社給スマホが直面していた問題をBYOD+moconaviで解決、意思決定の高速化をセキュアに実現

株式会社 あおぞら銀行
業種
普通銀行, 金融業
従業員規模
2000~10000人
連携サービス
Exchange Server, コミュニケーション(チャットツール), メール, 社内システム, 電話・UC
課題・目的
BYOD導入, コスト削減, セキュリティ強化, 情シスの負荷軽減

1957年に日本不動産銀行として設立。その後、日本債券信用銀行の時代を経て、2001年に現在のあおぞら銀行へ変更。IT社会の到来を見据えた新産業や新興企業の育成、地域活性化・地方創生に向けた取り組み、個人資産形成や円滑な承継の支援等により、社会のサステナブルな発展に積極的に貢献していくとともに、業務分野でのイノベーションを実行し、高い専門性、優れた機動力と柔軟性を武器に、豊富なアイディアから生み出される商品や相対での高品質なサービスを、個人のお客さまや、事業法人・金融法人のお取引先に提供しています。

社給スマホが1000台規模になっていたが、端末紛失時に情報漏えい有無の確認が不十分な状態だった
社給スマホの調達・提供に膨大な費用と工数がかかっていた
個人用スマホとの2台持ちになるため、社内/社外で活動する際の荷物が増えていた
端末側に情報が残らないなど、BYODでもセキュアに使えること
アクセスログが残り、紛失時に不正利用がなかったことを証明できること
直感的に操作できるユーザーインターフェースで、電話との親和性も優れていたこと
BYOD化によってスマホの2台持ちを解消
万が一のスマホ紛失時も不正利用がないことを証明できる
社給スマホ提供のリードタイムが不要
社内の業務アプリへのアクセスやチャット活用で、意思決定のさらなる迅速化に貢献
Exchange連携は引き続き利用していくが、Microsoft 365の導入も検討中、さらに連携できるサービスの活用も視野に
コロナ禍が収まり行員の渉外営業や海外出張などのシーンにおいて、スマホでできることが広がったことの、真価が発揮されると期待
導入前の課題
社給スマホ紛失で発生する情報漏えいの危険性

「2017年には現在の新本社に移転しましたが、その頃からフリーアドレス化を推進し、スマートフォンを会社で支給していました」と語るのは、あおぞら銀行 インフラストラクチャーマネジメント部システムインテグレーション第三グループで課長を務める木村 俊介 氏。その配布数は年々増大し、2020年には1000台弱に上っていたと振り返ります。「この頃まで※1BYOD(Bring Your Own Deviceの略)にすることは考えていませんでしたが、次第に社給スマホならではの問題が顕在化していきました」。

株式会社 あおぞら銀行 インフラストラクチャーマネジメント部 システムインテグレーション第三グループ
課長 木村 俊介 氏

 

「その最大の問題が、紛失した際の対応の難しさです。当時、社給スマホでは、社内のExchange Serverの機能にてメールを同期していました。そのため第三者がそのスマホ内の情報へのアクセス有無を十分に確認できず、情報漏えいしたか否かの判断が困難だった」と木村氏は説明します。

これに加え、この社給スマホは社内では※2FMC(Fixed-Mobile Convergenceの略)による内線電話としても使われており、キャリアからの新規調達やキッティング(MDM、端末証明書など導入)に時間がかかるという問題もあったと言います。そしてもう1つ、個人使用の端末との2台持ちになってしまい、社内/社外で活動する行員の荷物が増えてしまっていたことも、解決すべき問題だと認識されていたのです。

導入ポイント
端末に情報が残らないこととログ機能を評価

これらの問題を解決するため、2020年4月に本格的な調査に着手。同年8月までに100ライセンスのmoconaviを導入し、それをBYODで利用するスタイルの試行を開始します。

「ここでBYODを採用することにしたのは、スマホの2台持ちを解消したかったからです」と木村氏。これに加え、スマホ側に情報が残らないことや、利用ログが取得できることも、重要な条件になったと語ります。「これらすべての条件を満たせるのがmoconaviでした」。

その一方で「当初は別の選択肢として他社のサービスも検討していました」と言うのは、木村氏と同じシステムインテグレーション第三グループで調査役を務める矢野 小太郎 氏です。「しかしmoconaviの方がユーザーインターフェースの使い勝手が良く、電話帳から直接電話を発信できるなど、電話との親和性も優れていました。そのため早い段階で他社のサービスは選択肢からはずれ、moconavi一択となりました」。

株式会社 あおぞら銀行 インフラストラクチャーマネジメント部 システムインテグレーション第三グループ
調査役 矢野 小太郎 氏

 

2020年8月には一部の先行利用者にmoconaviを導入。Exchangeと連携したメール・カレンダー機能や、セキュアブラウザによる社内アプリ利用、社内ファイルサーバーとの連携が始まります。同年12月にはビジネスチャット機能や、その中に含まれるアプリ通話の利用もスタート。2020年12月には全行導入に向けた検討が本格化し、翌年5月に全行員へと展開されます。これと並行し、新たな電話システムとして Webex Callingも導入。これに対するmoconavi電話帳からの発信も行えるようになっています。


あおぞら銀行様 moconavi利用構成図

導入後の効果
スマホで行える業務が増え意思決定がさらに迅速化

「社給スマホの頃はコストの問題もあり全行員への展開が難しかったのですが、今では全員が自分のスマホで業務を行えるようになっています」と木村氏。BYOD+moconaviの組み合わせによって、コストは大幅に低下したのです。「しかしBYOD化の最大の意義は、FMC対応スマホ提供のリードタイムが不要になったことです。以前は申請から提供まで1か月半掛かることもありましたが、moconaviの導入ならユーザー自身ですぐに実施可能。このスピード感は重要です。IT部門の管理・運営作業も、総量では毎月1人が専念しなければならないほどの規模でしたが、移行後は極小化されました。」。

スマホ紛失時の対応も大きく変化しました。スマホ内に業務に関する情報が一切残らない上、紛失している間のアクセスログもmoconavi側に残るようになっているからです。

「紛失/盗難事案の発生をなくすことは困難ですが、第三者によるアクセスがないことが証明できるため、以前は紛失のたびに関係部門と連携した対応が必要でしたが、アクセスログの確認ができるため、ほぼその必要がなくなりました」(木村氏)。

セキュアブラウザ機能を使うことで、社内のワークフローに安全にアクセスできるようになったことも、大きなメリットだと評価されています。以前はPCからアクセスする必要がありましたが、スマホならどこででも承認を行うことができるため、意思決定のさらなる迅速化が可能になったのです。これに加えてスマホでチャットが使えるようになったことも、コミュニケーションが気軽にとれ業務効率化につながっていると矢野氏は指摘します。

今後の展望
Microsoft 365を導入しmoconaviと連携させることも検討

あおぞら銀行では今後、オンプレミスのExchangeをMicrosoft 365へと移行していくことが検討されています。その際にはメールやスケジュールとの連携は引き続きmoconaviで行う予定で、さらにMicrosoft365と連携できる機能の利用も検討中だと言います。

「moconaviの導入時期はちょうどコロナ禍が始まった頃ですが、導入目的は在宅勤務の支援ではありません」と木村氏。むしろコロナ禍が収まり、行員が自由に海外などに出張できるようになってからこそ、その真価が発揮されるはずだと言います。「どこででも自分のスマホでできることが増えることで、業務スピードはさらに向上していくと期待しています」。

※1 BYODとは、個人が私物として所有しているパソコンやスマートフォンを業務に使う利用形態を指します。
※2 FMCとは、「固定通信とモバイル通信の収束」という意味で、一般的には「携帯電話を固定電話の代わりに、内線のように使う」ことを指します。

moconaviをさらに詳しく知りたい方へ

導入にあたって気になるポイントを詳しく解説します