FAX文化からの脱却で、命をつなぐ現場を変革!moconaviでドナー情報管理の高度化と業務効率化を実現
造血幹細胞の移植を必要とする患者と、提供するドナーとを繋ぐ、公益財団法人日本骨髄バンク。白血病などの血液難病に苦しむ人たちを救命することを使命に、1991年に「財団法人骨髄移植推進財団」として設立されてから30年以上活動を続けてきました。
同法人は、全国で活動する約140名の「コーディネーター」との連絡手段を、長年運用されてきたFAXから「moconavi」へと刷新。情報漏洩リスクを排除しながら、業務の効率化とペーパーレス化を実現しました。同法人のドナーコーディネート部 松村優祈さま・松田春菜さま・大岡香織さま・総務部システムチーム 竹村肇さまに、moconaviを導入した背景や導入効果についてお話を伺いました。
── はじめに、moconavi導入以前に抱えていた業務上の課題について詳しく教えてください。
日本骨髄バンク 総務部 システムチーム 竹村肇さま
竹村さま:私たちの活動において、ドナーとの連絡調整=コーディネート(ドナーの提供意思の確認や健康状況の確認、面談日程や患者の都合に合わせた提供日程の調整等)は最も重要なプロセスで、この業務を支えているのが、全国に約140名いるコーディネーターの方々です。コーディネーターは、当法人からコーディネートに必要なコミュニケーションスキルと知識について研修を受け、認定された方々で、主に在宅で活動されています。
これまで、事務局からコーディネーターへの連絡や指示は、長らくFAXに頼ってきました。1件のコーディネートに対して、状況の変化や面談日程の調整、検査結果の共有など、最終的に約20枚もの帳票が発生します。コーディネーターの中には、一度に15〜20件もの案件を並行して担当する方もおり、その場合、自宅で管理しなければならない紙の資料は数百枚という膨大な量に達していました。
── 導入以前の業務において具体的にはどのような課題がありましたか?
日本骨髄バンク ドナーコーディネート部 指導研修チーム 松田春菜さま
松田さま:最大の懸念は、やはり個人情報の紛失や漏えいといったリスクです。コーディネーターはドナーとの面談や病院への同行など、外出する機会が非常に多い仕事です。そのため、ドナーの機微な情報が記載された紙を持ち歩く場合があり、紛失のリスクは常に隣り合わせでした。
また、ドナー情報に関わる書類の「トレーサビリティ(追跡可能性)」は、地区事務局、コーディネーター双方にとって大きな負担でした。当法人のルールとして、コーディネーターに預けたドナーの個人情報はコーディネート終了後にすべてを事務局に返却し、事務局はコーディネーターが受け取った郵送書類および受信したFAX用紙すべての枚数が揃っているかを一点一点照合するという、極めて煩雑な作業が発生していたのです。
さらに、社会的なインフラの変化も無視できない課題でした。若年層や集合住宅にお住まいの方を中心に、固定電話を契約しない世帯が増えており、FAX機の保有をコーディネーターにお願いすることが困難になりつつありました。これまでの「FAXありき」の体制を維持すること自体が限界を迎えていたのです。
── デジタル化への移行において、なぜ「moconavi」という選択肢に至ったのでしょうか。
竹村さま:先述の通り、私たちが扱うのは、ドナーの健康状態や私生活に関わる非常にデリケートな情報です。そのため、モバイル活用において「端末に一切の情報を残さない」シンクライアント型のセキュリティ対策を講じることは、検討における絶対条件でした。
その事を踏まえて、2023年にはmoconaviを導入しておりました。moconaviは厳格なセキュリティ要件が定められている金融機関などでも多くの導入実績があり、信頼できるプラットフォームであることが大きな決め手となりました。
導入時はメール、アドレス帳など連絡業務のセキュリティ対策が主体でしたが、このプラットフォームを使えばコーディネーターとのコミュニケーションにFAXは要らなくなるのではないかと思いペーパーレス化を進める「FAX-moconavi化」プロジェクトを立ち上げました。
── プロジェクト遂行にあたって、苦労された点や試行錯誤されたエピソードはありますか。
日本骨髄バンク ドナーコーディネート部 指導研修チーム 大岡香織さま
大岡さま:今だから話せますが、実は一度、プロジェクトが頓挫しかけるほどの大きな壁にぶつかりました。2025年の初頭に、まずは約20名のコーディネーターを対象にトライアルを実施しました。しかし、そこで「使い方がわからない」「動作が重い」「編集したはずのデータが反映されない」といった厳しいフィードバックが相次いだのです。コーディネーターの業務は、幅広い人生経験が求められるため、50代後半のシニア層が中心です。一方でITツールに対して必ずしも習熟している方ばかりではありません。なかには自信を失くし離脱する方も現れ「FAX-moconavi化」プロジェクトを推進する私たちとしても心が折れそうになった時期がありました。度重なる手順の変更、コーディネーターに配慮のないマニュアルなど、私たちの力が及ばないことが原因なのは明らかでした。
── その危機を、どのようにして乗り越えられたのでしょうか。
日本骨髄バンク ドナーコーディネート部 指導研修チーム 松村優祈さま
松村さま:レコモットのカスタマーサクセスチームが、私たちの状況を深く汲み取って伴走してくれたことが心強い支えになりました。彼らはエンジニア的な視点とユーザー側の視点を併せ持ち、双方の「橋渡し」となり、何が現場での混乱の原因になっているのかを一つひとつ紐解いてくれました。
そこで、極限までシンプルな運用とすることにしました。「モバイル端末で帳票を編集する」という操作は一旦捨て「FAXの代わりに安全にPDFを閲覧できるようにする」という点に集中することにしたのです。また、マニュアルについても、レコモットのアドバイスを受けて文言の統一や図解を徹底し、誰が読んでも迷わないものに作り直しました。
最終的には、基幹システムから生成されたPDFのURLをメールでコーディネーターに送り、コーディネーターはそれをmoconavi内のドキュメントビューワで閲覧するという運用にたどり着きました。この軌道修正が、その後の本格稼働に繋がりました。
── moconaviの本格導入後、どのような効果を実感されていますか。
松田さま:最も大きな成果は、書類管理からの物理的な解放です。これまでFAXで届いていた膨大な帳票がデジタル化されたことで、コーディネーターの手元に残る紙の量は、以前の3分の1程度まで削減されました。事務局へ返却される書類の量も激減し、管理・照合作業という非効率な業務から解放されました。
また、業務のスピード感も変わりました。コーディネーターは外出が多く、以前は「帰宅してFAXを確認するまで、ドナーへの連絡や日程調整ができない」というタイムラグが発生していました。導入後は、外出先であっても、スマホやタブレットからリアルタイムに最新の情報を確認できます。この「今いる場所がオフィスになる」という変化は、長時間の移動を伴うこともあり、かつ、何人ものドナーを担当して多岐にわたるタスクを処理する必要のあるコーディネート業務において、非常に大きなアドバンテージとなっています。
── セキュリティ面での安心感についてはいかがでしょうか。
大岡さま:シンクライアント型であるため、万が一端末を紛失しても中身は見られないし、そもそもデータが入っていない状態であることが、管理者にとっても利用者にとっても心理的安全性の向上につながっています。
── 最後に、今後の活用展望や、期待されている機能があれば教えてください。
竹村さま:現在は一部の帳票がまだ郵送やFAXで残っていますが、これらをすべてmoconavi経由に移行し、「完全なペーパーレス化」を実現することが当面の目標です。また、現在は「閲覧」がメインですが、将来的にはファイル編集機能の安定性を高めて頂き、端末上で安全に報告書の作成・返信ができる仕組みを再構築したいと考えています。
さらに、ファイルサーバー機能を活用し、業務マニュアルや手順書をmoconavi内で共有する「社内Wiki」のような使い方も構想しています。コーディネーターが現場で「こんな時どうするんだっけ?」と疑問に思った際、その場ですぐにマニュアルを確認できる環境を作ることで、さらなる業務の効率化を目指したいです。
※導入事例取材時期2025年12月
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