パソコンを遠隔操作する方法を徹底解説! 自宅から会社PCへ安全で快適にアクセスできるリモートワークを実現するには
- 投稿日:2020 - 4 - 16
- 更新日:2024 - 3 - 29
テレワーク・リモートワークを実施する手段の一つに、手元にあるデバイスを使用して社内のパソコンを遠隔操作する方法があります。社内のパソコンにインストールされたアプリケーションや保存したファイルにアクセスできるため、自宅や外出先からでも効率的に業務を行えるようになります。
ただし、パソコンの遠隔操作には、通信の安定性やセキュリティなどの面でいくつか気を付ける点もあります。「パソコンの遠隔操作で業務を行うとどのようなメリット・デメリットがあるのか」「安全かつ快適に業務を行うにはどのような対策が必要か」など、気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、パソコンで遠隔操作をする4つの方法とメリット・デメリット、安全かつ快適に業務を行うポイントについて解説します。
パソコンを遠隔操作する4つの方法
パソコンを遠隔操作するには、OSに備わっているツールを使用する方法と、外部の事業者が提供するツールを使用する方法があります。
① Windows 10・Windows 11の標準機能でパソコンを遠隔操作する
Windows 10やWindows 11には、“リモートデスクトップ”という機能が標準搭載されています。リモートデスクトップの機能を活用すれば、手元にあるパソコンやスマートフォンを用いて社内のパソコンを遠隔操作できます。
Windows 11でリモートデスクトップを利用する場合には、接続先(ホスト)端末のパソコンを“Window 11 Pro”にアップグレードしておく必要があります。
▼ホスト端末の設定手順
- スタートメニューから「設定」を開く
- 「システム」を選択し、「リモートデスクトップ」を選択する
- リモートデスクトップを「オン」に設定する
- ポップアップメッセージ「リモートデスクトップを有効にしますか?」が表示されたら「確認」をクリックする
▼クライアント端末の設定手順
- タスクバーの検索ボックスに「リモートデスクトップ」を入力して、アプリケーションを選択する
- 接続先のPC名またはIPアドレスとパスワードを入力する
上記の設定でリモートデスクトップが有効になります。
Windows 10でリモートデスクトップ接続を行う方法は、マイクロソフト社の公式ページからご確認ください。
② Google Chromeの拡張機能でパソコンを遠隔操作する
Google Chromeがインストールされているパソコンの場合、Google Chromeの拡張機能“Chromeリモートデスクトップ”を活用すると、OSにかかわらず遠隔操作を行えます。例えば、自宅にあるMacのパソコンから、社内にあるWindowsのパソコンを操作することも可能です。
Chromeリモートデスクトップを使用するにはGoogleアカウントが必要になるため、事前に準備しておきます。
▼ホスト端末の設定手順
- パソコンにGoogle Chromeをインストールして、Googleアカウントでログインする
- Chromeリモートデスクトップのアプリケーションをアクセサリに追加する
- アプリケーションを起動して[リモート接続を有効にする]をクリックする
▼クライアント端末の設定手順
- Google Chromeのアプリケーションを開き、ホスト端末と同じGoogleアカウントでログインする
- Chromeリモートデスクトップを起動する
- 表示された接続可能なパソコンから、操作するパソコンを選択する
なお、Cromeリモートデスクトップに関するセキュリティリスクと対処法については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
③ Splashtopでパソコンを遠隔操作する
Splashtop(スプラッシュトップ)は、画面遅延のないストレスフリーな操作性が特長のリモートデスクトップツールです。
パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからも社内のパソコンへ安全に接続できます。
▼ホスト端末の設定手順
- “Streamer”というアプリケーションをインストールする
- Splashtopのアカウントにログインする
▼クライアント端末の設定手順
- “Splashtop”というアプリケーションをインストールする
- Splashtopのアカウントにログインする
Splashtopは、データを暗号化して送受信を行う仕組みやデバイス認証、2段階認証などにも対応しているため、安全な通信環境で使用できます。
④ TeamViewerでパソコンを遠隔操作する
TeamViewerは、自分のパソコンではなく、従業員のパソコンを操作できるアプリケーションです。例えば、不具合が起きた従業員のパソコンを遠隔操作して状況を確認したり、設定を見直したりする際に役立ちます。
▼ホスト端末のパソコンの設定手順
- TeamViewerのアプリケーションをインストールする
- 自動生成されるIDとパスワードを入力する
▼クライアント端末のパソコンの設定手順
- TeamViewerのアプリケーションをインストールする
- ホスト端末で自動生成されたIDとパスワードを入力する
なお、アプリケーションを一度終了すると、自動生成されたIDとパスワードはリセットされて使えなくなるため、その都度IDとパスワードを共有して入力する必要があります。
会社のパソコンを遠隔操作するメリット
社内のパソコンを遠隔操作できるようになると、データの持ち出しによるセキュリティのリスクを抑えつつ、効率的な働き方が可能になります。
社外から業務を効率的に行える
社内のパソコンを外部から遠隔操作できると、テレワーク・リモートワークによって業務を効率よく行えます。
営業先や自宅など、インターネット環境があれば場所を問わずに仕事ができるため、「資料やメールを確認するために、営業の合間にわざわざ会社に戻る」といった対応が不要になります。
また、テレワーク・リモートワークの環境が整っていると、自然災害やパンデミックなどの非常事態が発生した際にも、業務継続が可能になります。
交通費・出勤時間を削減できる
パソコンの遠隔操作によって業務を行えるようになると、オフィスへの出勤が不要になり、交通費や通勤時間の削減につながります。
また、子育てや介護などの事情で出社ができない従業員も、遠隔操作の機能を活用すれば自宅で業務を行えます。柔軟な働き方ができる環境は、従業員の働きやすさにつながることに加えて、人材確保の観点からも有効と考えられます。
低コストで導入できる
パソコンを遠隔操作できる外部のツールを利用する場合、環境構築に時間と費用がかかるVPNやVDIに比べて、低コストでの導入が可能です。
社内のパソコンがWindows 10やWindows 11であれば、遠隔操作の機能が標準搭載されているため、追加費用なしで利用できます。
OSに標準搭載された機能でセキュリティの安全性が気になる場合は、有料のツールを利用することがおすすめです。
データの持ち出しによるセキュリティリスクを抑えられる
手元にあるデバイスが紛失・盗難に遭った場合に、データが流出するリスクを抑えられることもメリットの一つです。
自宅または外出先で業務を行う場合、データを保存したモバイルデバイスや記録媒体を持ち出すケースがあります。デバイスや記録媒体の紛失・盗難に遭った際には、会社の重要なデータ・機密情報が漏えいしてしまう可能性があります。
社内にあるパソコンを遠隔操作して業務を行う際には、クライアント端末側にデータが保存されないため、万が一紛失や盗難に遭った場合でもデータが流出するリスクを抑えられます。
パソコンを遠隔操作して業務を行うデメリット
パソコンの遠隔操作を行う際は、通信環境や接続の安定性などによって快適に業務を進められない可能性があります。主なデメリットには、以下が挙げられます。
不正アクセスの対策が必要になる
遠隔操作で業務を遂行する際は、不正アクセスの対策が必要です。社内のネットワーク環境や社内パソコンにセキュリティツールを導入していても、そこへアクセスするホスト端末に十分なセキュリティ対策をしていないケースもあります。
例えば、脆弱性のあるソフトウェアやアプリケーションをインストールしている場合、外部から社内のパソコンに接続した際に不正アクセスが行われ、情報が盗まれてしまうリスクがあります。
このようなリスクを防ぐには、社内のパソコンだけでなく個人で使用するクライアント端末側にもセキュリティ対策を行うことが重要です。また、従業員一人ひとりがセキュリティに対する高い意識を持つことも必要といえます。
▼遠隔操作を行う際の不正アクセス対策
- 非公式のアプリケーションをダウンロードしない
- パスワードを定期的に変更する など
セキュリティ対策の手法の一つとなるサンドボックスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ホスト端末の電源を入れておく必要がある
社内にあるパソコンを遠隔操作して業務を行う場合、ホスト端末の電源をオンにしておく必要があります。
あらかじめホスト端末の電源を入れていたとしても、OSの更新時によるシャットダウンや停電などによって電源がオフになると、業務を続行できなくなります。
通信の遅延が生じる可能性がある
パソコンの遠隔操作はインターネット回線を経由して行うため、回線速度によっては遅延が発生する可能性があります。
クライアント端末で入力した内容がホスト端末に反映されるまでにタイムラグが発生すると、ファイルの閲覧やデータの編集などに時間がかかります。これにより、円滑に業務を行えなくなる場合があります。
遠隔操作で安全かつ快適に業務を行うポイント
遠隔操作で安全かつ快適に業務を行うには、遠隔操作を行う方法やツールの選び方が重要となります。確認しておくポイントには、以下の3つが挙げられます。
① セキュリティの安全性
遠隔操作を行う際に不正アクセスのリスクを抑えるには、セキュリティ機能が充実しているツールを選ぶことがポイントです。
▼セキュリティ機能の例
- 暗号化機能
- デバイス認証
- 2段階認証
また、不正アクセスのほかにも、社外で社内のデータにアクセスする際に画面を覗き見られることによる情報漏えいのリスクもあります。ツールにウォーターマークの表示機能が備わっていると、ドキュメントやファイルなどの不正なコピーを防止できます。
なお、多要素認証(MFA)についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
② 導入のしやすさ
自社の業務内容や利用環境に合った導入しやすいツールを選ぶことが重要です。
▼導入しやすいツールを選ぶポイント
- ツールの導入や利用環境の構築に時間・労力がかからない
- 対応しているOSやデバイスの範囲が広い
Windows OSに備わった標準機能を利用する場合、事前に設定が必要になるほか、macOSで業務を行っている企業では導入できません。また、遠隔操作の方法によってはサーバの構築が必要になる場合もあるため、導入に時間と労力がかかります。
クラウド型で幅広いOSに対応しているツールを利用すれば、物理的なサーバを構築したり、OSごとに利用環境を整備したりする必要がなくなります。
なお、テレワーク・リモートワークに適したリモートアクセスツールの選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
③ 描画速度の速さ
パソコンの遠隔操作で円滑に業務を行うには、クライアント端末で入力してからホスト端末へ反映されるまでの描画速度に優れたツールを選ぶことも重要です。
遠隔操作によって発生するタイムラグは、ネットワークの通信環境だけでなく、端末のCPU・メモリに負荷がかかることによって生じるケースがあります。
負荷が少なく高速な描画が可能な外部ツールであれば、画質や接続速度を落とすことなくスムーズに業務を行えるようになります。
OSに備わったツールを使用する場合には、描画する色の数を減らしたり、接続速度を調整したりすることで負荷を軽減できる可能性があります。
『moconavi RDS by Splashtop』を利用して安全で快適なリモート環境を実現
安全かつ快適にテレワーク・リモートワークを行うには、セキュリティの安全性や描画速度に優れたツールを導入することが有効です。
『moconavi RDS by Splashtop』は、最新の画面転送技術を使用したリモートデスクトップツールです。通信の暗号化やデバイス認証、2段階認証によって堅牢なセキュリティでの通信を実現します。クラウドサービスのため、インターネット環境さえあればアプリケーションをインストールするだけで手軽に利用できることも特徴です。
▼moconavi RDS by Splashtopの特徴
- 画面転送方式でクライアント端末にデータが残らない
- クラウド型のツールでサーバやVPNの構築が不要
- SSL/TLS、AES-256ビットによる通信内容の保護で、高いセキュリティを確保している
- リアルタイムに高速描画ができる最新技術を採用しており、タイムラグのない快適な操作が可能
- iOS・Android・Windows・Macの端末から、WindowsまたはMacのパソコンへリモートアクセスが可能
- 画面へのウォーターマーク表示で、不正なカメラ撮影や画面のキャプチャを防止できる
▼プランと料金
プラン | 料金(年額) |
Business | 9,600円 |
Business Pro | 17,400円 |
Enterprise Cloud | 18,000円 |
Enterprise(ユーザー) | 22,200円 |
Enterprise(IT技術者) | 128,000円 |
各プランの詳細な機能については、こちらをご覧ください。
また、業務内容や働き方に合わせたテレワーク・リモートワークの方法については、こちらの資料で解説しています。ぜひご活用ください。
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