リモートアクセスとは?3つの方法とテレワークに適したツール選びのポイント

  • 投稿日:2020 - 4 - 14
  • 更新日:2024 - 2 - 16
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働き方改革が進むなか、注目を集めているのが「リモートアクセス」です。リモートアクセスは離れた場所にあるパソコンやシステムを操作する技術で、テレワークで有効に機能します。

リモートアクセスの方法はいくつかあるため、どれを導入すべきか迷っている企業も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事ではリモートアクセスを行う3つの方法について解説します。それぞれの仕組みやメリット・デメリットを詳しく紹介するので、導入時の参考にしてください。

リモートアクセスとは?

リモートアクセスとは、インターネットを経由して、スマートフォンやタブレット、ノートパソコンといった手元のデバイスから離れた場所にある端末やシステムなどにアクセスすることです。リモートアクセスを導入することで、外出先や自宅などオフィス以外の場所からも、社内システムやオフィスにあるパソコンにアクセスできるようになります。

リモートアクセス環境を整備するメリット

多くの企業で導入が進んでいるリモートアクセス。リモートアクセスを活用すると、以下のようなメリットがあります。

・働き方の柔軟性が高まる

・情報漏えいリスクの低減

上記2つのメリットについて詳しくみていきましょう。

働き方の柔軟性が高まる

リモートアクセスの環境を整備するメリットの一つとして、「テレワークを行うのが容易になる」ことがあげられます。場所を制限されずに業務を進められることから注目を集め、一般に浸透しつつある働き方です。

テレワークはオフィスワークと比べて働き方の柔軟性が高まるというメリットがあります。なかには、自宅療養が必要であったり、育児・介護で自宅から離れられなかったりと、出社が難しい従業員もいるでしょう。

このようにさまざまな事情から、オフィスワークでは出社できない人はできる仕事が限られてしまったり、退職せざるを得なかったりするという問題があります。テレワークを導入すれば、従業員が自宅からでも仕事ができるようになり、個別の事情に合わせた柔軟な働き方が可能になるのです。

また、自宅から会社までの距離が遠い従業員の場合、テレワークによって通勤時間をなくせます。通勤に使っていた時間を個々の自由時間に使うなど、ストレスの軽減にも効果的といえるでしょう。

テレワークによってストレスや不満がたまりにくい環境を作ることで、業務効率のアップも見込めます。このように、テレワークを導入するとワークライフバランスを確保でき、さまざまな事情を抱える従業員も柔軟に働きやすくなる効果が期待できます。

リモートアクセスは、快適かつ効率的なテレワークを実現するうえで欠かせないツールの一つなのです。

情報漏えいリスクの低減

企業が事業活動を行なっていくうえで常に考えなければならない重要課題となるのが「情報管理」です。特にテレワークにおいてはリスクが高まるため、一層の注意と対策が必要です。リモートアクセスはテレワークの環境下においても「情報漏えいリスクを低減できる」というメリットがあります。オフィスの外からでも社内システムにアクセスできる仕組みを作ることで、社外にデータを持ち出さなくても業務を行えます。

リモートアクセスを利用しない場合、オフィス外で仕事をするためにはパソコンに必要なデータを保存して持ち出さなければなりません。このときにパソコンの紛失や盗難が発生すると、情報漏えいにつながってしまいます。

また、リモートアクセスによってパソコンへのデータ複製が不要になると、従業員によるUSBメモリでのデータ持ち出しや、個人の端末へのデータダウンロードによる情報漏えいリスクも減らすことができます。

リモートアクセスの3つの方法

リモートアクセスを行う具体的な方法として、主に次の3つがあげられます。

・リモートデスクトップ

・VPN

・セキュアブラウザ

以下で、それぞれの具体的な内容とメリット・デメリットを解説します。

リモートデスクトップ

リモートデスクトップは、離れた場所にあるパソコンを遠隔操作する仕組みです。例えば、自宅から職場のパソコンにリモートデスクトップでアクセスすると、自宅にいながらオフィスにいるときと変わらない仕事ができます。

Windows10にはリモートデスクトップ機能が標準搭載されているほか、リモートデスクトップを使うための専用ソフトも多く提供されています。

リモートデスクトップのメリット

リモートデスクトップのメリットは、比較的簡単に導入できることです。使用するパソコンのOSがWindows10なら標準機能でリモートデスクトップが使えるため、専用の環境を構築したりソフトをインストールしたりする必要はありません。また、Windows10以外のOSでも、リモートデスクトップ用のソフトをインストールすれば利用できます。

職場のパソコンを持ち出す必要がないため、端末の紛失や盗難のリスクが低いのもメリットです。また、遠隔操作するリモート端末として従業員の私用端末を活用する場合、テレワーク専用端末を会社側で用意する必要がなく、コストを抑えられるというメリットもあります。

リモートデスクトップのデメリット

リモートデスクトップのデメリットは、リモート端末からのセキュリティリスクがあることです。例えば、職場のパソコン内のデータをリモート端末側に保存してしまった場合、リモート端末から情報が漏えいするかもしれません。また、社内では徹底したセキュリティ対策を行っていても、リモート端末側のセキュリティ対策が十分でなければウイルスに感染してしまう可能性もあります。リモート端末として従業員の私用端末を活用する場合は特に注意が必要です。

そのほか、不正アクセスのリスクもあります。リモートデスクトップで遠隔操作するためのログインとパスワードが第三者に漏れてしまうと、不正にログインして情報を盗まれてしまうかもしれません。

リモートデスクトップは、遠隔操作するパソコンの電源が入っていなければ利用できない点にも注意が必要です。リモートデスクトップでアクセスしたいパソコンがスリープや電源オフの状態では接続ができません。また、ファイアウォールの許可設定も必要です。

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VPN

VPNは「Virtual Private Network」の略称で、仮想の専用回線を構築する技術のことです。

VPNを利用すると、不特定多数の人が接続するインターネット環境よりも、安全で安定した通信が可能になります。

また「トンネリング」や「カプセル化」などの技術を用いて、通信を暗号化する点も特徴です。これにより、部外者が通信を傍受できないようになっています。さらに、VPNには認証されたユーザー以外はアクセスできない「認証システム」も使われています。

一口にVPNといってもその種類はさまざまで、リモートアクセスで多く利用されているものには「インターネットVPN」「SSL-VPN」「IPSec-VPN」などがあります。種類によって特徴や導入コストが異なるため、自社に合うものを選ぶことが大切です。

VPNを活用したテレワークでは、普段使用しているパソコンを持ち帰り、自宅などからVPN経由で社内システムに接続して仕事をするのが主な方法です。そのほか、リモートデスクトップを使用する際に、職場のパソコンとリモート端末との通信にVPNを用いるケースもあります。

VPNのメリット

VPNのメリットは、セキュリティの高さです。先述のとおり、VPNは暗号化や認証システムによって通信が守られています。テレワークではセキュリティ対策が重要となるため、より安全にリモートアクセスを行うにはVPNを利用するのがひとつの方法です。

普段使用しているパソコンを持ち帰ってVPNに接続すれば、オフィスで仕事をするときと環境を変えずに仕事ができます。また、リモートデスクトップと違ってリモート端末が必要ありません。会社側でリモート端末を別途用意する必要がありませんし、従業員の私物パソコンを使わないためセキュリティリスクも下げられます。

VPNのデメリット

VPNのデメリットは、VPN環境を構築するために費用がかかる点です。インターネットVPNであれば比較的低コストで導入できますが、IPSec-VPNなどは初期費用や月額費用が高額になるケースがあります。

VPNは通信が不安定になることがある点にも注意しなければなりません。VPNの利用者が多いと回線が混雑して、通信が遅くなったり繋がりにくくなったりするケースがあります。テレワークではWeb会議が重要なコミュニケーションツールとなりますが、通信が不安定だと映像や音声が途切れてしまうといったトラブルも考えられるため、注意が必要です。

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セキュアブラウザ

セキュアブラウザは、不正アクセスや情報漏えいを防止するための機能が備わった、セキュリティに特化したブラウザです。セキュアブラウザを使用すると、閲覧したサイトの情報やダウンロードしたデータはブラウザを終了すると自動で削除されます。端末にデータを残さない仕組みになっているため、情報漏えいリスクを低減できます。

また、サイト閲覧時にフィルタリングが行えるのも特徴です。業務に関係のない不適切なサイトを閲覧することのないよう、あらかじめ閲覧を許可するサイトもしくは閲覧を禁止するサイトを設定できます。

そのほか、スクリーンショットやコピーができないように制限できるセキュアブラウザもあり、一般的なブラウザよりも高いセキュリティレベルを保てます。

セキュアブラウザのメリット

セキュアブラウザのメリットは、テレワークで従業員の私物パソコンを使用しても高いセキュリティを実現できる点です。私物のパソコンで仕事をしても、業務に関係のあるデータは端末に残りません。

セキュアブラウザを使ってBYODを取り入れると、会社側はテレワーク用の端末を用意する必要がなくなります。業務はセキュアブラウザ上で完結するため、私物パソコンをテレワークに使用してもプライベートと仕事の環境はしっかり切り分けることが可能です。

セキュアブラウザのデメリット

セキュアブラウザは、使い慣れた一般的なブラウザとは操作性が異なる点がデメリットのひとつです。セキュアブラウザは製品によって使い勝手があまり良くないものもあるため、選定の際に注意する必要があります。

 

また、端末からデータを削除するためにはログアウトしなければならない製品もあり、この場合は毎回ログインとログアウトをしなければなりません。これを手間に感じる人もいるでしょう。ログアウトをし忘れるとデータが端末に残ってしまい、セキュリティリスクになります。

必要なシステムがセキュアブラウザに対応していなければ、そもそも業務によってはリモートアクセスができない点もデメリットです。ひとつでもセキュアブラウザでは使えない業務システムがあると、オフィスと同じ環境をテレワーク時に再現することはできません。

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リモートアクセスを簡単かつセキュリティを保ちながら実現できるサービスとは

リモートアクセスは離れた場所から会社のパソコンやシステムを操作できる仕組みとして、快適かつセキュアなテレワーク環境を実現するうえで非常に重要です。リモートアクセスを行う方法として、リモートデスクトップ・VPN・セキュアブラウザがあげられます。それぞれの方法に特徴やメリットがある一方、デメリットもあるため、サービスを選ぶ際は注意が必要です。

レコモットが提供する「moconavi(モコナビ)」は、セキュリティ面での信頼性やコスト、操作性など、上記で解説した3つの方法のデメリットをすべて解消できるツールです。moconaviを利用すると、高いセキュリティとスムーズな操作性を両立し、モバイルPCからクラウドや社内システムへ安心してアクセスできます。

また、「moconaviRDS by Splashtop」を使えば、VPN不要で社内のパソコンにリモートアクセスが可能。初期費用0円、月額費用のみで低コストで導入できます。moconaviが提供しているサービスで、セキュアで快適なテレワークを実現しませんか?

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VPN、リモートデスクトップ、セキュアコンテナ、セキュアブラウザ…どれを選べば正解?

リモートワークの手法やツールは様々です。業務のスタイルや働き方、オフィスの状況などに合わせて選定したいシステムについて、徹底解説します。

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