テレワークで注目されるワークライフバランスとは?取り組みによる企業と従業員のメリットを解説

  • 投稿日:2019 - 11 - 21
  • 更新日:2022 - 9 - 20
  •   

政府が働き方改革を提唱する昨今、従業員の残業時間や休日出勤を減らし、「ワークライフバランス」の実現を目指すことが、企業にとって大きなテーマとなっています。

特に、新型コロナウイルスの感染拡大防止においてテレワークの導入が進むなかで、さらにワークライフバランスの重要性が注目されるようになりました。

ワークライフバランスを実現させるためには、その言葉の意味や、考え方が生まれた背景などを知っておくことが大切です。

この記事では、「ワークライフバランス」の概要や、企業が社員のワークライフバランスを実現させるメリット、推進のための具体的な施策などを解説していきます。

ワークライフバランスとは?

「ワークライフバランス」とは、仕事とプライベートの調和がとれている状態を表す言葉です。生活のなかで仕事に大半の時間を費やしている状態では、趣味や家庭の時間が失われてしまいます。とはいえ、仕事をしなければ余暇を充実させられないのも事実です。

そこで、企業として、社員の仕事だけでなく生活も守ろうという発想で、ワークライフバランスの概念が注目されるようになりました。ワークライフバランスの実現には経済的に自立していることが前提です。たとえば、プライベートの時間がたくさん確保できても、十分な収入がないのなら「バランスがとれている」とはいえません。つまり、企業は社員に対し、ライフスタイルを選べる程度の給料を与え続ける義務があります。

逆に、いくらお金があっても、プライベートの時間がないと生き方を選択できません。単純に時間が与えられているだけでなく、心身ともに社員が健康で豊かな状態を保てることが大切なのです。

仕事をしすぎず、休みが多すぎるわけでもなく、両者が絶妙に調和してこそ「ワークライフバランスが整った」といえます。そのためには、企業が社員それぞれの生活状況に関心を持ちながら組織作りを進めていくことが重要です。

ワークライフバランスが注目される背景

もともとワークライフバランスという考え方は、1980年代後半にアメリカで生まれたとされています。当初は子どもを育てながら働く女性のための支援が中心でしたが、1990年代には子どもの有無や性別に関係なく支援の対象が広がっていきました。

日本にワークライフバランスの考え方が浸透しはじめたのは、1990年代以降です。少子高齢化や男女雇用機会均等法の浸透などに伴って、働くことに対する価値観が多様化していきました。

そして、2007年には内閣府が「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を制定。ワークライフバランスの必要性と目指すべき社会の姿が提示され、行政も積極的に推進するようになりました。

日本でワークライフバランスが注目されている理由としては、以下のような背景があります。

働き方の二極化

時代とともに正社員の労働時間が増え、その一方で非正規雇用者の割合が大きくなっています。働き方の二極化が進んで、時間的に負担が大きい職場や収入が少なく経済的に厳しい労働者も増え、働き方の見直しが求められるようになりました。

共働き世帯の増加

女性の社会進出が活発になり、共働き世帯も増えています。それに合わせて家庭や職場での役割意識の変化や働く女性に対する社会支援体制の整備などが注目されるようになっていきました。

少子高齢化

少子高齢化も、現代の日本では深刻な問題です。経済的な問題を残したままでは、子どもを生んで育てようとする人が減っていくのは当然の流れです。「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」には、労働環境を整備して少子化に歯止めをかけようとする政府の意図も反映されています。

このような日本社会が抱えるさまざまな問題を解決するためのひとつの施策として、「仕事とプライベートのバランスをとる」という考え方が注目されています。

ワークライフバランスに取り組むメリット

ワークライフバランスが実現すると、企業側と従業員側の双方にさまざまなメリットがあります。どのようなメリットがあるのか、詳しくみていきましょう。

人材の定着

企業にとってのメリットのひとつは、人材の定着です。仕事とプライベートのバランスが整っているかどうかは、就活生や転職者が企業を選ぶ際の基準のひとつとなっています。労働環境が整っている職場は、優秀な人材を採用するチャンスにつながるでしょう。

また、働きやすい環境を整えることは、人材の流出も防ぐことにもつながります。人材を増やしながら離職も抑えられるため、人材不足の悩みが解消されます。

従業員のモチベーションの向上

これまで仕事に費やしていた時間を趣味や勉強、自己啓発、家族との時間などに充てられるので、プライベートを充実させられるのも大きなメリットです。プライベートの充実は、結果として仕事へのモチベーションアップにもつながります。

労働生産性の向上

従業員のモチベーションが向上すると、企業にとっては労働生産性が向上するというメリットがあります。効率的な働き方が習慣化すると、利益率の向上が期待できるでしょう。

コスト削減も大きなメリットのひとつです。業務の効率化で無駄な作業や余計な人件費の削減が期待でき、社員が不要な残業や休日出勤をしなくなれば、光熱費も減るでしょう。

売上が変わらなくてもコストが下がれば利益は向上するので、ワークライフバランスの実現は黒字決算を達成するためにも効果があります。

企業イメージの向上

ワークライフバランスの実現に向けた積極的な取り組みは、企業イメージの向上にも役立ちます。「社員を大切にしている」「安心して働ける」といったイメージを醸成できるのは、企業にとってメリットです。

社会に貢献している企業はイメージがよく、消費者からの支持や信頼につながります。消費者に選ばれる企業になれば結果的に利益向上も期待できるため、ワークライフバランスの実現は企業経営においても重要なのです。

ワークライフバランス推進のための施策

続いて、ワークライフバランスを推進するための具体的な施策について、代表的なポイントを3つ解説します。

各種勤務制度の導入

ワークライフバランスを実現させるためには、従来の勤務制度の見直しや新しい働き方の導入を進めましょう。

効果的な勤務制度のひとつが、フレックスタイム制です。フレックスタイム制とは、一定の時間枠内であれば従業員の裁量で勤務時間を前後にずらせる勤務制度のことをいいます。

短時間勤務制度も、多様な働き方を実現するために必要な制度です。1日2〜3時間からの勤務や30分単位の勤務時間の短縮が可能となるため、介護や育児などさまざまな事情を抱える人も働きやすくなります。

本格的にワークライフバランスの実現に向けて意識をするなら、テレワークの導入も選択肢のひとつでしょう。テレワークとは、場所や時間にとらわれない働き方です。

テレワークは働き方改革のひとつとして国が推進していることや、感染症対策として注目されたことなどもあり、導入する企業が増えています。オフィスへの通勤が不要となり、生産性の向上や交通費の削減が期待できるので企業にもメリットのある制度です。

フレックスタイム制・短時間勤務制度・テレワークは、いずれも介護や育児などさまざまな事情を抱える人でも働きやすくなるという特徴があります。オフィスでフルタイム勤務する場合と比べて、仕事とプライベートの両立がしやすくなるでしょう。

超過勤務の縮減

超過勤務、いわゆる残業や休日出勤を減らすことも大切です。超過勤務が常態化している企業は従業員の心身に悪影響が出たり、時間外手当として人件費が多くかかったり、企業側と従業員側の双方に問題が生じます。

超過勤務を減らすためには、まずは業務のあり方を見直してみてください。非効率的な業務の進め方が日常化しているために、残業や休日出勤が発生している可能性があります。無駄な業務を整理したうえで、必要な業務だけを残していくことが大切です。

業務を見直すときは、まず社員の能力と業務内容、仕事量が見合っているかをチェックしましょう。経験不足の若手に難易度の高いタスクを任せても、すぐには処理できません。また、一部の社員に業務量が偏っている場合も、ワークライフバランスは崩れていきます。

日本では長く働くほど評価される傾向にありましたが、こうした風潮が過剰労働を生み出すので人事評価基準も改める必要があります。

人事評価の基準が古いままでは、効率的に働いて本当に会社に貢献している従業員が評価されません。その結果、「優秀な社員から辞めていく」といった事態を招く恐れがあります。人材流出を防ぐためにも、企業に利益をもたらす社員を正しく評価できる制度を導入しましょう。

また、単純な労働時間を評価基準としていると、フレックスタイム制やテレワークを導入したときに評価がしにくくなります。労働時間や勤務形態によって評価が差別化されると、社員からの信用を失いかねません。

単純にルールとして超過勤務を禁止するだけでは仕事の持ち帰りなどが発生し、ワークライフバランスがかえって崩れてしまう可能性もあるので注意してください。

デジタル化の推進

ワークライフバランスを実現させるには、デジタル化の推進も欠かせません。アナログな仕事のやり方では効率が悪く、テレワークに対応するのも難しいでしょう。IT技術で効率化できる部分は積極的にツールを活用し、業務改革を進めましょう。

ITツールを使えば、業務の見える化も可能です。進捗管理ツールやタスク管理ツールを使うと無駄な業務や時間がかかっている業務が明確になるため、改善策を検討しやすくなるでしょう。これらのツールは、テレワーク時の進捗管理などにも役立ちます。

新たな概念「ワークライフインテグレーション」

近年では、「ワークライフインテグレーション」という新たな概念も注目されています。ワークライフインテグレーションは仕事とプライベートを統合することで、満足感のある生活を送れるという考え方です。

仕事とプライベートをそれぞれ独立したものとして捉えるワークライフバランスに対し、ワークライフインテグレーションは仕事とプライベートを分けて考えず、両者を統合して全体の充実度を上げることを目的としています。

詳しくは以下の記事で解説しているので、併せてチェックしてみてください。

ワークライフバランスの実現を目指し、できるところから取り組みを始めよう

個人の生活を守るために、ワークライフバランスの実現に向けた取り組みは重要です。そして、社員だけでなく会社の利益を増やしていくためにもワークライフバランスは役立ちます。まだ実現できていない企業は、社員の仕事と生活を真剣に考えてみましょう。

テレワークを導入すれば、よりワークライフバランスを整えやすくなります。

レコモットが提供する「moconavi」は、リモートアクセスツールです。テレワークを安全に実現できるツールになっていますので、導入・リプレイスされる際はぜひご検討ください。

この記事をシェアする

関連記事

ワークライフバランスの向上に取り組むメリットと成功させるポイント ワークライフバランスの向上に取り組むメリットと成功させるポイント 非公開: ワークライフバランスとは?企業と従業員の双方のメリットを紹介! 非公開: ワークライフバランスとは?企業と従業員の双方のメリットを紹介! ワークライフバランスを実現させるときに直面する課題とその改善策 ワークライフバランスを実現させるときに直面する課題とその改善策