IP電話とは?OABJ型と050型の違いって何があるの?

投稿日:2020 - 4 - 16

IP電話という単語そのものは聞いたことがあっても、普通の電話との違いを的確に説明できる人は多くはないでしょう。そして、IP電話には主に0ABJ型と050型の2種類があり、それぞれ違うこともあまり知られていません。今回の記事では、2種類のIP電話がどのように違うのかを説明します。また、IP電話を導入するにあたってのメリットとデメリットについても併せて紹介します。

IP電話とは

IP電話とは、インターネットプロトコルと呼ばれる技術を利用して通話を行う電話サービスの総称です。従来の電話は基地局を経由して通話する方法でしたが、IP電話は声をデジタル化して通話をすることに特徴があります。デジタル化された声は相手に届くと復元され、音声通話が成り立つという仕組みです。また、IP電話はその種類によって0ABJ型と050型、スカイプやLINEなどの電話番号不要型に分けられることも知っておくとよいでしょう。IP電話といっても、その種類によって微妙に仕組みやメリットが異なるのです。

特にスカイプやLINEなどに代表される電話番号不要型の普及は私達の生活を一変させ、日常生活でもIP電話を利用する大きなきっかけとなりました。この世の中の流れがビジネスの世界にも影響を与え、さまざまな場面でのIP電話活用につながっているといえるでしょう。具体的な仕組みや技術的部分まで理解している人は少数ですが、多くの人が何らかの形で利用しているのがIP電話なのです。

IP電話の仕組み

具体的なIP電話の仕組みについても理解していきましょう。まず、IP電話はVOIPと呼ばれるネットワークを電話線の代わりに使っているのが特徴です。VOIPでは音声をデジタル化して通話相手に届けているので、通常の電話とは違う仕組みということになります。また、デジタル化された音声データは再構成を経て、人間が聞き取れる音声として相手側に届くのです。さらに、IP電話と呼ばれるものの中にはプロバイダが用意した電話網を使うタイプと、インターネット回線そのものを使っているタイプの2つに分けることもできます。

前者の仕組みを使った代表例が050型、後者の仕組みを使ったものが電話番号不要型といえるでしょう。そして、後者はIP電話とは別に、インターネット電話という言葉で区別することもできます。ただ、厳密に考えすぎても分かりづらくなってしまいます。そのため、基本的にIP電話の仕組みというのは、VOIPと呼ばれるネットワークを使ったものと覚えておけばよいでしょう。

OABJ型とは

0ABJ型という言葉は聞き慣れないため、難しく感じるかもしれません。しかし、このように呼ばれている理由は単純です。電話番号が「0A–BCDE–FGHJ」という形で0に続く9桁の数字で構成されているので、0ABJ型と呼ばれているのです。つまり、0ABJ型というのは、電話番号の表記を短縮した形が由来となります。また、この0ABJ型は従来から存在する固定電話でも使われており、非常に長い歴史があるといえるでしょう。そのため、元々は総務大臣が認める場合にしか使えないなど、厳しく管理されていたのです。

現在は総務省の定める固定電話並みの通話品質、機能を満たす業者なら取得が可能となっています。ただ、その内容が接続品質や安定品質、さらにネットワーク品質と総合品質の合計4つの項目で高い基準を求められるため、依然として品質管理は厳しいと考えてよいでしょう。なお、0ABJ型は地域が特定できない端末では使えないのが常識でしたが、新しいサービスの登場により、スマホでも条件を満たせば利用できる環境になってきています。

050型とは

一般的にIP電話というと050型が有名でしょう。050型と呼ばれている理由は電話番号が「050–ABCD–EFGH」というように、11桁の番号で構成されているからです。このタイプは最初の番号が全て050で始まるのが最大の特徴といえます。また、050という数字はIP回線を表しており、その後の4桁の数字は通信業者の識別番号です。最後の4桁は利用者番号を表しているので、覚えておくとよいでしょう。さらに、このような050型のIP電話は0ABJ型と比べると、求められる品質基準が低いという特徴もあります。一例を挙げると、0ABJ型では必須基準とされていた安定性やネットワーク品質について、050型では必ずしも高品質を求められません。

最後に050型は地域性を示す情報がないので、スマホでも問題なく電話を利用できます。0ABJ型をスマホ利用するときは特定サービスに限られてきますが、050型は気軽にスマホで使えるということです。

OABJ型と050型の違い①乗り換えやすさ

0ABJ型と050型の大きな違いの一つは、サービス提供事業者を乗り換えたときに現れます。具体的には、050型を利用している場合、今のサービス提供事業者を変更することで番号そのものも変わってしまうのです。番号が変わってしまうということは、現在使っているものを引き続き利用したくてもできないということになります。これに対して、0ABJ型の番号は「現在加入電話で使っている番号」又は「元々加入電話で取得した番号で現在は光電話など他の電話サービスで使っている番号」なら引継ぎ可能という利点があるのです。

プライベートで使っている番号ならまだしも、各企業で使う番号の変更は避けたいところです。ですから、会社でIP電話を利用するときは先のことまで考えて決める必要があります。仮に電話番号を変更するようになった場合、名刺やパンフレットはもちろん、取引先にまで影響を及ぼすので注意しましょう。

OABJ型と050型の違い②通話の品質

通話の品質についても、0ABJ型と050型には大きな違いがあります。その違いを認識するためには、IP電話の通話品質が3つに分かれていることから理解しましょう。具体的には、それぞれ固定電話同等レベルのクラスA、携帯電話レベルのクラスB、B以下のクラスCとなっています。この3つの中で、クラスAが最も高品質なのはいうまでもありません。そして、0ABJ型は固定電話と同等のクラスAが必須条件なのに対して、050型はクラスCでも取得可能なのです。このような事実から、同じIP電話でも通話の品質が大きく異なることが分かるでしょう。

なお、0ABJ型の条件を満たすIP電話は増えてきているので、それに伴って0ABJ型のIP電話加入率も増加しています。特にビジネスシーンで利用する際は、通話が安定している0ABJ型のほうが安心といえるのではないでしょうか。

OABJ型と050型の違い③信頼性

050型の認知度は高まってきていますが、依然として馴染みのある0ABJ型のほうが社会的信頼性は高いといえるでしょう。これは会社の代表番号を050番号にしているところが僅かなことからも分かります。050で始まる番号というのは0ABJ型の番号と比べると怪しいイメージがあり、ビジネスシーンで積極的に利用するのは避けるのが一般的な価値観なのです。実際、会社の番号を050にしている企業は口座開設の申請が通らないこともあり、社会的信頼性が低いことを客観的に証明しています。

また、単純に通話品質の面でも0ABJ型は大きな優位性があり、そのような面からも信頼性が高いと考えて間違いはありません。取引先や顧客との通話で品質が悪い電話を使っていたら信用問題になる恐れがありますが、0ABJ型ならその心配もないということです。その他、クレジットカードの発行においても、信頼性が高い0ABJ型のほうが確実といわれています。

IP電話のメリット①運用が楽

IP電話は従来型の電話と比べると運用が楽なため、企業の利用にも向いているといえます。たとえば、企業内の通信インフラをデータ通信用のネットワークに統合でき、通信網の運用管理の一元化が可能になるのです。運用管理が一元化されてシンプルになれば、それだけ分かりやすく余計な手間が省けるでしょう。また、IP電話の利用はシステム面だけではなく、企業の各部門の負担を減らす効果も期待できます。IP電話を利用することで従来型の電話回線を管理していた部門と、LANなどの情報通信を管理していた部門を統合できる可能性があるからです。

さらに、IP電話は回線の追加と削除も簡単に行えるため、社員の増減にも柔軟に対応可能です。仮に人数が増えたとしても、新しい回線を追加するだけで対応できるのは楽でしょう。反対に退職者が出て回線を使わなくなったら、その回線は削除してしまえばよいのです。

ip電話のメリット②低コストでの導入

基本料金と通話料金共に固定電話より安いこともIP電話利用のメリットでしょう。一例を挙げると、県外へ3分間電話を掛けた場合の料金では、IP電話が8円程度に対して固定電話では21円程度かかります。また、基本料金もip電話は相場価格が500円程度とお得な価格です。このように安い理由としては、音声自体をデータ化するので安価にできるというのがあるでしょう。そして、インターネットシステムを導入している販売店では、IP電話との同時申し込みプランでさらに安くなる可能性があるのも嬉しいところです。

最後にコストを下げるという意味では、IP電話をクラウド化することでより一層のコスト削減を目指すこともできます。クラウド化することによって、パソコンやスマホなどの固定電話以外のものでも内線利用できるようになるからです。このような利用方法は利便性の向上はもちろん、余計なスペース確保や配線の必要性が少なくなり、長期的なスパンで考えても意味のあるものになるでしょう。

IP電話のメリット③同じプロパイダへの通話が無料

IP電話をすでに利用している人には有名な話ですが、通話する相手と同じプロバイダ同士の場合は料金が無料になります。そのため、電話の頻度が多かったり、長時間電話することがあったりする相手と相互にIP電話導入をするとお得になるでしょう。もちろん、個人間だけではなく、企業間同士のやりとりなどのビジネスシーンでも該当します。実際、事務所の支店間や国際電話も安くなるので、旅行会社はIP電話を活用しているところが多い業界です。その他にも、工夫次第で活用できる業界や企業は多いのではないでしょうか。また、多くのIP電話は固定電話と切り替えられるので、必要に応じて使い分けることも工夫すれば不可能ではありません。

なお、通話料無料のサービスを最大限活用するためには、OCNなどの大手プロバイダと契約したほうがよいでしょう。各大手プロバイダはお互いに提携をするなど、サービス面でも充実しているからです。

IP電話のメリット④外出先で使用可能

外出の多い営業マンにもIP電話は大きなメリットをもたらします。企業がIP電話を導入することで、外出先から自分の会社の電話番号に発着信できるようになるからです。もちろん、固定電話でも会社の着信を外部に転送するサービスはあるので、外出先で着信を知ることはできるでしょう。ただ、固定電話の場合は外出先からの発信ができない仕組みであり、利便性を考えるとIP電話のほうにメリットがあるといえるのです。このメリットは営業マンのみならず、企業で働くいろいろな立場の人に恩恵をもたらすでしょう。たとえば、出張が多い部門に勤めているような人でも、サービスを利用すれば会社内にいるのと同じように自分のIP電話を利用できます。

IP電話のデメリット①緊急通報電話が使えない

110番や119番は緊急通報電話と呼ばれ、万が一のときは多くの人が利用する番号でしょう。しかし、IP電話はこれらの番号が使えないというデメリットがあります。緊急通報電話はNTTがつくった仕組みなので、IP電話がNTTの固定電話と同じように利用することはできないのです。ですから、どうしても警察や消防署にIP電話で通話したいときには、直接近くの交番や消防署に電話するしかないということになります。緊急を要さない場合ならそれでもよいかもしれませんが、緊急時にはとても不便な仕様だといえるでしょう。

ただ、この仕様はIP電話が普及してきた現代にはそぐわないため、総務省が改善のための働きかけをしています。そのため、IP電話でも緊急通報電話が使えるように改善されるかもしれません。基本的には、IP電話に限らず世の中に特定のサービスが浸透するほど、いろいろな意味で利便性が増していくものです。

IP電話のデメリット②フリーダイヤルが使えない

フリーダイヤルに電話を掛けられないことも、IP電話のデメリットです。IP電話は携帯電話と同様、フリーダイヤルには接続されない仕組みになっています。そのため、どうしてもIP電話からフリーダイヤルに電話を掛けたいときは、専門番号に電話を掛けて対応します。専門番号は有料で普通に利用するよりも高くなりますが、仕方ないといえるでしょう。それでも、一般的にフリーダイヤルは長時間通話するものではないので、気にしすぎないことです。また、IP電話の通常利用時の通話料が安いことを考えれば、ある程度は妥協できるデメリットではないでしょうか。

ちなみに、固定電話の回線も持っているのなら、IP電話発信時に「0000」を付けて切り替えることで同じように掛けられます。

IP電話を導入して仕事の効率化を図ろう

今回の記事を読んでIP電話に対する知識は深まったでしょうか。本文を読めば分かる通り、電話を使う頻度の高い人や国際電話をよく利用する人は、IP電話導入でコスト削減につながります。そのため、条件に合う人は導入を検討する価値があるでしょう。このようにIP電話を上手に利用することで、ビジネスの場面でも多くのメリットがもたらされるのです。

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