moconaviの幅広い機能を活用し、コミュニケーションのあり方を大幅に変革
1877年(明治10年)に第十六国立銀行として創業。1896年に株式会社十六銀行と改称した。岐阜県岐阜市に本店を置く地方銀行として、岐阜県と愛知県に店舗網を展開。2021年10月には持株会社体制へと移行し、株式会社十六フィナンシャルグループを設立。グループ経営理念において、「お客さま・地域の成長と豊かさの実現」を使命に掲げ、「ともに地域の未来を創造し、ともに持続的な成長を遂げる総合金融グループ」を目指しています。
日本でも急速な勢いで進む、ITを活用したコミュニケーションの変革。この波は金融業界にも押し寄せています。しかし信用第一のこの業界では、セキュリティの高いハードルが存在します。このハードルを乗り越えるためにmoconaviを活用しているのが、株式会社 十六銀行(以下、十六銀行)です。
そのコミュニケーション基盤について「長年にわたってPBXベースの固定電話による内線電話を使い続けてきました」と振り返るのは、十六銀行 経営管理部 総務管財グループの奈良 隆夫 氏。
「銀行では3年に1回程度の頻度で配置換えがありますが、そのたびに内線番号が変わってしまい、組織変更の際には電話工事も必要でした。以前は3~4か月に1度は工事が行われており、それだけで年間100万円以上のコストがかかっていたのです」。
使い続けてきた電話設備が導入から10年経過していたため、老朽化も進んでいたと奈良氏。その更新には多額の費用が必要であり、システムそのものも20年以上見直しがなされていなかったため、時代遅れ感も否めなかったと語ります。また営業店では業務用の携帯電話(ガラケー)も導入されていましたが、通話のみの利用に限定されていたため、利便性が悪いという指摘もありました。
「この状態から一気に3~4歩前進しようという思いから、コミュニケーション基盤の刷新を決断しました」。
そのためにまず着手したのが、スマホ(iPhone)の導入です。複数キャリアからスピード感とコストで優位性があったソフトバンクを採用し、内線の仕組みとして同社の「ConnecTalk」を導入。
その後ソフトバンクから、電話帳システムやスケジュール管理、社内SNS、メール連携などについて、複数の提案を受けたと言います。そしてスマホのエンドポイントセキュリティも考慮し選んだのが、これら全てをmoconaviで実現する方法でした。
「moconaviとConnecTalk連携による固定電話の廃止とスマホ導入で、年間2000万円程度のコストを削減できると見込んでいました」。
金融業界特有のセキュリティへの高いハードルがありながら、スマホからの社内システムのアクセスやクラウドサービスのインターネットからの接続に踏み切ることができた理由をこう語ります。
1,MAMによる情報漏えいの防止と通信の暗号化で安全に接続
「moconaviはいわゆる『MAM』と呼ばれるセキュリティソフトであり、スマホ内の重要データの情報漏えいを防ぐことが可能です」と奈良氏。
スマホから自由にインターネット接続することで当然ながらセキュリティリスクは高まりますが、moconaviでスマホ内に安全に隔離された領域を作り、その領域内の重要データを端末自体に残さないことで、万が一端末を紛失してしまっても情報漏えいのリスクは低くなります。さらに、通信も暗号化しているので、スマホからクラウドサービスも安全に利用できるようになると説明します。
「moconaviのクラウドセンターと接続する際には、スマホ内のmoconaviがスマホと利用者の認証を行います。そのためなりすましや不正利用も防止できます」。
2,moconavi中継サーバーとファイアウォールで強固な不正侵入対策
これに加えて「行内システムと安全に接続できる」ことも、高く評価されました。moconaviから行内システムにアクセスする場合、レコモットが提供する中継サーバーを社内に設置します。これが外部と暗号通信を行うため、安全なアクセスが可能なのです。なお十六銀行では、中継サーバーと行内システムとの間にファイアウォールを設けており、強固な不正侵入対策を実施しています。
3,幅広い機能をカバーしトータルコストを削減
さらに「moconaviは1ユーザーあたりの利用料が安く、幅広い機能を装備していることも魅力の1つです」と奈良氏。moconaviで幅広い機能をカバーすることでトータルコストを下げられると判断したことも、採用の大きな理由の1つだと説明します。
スマホとmoconaviの導入によって、行内のフリーアドレス化が可能になり、組織変更に伴う配線工事が不要になりました。また働き方も大きく変化しています。
「以前の内線電話は固定型だったので、自席でないと取れませんでしたが、今はどこでも通話できます」と奈良氏。社内PCのタブレット化も推進しているため、現在ではタブレットPCとスマホさえあれば、どこでも仕事ができるのだと言います。「導入決定はコロナ禍が始まる前でしたが、コロナ禍のテレワーク化もスムーズに行えました」。
インターネット利用の安全性も高くなっています。受信したメールはmoconaviの標準機能で無害化されるため、万一マルウェアが添付されたメールを受信した際にも、スマホ側で感染する危険性を回避できるのです。
さらに奈良氏は「moconaviの電話帳機能も便利です」と指摘。これによって誰から電話が来たのかがすぐにわかり、電話発信も簡単に行えるようになったと言います。
現在使われているmoconaviの機能は、電話帳、行内のExchangeメール、各種資料参照、行内稟議(ワークフロー)、ビジネスチャットと、多岐にわたります。電話帳活用は内線番号のみに限定していますが、近い将来には顧客の外線番号もこれで管理し、個人管理の電話番号をなくしていくことが目指されています。
「moconaviによって行内のコミュニケーションは劇的に変化しました」と奈良氏。今後も社内システムやグループウェアの行外利用、TeamsやSansan、との連携、ビジネスチャットの活用促進なども検討したいと言います。「moconaviのポテンシャルはまだまだ大きいと感じています。今後もぜひ定期的にオンライン面談しながら、活用方法について助言していただきたいと思います」。
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