働き方大改革!moconavi&moconavi 050で事業の迅速化とコスト削減を同時に実現
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法に基づき、交通ネットワークの整備を目的として、2003年10月に設立。新幹線等の鉄道施設の建設や貸付、海外高速鉄道の調査等、離島航路等の船舶の建造、公共交通整備のための資金的支援などを主な事業とし、新幹線や都市鉄道、内航海運などの環境にやさしい交通インフラの整備において重要な役割を担っている。2022年9月に西九州新幹線、2023年3月に相鉄・東急直通線が開業予定。
長距離移動の時間を大幅に短縮し地域経済の活性化を促す「新幹線」や、都市の魅力や利便性を高める「都市鉄道」、海上での人と物資の安全な運搬を担う「内航海運」など、私達の生活は様々な公共交通に支えられています。これらの交通インフラを整備する上で、重要な役割を担っているのが独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT:Japan Railway Construction, Transport and Technology Agency)です。
その主な事業は、新幹線等の鉄道施設の建設や貸付、海外高速鉄道の調査等、離島航路等の船舶の建造、公共交通整備のための資金的支援など、実に多岐にわたります。現在も、北海道新幹線の新函館北斗・札幌間、北陸新幹線の金沢・敦賀間、西九州新幹線の武雄温泉・長崎間、相鉄・東急直通線、離島航路などのプロジェクトを手掛けており、鉄道・船舶ネットワークのさらなる整備を推進しています。
「JRTTは交通インフラ整備の一翼を担っていますが、その使命が果たせるわけではありません」と語るのは、JRTT 総務部 情報システム課で課長補佐を務める岡村 直貴 氏。鉄道建設事業は鉄道事業者や自治体、ゼネコン、建設コンサル、各種メーカーなど、数多くの関係者によって支えられており、これらの外部の関係者との連携が極めて重要なのだと言います。
「しかし以前は、このような外部の関係者との連絡手段に課題が生じていました。外部連絡を必要とする職員は現場で活動することが多いのですが、業務用の携帯電話を契約するには基本料金や端末代金が必要となるため、一定の予算のなかで提供できる台数が限られていたのです。そのため所長クラスの職員に携帯電話を提供し、他の職員は共用で利用する、という使い方にせざるを得ませんでした。組織的にも、職員の私有の電話番号を外部の関係者と共有することや通話代金を職員負担とすることは、避けなければならなかったのです」(岡村氏)。
「その結果、外部と連絡する職員は、私有の携帯電話と業務用の携帯電話の2台持ちとなり、持ち歩く荷物が増えてしまっていた」と話すのは、これまで新幹線建設プロジェクトを進める地方機関で数多くの業務を経験してきた、JRTT 総務部 情報システム課 担当係長の手塚 潤 氏です。また、同じ端末を複数の利用者が交替しながら利用していたためリスクが高く、政府機関特有の調達手続や物品管理に係る労力も、大きな負担になっていたと語ります。
「特に最近は西九州新幹線の開業を控え、試験走行や監査・検査への対応のため、多くの職員が同時に出向くことが増えています。そのため多くの職員へ迅速に提供でき、導入・運用のコストや負担の軽減が可能な連絡手段が求められていました」(手塚氏)。
その一方で、外部で活動する職員の機構内コミュニケーションにおいても、課題に直面していました。JRTTでは2017年にイントラネット閲覧用にリモートアクセスツールをすでに導入し、これをBYOD端末で利用していましたが、2018年にMicrosoft 365を導入し、その後、利用者が増大した結果、その使いにくさや管理コストを見直すようになりました。
「当初はJRTTからの出向者や育児休業中の社内ネットワークにアクセスできない職員を中心に、限定的にBYOD向けのリモートアクセスツールを配布していましたが、利便性を鑑み、対象範囲を外勤職員にも拡大しています」と岡村氏。Microsoft 365へのアクセスについてもオンプレミスサーバーのリモートアクセスツール経由で行うようになっていたため、ここに1000人以上の職員がアクセスするようになった結果、レスポンスが極めて遅くなってしまったのだと言います。そのためTeamsの活用も検討しても、なかなか現実的ではありませんでした。また以前のツールではセキュアブラウザやオンプレミスサーバーのため、Teamsからのプッシュ通知を受けることができないという問題もあったと指摘します。
「さらに、契約条件の縛りから利用継続の際に随意契約になってしまうことや、ライセンスコストにも問題があると感じていました」
これらの問題を一気に解決する手段としてJRTTが採用したのが、「moconavi」と、moconaviの050番号サービスである「moconavi 050」でした。まずmoconaviの採用理由について、岡村氏は次のように語ります。
「moconaviはクラウド経由で利用できるため、アクセスが集中してもレスポンスが低下しません。Teamsのプッシュ通知を受けることもでき、連絡があればすぐに確認可能です。また端末側に情報が残らないため端末紛失時にも情報漏えいの心配がなく、指紋認証や顔認証などの多要素認証もサポートしているため、セキュリティ対策も十分に担保されています。さらにライセンスコストが以前のツールよりも安く、契約内容に購入代理店の縛りがないため、契約更新毎に入札案件にできることも評価しました」。
その一方でmoconavi 050に関しては、手塚氏が次のように説明します。
「moconavi 050なら私有のスマホに導入するだけで法人用の050番号が使えるため、数が限られる法人契約の携帯電話を使わなくても、外部関係者との連絡が必要な職員全員に、法人の番号を提供できるようになります。もちろん通話料金も分かれており、個人スマホで通話しても通話料を個人が負担する必要はありません。BYODなので管理コストや労力も不要になり、発信をmoconaviの電話帳から行えることもメリットです。そしてもう1つ、通話機能の基本料金がゼロ円であることも大きな魅力です」。
これに加えて手塚氏は、moconavi 050の音声通話が電気通信事業法に基づくものであることも、重視したと言います。
「鉄道建設では山間部に出向くことも多く、北海道新幹線ではその8割の区間はトンネルです。そのためIP通話ではつながらないことも少なくないのです。しかし電気通信事業法に基づく通話手段であれば、山間部などでもつながりやすく、高い音声品質も確保できます。JRTTにとってはこのような特徴も、重要なメリットの1つなのです」。
リモートアクセスツールの見直し検討が始まったのは2021年7月。その後3か月間の検討期間を経て、2021年10月に採用が決まり、moconaviの調達を行いました。まず先行してmoconaviを2021年12月に展開し、その翌月にはmoconavi050の利用も開始。現在ではmoconaviの利用者数は約1,200名、moconavi 050は新たな鉄道路線の最前線で活躍する職員を中心に190名が利用しており、今後必要に応じて増やしていく予定になっています。
「moconavi 050を導入したことで、外部の関係者と連絡・調整するための携帯電話の契約を、毎回キャリアと行う必要がなくなりました」と言うのは、JRTT 総務部 情報システム課 担当係長の藤谷 哲也 氏。必要になった数だけ迅速に、外部との連絡手段として050番号を提供できるようになったと語ります。またJRTTが配布する携帯電話を持ち歩くことに比べて、その管理コストや負担も大幅に軽減されていると指摘します。
「コストも大幅に低減しました。前述のようにmoconavi 050は基本料金がゼロ円で、端末の用意が不要なので、速やかに必要な職員に提供することができ、台数の増減といった障壁も大きく緩和されました。またmoconaviそのもののライセンスコストも安価です。以前のツールと比べて、トータルコストは3分の2から半分程度になっています」。これに加えて藤谷氏は「通話代金の請求内訳について、Excelのデータで受け取ることができるのですが、これもありがたいサービスです」と述べています。
BYODでTeamsも利用できるため、随分使いやすくなりました。レスポンスが安定し、プッシュ通知も受けることができるため、Teamsで気軽かつ迅速にメッセージの送受信を行えるようになったのです。
「Teamsの利用が本格化したのはコロナ禍が始まった2020年4月ですが、この頃はWeb会議しか使われていませんでした」と振り返るのは、JRTT 総務部 情報システム課 担当係長の日渡 清江 氏。この頃から「チャットもある」ということは多くのユーザーが知っていましたが、以前のツールではオンプレミスサーバーの能力の制約などの理由から、その利用を運用できなかったのだと言います。「しかしmoconaviを導入してから、その問題が解消され、運用上の制約も不要になりました。その結果、チャットの利用は一気に拡大し、職員同士の連絡がどこででも簡単に行えるようになり、意思決定も迅速化しています」。
moconaviはTeamsだけではなく、Exchange Onlineやオンプレミスのファイルサーバー、イントラネットとも連携しています。これによって例えば、スマホのカメラ機能で撮影した社員をファイルサーバーに直接保存し、その内容を即座にTeamsやメールで通知する、といったことも可能になりました。これらに加え、クラウド上にある規程管理システムやコンテンツマネジメントシステム(CMS)、人事給与システム、グループウェアなど多くのシステムにも、セキュアブラウザ経由でアクセスできるようになっています。
「部署によっても異なりますが、Teamsでコミュニケーションを行う回数は格段に増えており、事務所にいるかどうかを気にせずに連絡する文化が浸透しつつあります」。ユーザーの満足度も以前に比べ、はるかに高くなったと語ります。「さらにmoconaviには利用時間を制限する機能もあり、業務時間以外に使うとその旨のメッセージを流すことも可能です。働き過ぎを防ぐという意識付けにも、有効な仕組みだと感じています」。
JRTTでは2022年1月にOne Driveの利用を開始しており、moconaviを連携することが検討されています。またワークフロー製品との連携によって、承認や意思決定のさらなる迅速化も推進していく計画です。moconaviとmoconavi 050の導入に加えて、フリーアドレス化も徐々に進んでおり、電話のあり方に関する議論も始まっています。
「導入以前から育児や介護等により一時的に職場を離れた職員への情報共有としても活用していましたが、事務所外におけるツールとしてだけではなく、今後は、事故や災害等の緊急時における連絡手段としても活用するなど、さらに密に連携できる手段としても、moconaviとmoconavi 050の活用を図っていきたいと考えています」と岡村氏。また働き方改革の基盤としても、重要な役割を果たすと期待していると言います。「これからは運輸・建設業界でも残業規制が厳しくなり、デジタルを活用した効率化や、無駄なプロセスの見直しが不可欠になります。今後も数多くの関係者と調整しながら、アジャイル型で改善を積み重ねていきたいと思います」。
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