いました。
── はじめに、御グループがmoconaviを導入した「目的」を教えてください。
栗原さま:目的は、社員の業務効率の向上や、現代に合った働き方へのアップデートでした。当グループは「地域の豊かな未来を共創する」ことを使命・存在意義として、地域に選ばれ、地域の信頼に応えられるよう、常により良いサービスの提供を目指しています。これを実現するうえで、老朽化したシステムからの脱却が必要不可欠です。DX戦略部がさまざまなシステムの導入を進める中、社員に支給するスマートフォンにmoconaviを採用し、セキュリティ性とユーザビリティの両立を目指しました。
向かって左:栗原 智史さま DX戦略部 主任調査役 、向かって右:加藤 修さま DX戦略部
── スマートフォンを導入する以前はどのような状態でしたか?
栗原さま:以前の社給モバイル端末はガラケーだったので、電話しか使えませんでした。当グループではセキュリティの観点で、事前に決められた用途以外での個人端末の業務使用は許可していません。そのため、社員は業務時間中、パソコンを開かないと社内のデータにアクセスできず、不満の声があがっていました。
── それは外出が多い営業職の方は特に支障がありそうですね。
加藤さま:私も以前営業でしたが、ガラケーだとGoogle Mapのような地図アプリが使えないので、取引先様に訪問するときは地図を握りしめて移動しなければならず、とても大変でした。それに、取引先のお客様からメールが届いた場合、パソコンを立ち上げないと内容を確認できず、レスポンスが遅れてしまうこともありました。
── 課題の解決に向けて、どのように検討を進めていきましたか?
栗原さま:社員からの要望を受け、DX戦略部が主体となってスマートフォンの導入に向けた検討を進めていきました。スマートフォンの業務利用を前提に考えると、社内システムやインターネットにアクセスできることが不可欠ですが、同時にセキュリティも担保しなければなりません。
スマートフォンから社内システムにアクセスするための専用アプリを作るという手段もありましたが、リソースや開発コストもかかってしまいます。拡張性に優れ、導入しやすい仕組みを検討する中で注目したのがmoconaviでした。
moconaviは、端末に情報を残さずに業務のアプリケーションにアクセスできる仕組みとして、他の金融機関でも多く採用されているため、以前から認知していました。導入企業である北國銀行さんのセミナーにも参加させていただいたこともあり、その有用性を理解しておりました。
── スマートフォンの導入とmoconaviによる環境構築はどのような流れで進めましたか?
栗原さま:スマートフォンの導入にあたり、各キャリアさんからご提案をいただきました。その中から、moconaviの仕組みも合わせてご提案いただいたSoftBankを採用。その後も基本的にはSoftBankのご担当者が窓口となり、要件定義から検証、導入までを進めていきました。
── moconaviとともにご準備された仕組みについて教えてください。
栗原さま:まず、スマートフォンとmoconaviの導入に合わせ、MDMとしてMicrosoft Intuneを活用しました。指定の端末しか業務アプリにアクセスできないように条件を付与したり、信頼性の低いWi-Fiに繋がらないようにしたりと制御しています。
また、ブラウザにはmoconavi経由でアクセスできるようにする一方、業務アプリとして使用しているMicrosoft365には、moconavi経由でなくても直接アクセスできる仕様としました。あわせてMicrosoft365のMicrosoft Entra IDによる認証を採用し、ユーザーごとにアクセス権限を設定して使用できるアプリを制御しているので、セキュリティも保たれます。
こうした仕組みの要件定義をしながら、クラウドサービスの環境を整えつつ、検証を進め、1,500台の端末をスムーズに導入できました。
社員に対しては簡単な初期設定の手順書を用意しただけで、説明会などは不要でした。moconaviは、スマートフォンに慣れている人なら使い方で迷うことはないと思っていましたが、想定どおり自然と現場に浸透していきました。
── moconaviの導入による効果はいかがでしたか?
加藤さま:まず、ブラウザにセキュアにアクセスして検索ができるので、利便性が飛躍的に向上しました。社内のポータルサイトにアクセスすれば最新の連絡文書も確認できますし、グループ独自のChatGPTにもアクセスでき、客先訪問前のちょっとした移動時間で情報のインプットができます。
また、従前はお客様からのメールはパソコンを開かないと確認できませんでしたが、今はプッシュ通知で即座に気付き、そのままMicrosoft365のメールアプリでいつでも返信できるようになりました。
その他、社員から好評なのが、moconavi電話帳と写真のアップロード機能です。
moconavi電話帳は、ホールディングスやグループ企業社員の電話番号を一元的に管理・更新できます。自分では登録していない社員の方から着信があった場合でも、発信者の名前が表示され、とても便利です。
写真のアップロード機能について、スマートフォンで撮影した写真をOneDriveにアップロードできます。これは、不動産取引に関する業務で評価用に担保物件の写真を撮りたいときに大変役立っています。以前はデジカメで撮影したうえで、SDカードからプリントアウトした写真を書式に貼り付け、それをスキャンしてPDFに残す複数の工程が発生していました。現在は写真を撮影するだけでOneDriveに保存されるので大幅に業務が効率化されました。当然、データは端末に残らないのでセキュリティも担保されます。
── moconaviを採用したスマートフォンの導入による効果の検証はされましたか?
栗原さま:先日、スマートフォンを使用している社員に対してアンケートを実施し、スマートフォンの導入により、「業務スピードの向上」「情報収集の効率化」「お客様対応のスピード向上」の3点が実現できているかを調査しました。結果、スマートフォン導入に対して約9割が好評の声で、確実に以前と働き方が変わっていることがわかりました。
利便性の向上とともに、端末にデータが残らないため、万が一端末が紛失しても安心。紛失した事例はありませんし、今後もないことが理想ですが、この安心が当グループのような金融機関にとっては最も重要であり、moconaviの最大の価値だと感じています。
── 最後に、moconaviへのご要望や、御グループの今後の展望をお聞かせください。
加藤さま:moconaviを採用したスマートフォンは、当初、モバイル端末をよく使用する営業職を中心に1,500台導入しました。今後もさらに台数を増やし、約5,000名の全社員にスマートフォンを浸透させることが目標です。同時に、社員からの要望を聞きながら、新しいアプリを取り入れ、より良い業務環境を整えていきたいです。
栗原さま:ガラケーからスマートフォンになったことで、社員の働き方は飛躍的に改善され、お客様サービスの向上にも寄与したと思います。 DX戦略部は、スマートフォンの導入だけでなく、社内のレガシーシステムもアップデートするなど、さまざまな観点でDXを進め、地銀として最先端の働き方を目指していきます。
moconaviも、その一端を担う重要なツール。さらに現場で使いやすい仕組みとなるよう、今後のアップデートにも期待しています。
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- Exchange Server, コミュニケーション(チャットツール), メール, 社内システム, 電話・UC
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