moconavi クラウドゲートウェイサービスにより、支給スマートフォンを活用した「どこでも働ける」環境を実現
香川県西部に位置する三豊市は、2006年に7つの町が合併して生まれた新しい市となります。昨今では天空の鏡と言われる「父母ヶ浜」など海と山とが共存する自然豊かな市になります。情報政策課は合併と同時に発足し、先進的なIT活用や働き方改革に着手してきました。
合併後の取り組みの一環として、職員が場所を問わず業務を遂行できる環境を整備するため、2025年1月よりmoconavi クラウドゲートウェイサービスを本格稼働。
今回は、moconaviの導入経緯やオンプレミス環境との連携の実現方法、そして導入後の効果について、三豊市総務部総務課デジタル推進室副主任の北岡千宙さまにお話を伺いました。
── はじめに、はじめに、御庁の働き方改革の取り組みと、今回のmoconavi導入の背景について教えてください。
三豊市 総務部総務課 デジタル推進室 副主任 北岡さま
北岡さま:三豊市は、職員が現場に出て業務をする際の効率化を図るため、2021年度に業務用スマートフォンを導入しました。
もともとは「固定内線電話(PBX)の置き換え」として職員に周知し、合意形成を図りましたが、その先にアプリケーションやシステム連携を進める意図がありました。
── 導入以前の業務において具体的にはどのような課題がありましたか?
北岡さま:支給スマートフォンの導入以前は、職員からは「出先や現場でのスケジュール管理や資料確認がしたい」という声が多くあがっていました。
業務用PCも外部に持ち出す環境はあったものの、所定の手続きが必要で不便でした。
── 特に現場で業務の支障が発生していた部署はありますか?
北岡さま:建設部局の職員や介護認定調査員、保健師など、現場に出ることが多い部署からのニーズが高かったです。
以前は、現場で一旦内容を保留にし、庁舎に戻ってPCを立ち上げて確認し、再度電話やメールでやり取りするという「業務の無駄」が発生していました。
現場ですぐにスケジュールを確認し、関連部署との連絡が取れる環境が必要でした。
── 現場でのニーズを解決するため、数あるサービスのなかからmoconavi クラウドゲートウェイサービスを採用した決め手は何だったのでしょうか。

北岡さま:当初、業務用スマートフォンでオンプレミスにあるメールサーバーや業務PCとの連携をどう実現するかが大きな課題でした。
オンプレミス環境をインターネットに公開しない「α′モデル」を採用している三豊市にとって、moconaviの中継アプライアンスによってオンプレミス資源を活用する構成が理想の形だと感じたのです。
── moconaviとともにHENNGE One Identity Editionも導入されましたが、パスワードレス認証を実現したかった理由とは?
北岡さま:今後、支給スマートフォンにさまざまなアプリケーションを追加して利用シーンを拡張していこうと考えたとき、利便性とセキュリティの両面からパスワードレスは必須だと考えていました。
そこで、moconaviとともにHENNGE Oneを導入し、シングルサインオン(SSO)を実現しました。
指紋認証と組み合わせることで、パスワードを入力することなく、グループウェアにアクセスできる仕組みが非常に有効でした。
三豊市役所「moconavi」利用システム構成図
── 他に、moconaviを選定するうえで重要視したポイントはありますか?
北岡さま:非常に重要だったのが、DocuWorks文書のプレビュー機能です。
庁内の行政文書は全てDocuWorksで作成されており、文書管理システムにもDocuWorks形式で格納しています。
moconaviがDocuWorksに対応していたことは非常に大きな決め手になりました。
── moconaviの現在の活用状況を教えてください。

北岡さま:2025年1月から全職員向けに約800IDの運用を開始後、moconaviは現場で働く職員を中心に活用が進みました。
産業政策課、健康福祉系の保健師や介護認定調査、建設部局、学校現場など、庁外で動く職員に大変活用されているようです。
── 職員の皆さんが最も利用している機能は何でしょうか。
北岡さま:やはり一番利用が多いのは、スケジュールの調整です。
現場でスケジュールを確認し、その場で調整できるようになったため、無駄な時間を削減できています。
管理職以上は業務時間外もスマートフォンを持ち帰れる運用としており、災害対応なども含めて非常に活用されています。
── 利便性向上以外に、業務改善に繋がった事例はありますか?
北岡さま:支給スマートフォンにインストールしてある自動翻訳アプリや文字起こしアプリが非常に有効利用されています。
以前は窓口で外国人対応が必要な場合、特定の言語が話せる職員を呼んでいましたが、今では自動翻訳アプリを使うことでどの職員でも対応できるようになりました。
文字起こしアプリは会議の議事録作成などでフル活用されています。
さらに、チャットツールもスマートフォンから利用できるため、庁内の連絡はメールではなくチャット中心となり、業務が円滑に進んでいます。
── 今後のmoconavi活用に関する展望についてお聞かせください。
北岡さま:今はグループウェアやオンプレミスメールの利用が主ですが、今後はクラウドサービスを積極的に取り入れていきたいと考えています。
moconaviとHENNGE Oneを組み合わせることで実現した「パスワードレスでクラウドサービスに接続できる」という最大の強みを活かし、「執務室のPCで働く」というこれまでの自治体業務の常識を変えていきたいですね。
── その他、DXの構想をお聞かせください
北岡さま:現在、Microsoft 365の導入を進めています。
また、学校現場においても行政システムの環境改善も進めていきたいです。
行政ネットワークを各学校に引くのではなく、moconaviのリモートデスクトップサービス機能を活用して接続することで、先生方が行政側の情報を確認できる環境を整備できたらと考えています。
※導入取材時期:2025年10月
三豊市観光のご案内:https://www.mitoyo-kanko.com/
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