ワーク・ライフ・バランスとは?言葉の使い方や実現のための取り組みを解説

投稿日:2019 - 8 - 7

ワーク・ライフ・バランスは現代で働く労働者や企業にとって重要な意味を持つ考え方の一つです。
近年、さまざまな場所でワーク・ライフ・バランスの実現を望む声が大きくなりました。今回の記事ではワーク・ライフ・バランスの意味から始まり、このような考え方がなぜ重要なのか、そして、具体的に実現する方法について解説します。

1.ワーク・ライフ・バランスという言葉の使い方

ワーク・ライフ・バランスとは「仕事と生活の調和」を意味する言葉です。仕事をすることは生きていくために欠かせないことです。
しかしそれだけではなく、生活の質の向上も生きていくうえでは大切な目標です。このバランスを実現するためには、仕事と仕事以外の生活の調和を図る必要があり、その両方を充実させる考え方としてワーク・ライフ・バランスという概念が生まれました。
つまり、仕事と生活のどちらか一つを重視するのではなく、両方が相互に良い影響を及ぼしあいながら相乗効果を生みだすことが、ワーク・ライフ・バランスの本質です。
これまでの日本社会ではどちらかといえば仕事のみが重要視されがちだったので、見方によっては、その反動ともいえます。

2.ワーク・ライフ・バランスの重要性が叫ばれる背景

日本が高い経済成長率を示していた時代には仕事のみを重要視する風潮がありました。しかし、現代はなぜ、ワーク・ライフ・バランスを重要視するようになったのでしょうか。その理由の一つとしては、日本の少子高齢化進行と団塊世代の大量退職という問題があります。
少子高齢化が進み、団塊世代が大量退職すると働く人も減ってくるので、長時間労働が蔓延するという状況になります。そのため、そのような環境で働く人々の精神的な不調などが社会問題になっているです。
また、子育てや親の介護と仕事の両立が難しいということも、社会問題としてメディアに取り上げられるようになりました。このような環境の変化から、ワーク・ライフ・バランスという概念が急速に普及していったといえるでしょう。

3.ワーク・ライフ・バランスが実現された社会が可能にするもの

具体的にワーク・ライフ・バランスが実現された社会とは、どのようなものなのでしょうか。
ワーク・ライフ・バランスについては日本政府も指針を示しています。その発表にもとづいて、ワーク・ライフ・バランスの実現によって可能になることを3つ紹介しましょう。就労による経済的自立、健康で豊かな生活のための時間の確保、多様な働き方・生き方の選択の3つです。

3-1.就労による経済的自立

ワーク・ライフ・バランスが実現された社会では、就労による経済的自立が可能になるといわれています。
就労による経済的自立が可能になると、たとえば、若い世代が今以上にいきいきと働くことができるでしょう。労働一辺倒の価値観では、なかなか自分の生活を振り返る余裕がなくなってしまうものです。
しかし、ワーク・ライフ・バランスが実現された社会では、自立して仕事をしながら自分の生活に目を向けることもできるのです。このような社会が実現すれば、結婚や子育てなどの個々の希望の実現に向けて、誰もが暮らしの経済的基盤を確保できるということになります。

3-2.健康で豊かな生活のための時間の確保

健康で豊かな生活のための時間が確保できることも、ワーク・ライフ・バランスが実現された社会の大きな特徴です。高度経済成長期には経済的な価値観が大きな割合を占めていましたが、現代は自分たちの生活の質にもこだわる人が増えています。
それは、健康を保つことはもちろん、家族や友人と過ごす時間なども含まれます。さらに、以前よりも時間に余裕ができるということは、自己啓発や地域活動に参加するための時間なども充実させられることを意味しています。これらはすべて、働く人々の豊かな生活につながっていくと考えられます。

3-3.多様な働き方・生き方の選択

多様な働き方や生き方は現代社会の大きなテーマの一つです。ワーク・ライフ・バランスが実現された社会では、このような働き方や生き方も可能になるといわれています。
具体的には、性別や年齢などに関わらず、誰もがさまざまな働き方や生き方にチャレンジできる機会が提供される社会です。
また、人によっては子育てや介護などで忙しい人もいますが、そのような人々も自分らしい形で働くことができるようになります。そのためには、多様な働き方を選択できる社会環境整備と、働き方に関わらず公正な処遇が確保される環境を構築することが大切です。

4.ワーク・ライフ・バランスを実現するメリット

ワーク・ライフ・バランスの実現は労働者だけにメリットがあると考えられがちですが、企業にとっても良いところはあります。
ワーク・ライフ・バランスが実現することによってもたらされる5つのメリットを、企業側の視点に立って具体的に解説していきましょう。

4-1.従業員の意欲・能力アップ

会社で働く従業員の立場で考えれば分かることですが、ワーク・ライフ・バランスの実現は働く人の意欲や能力を向上させることが期待できます。
なぜなら、従業員は仕事以外の時間が確保できることで、その時間を自己啓発やスキルアップに使うことができるからです。自己啓発やスキルアップによって従業員それぞれの能力が高まれば、会社にとっても大きな力となるでしょう。
また、仕事以外の時間が充実することで、仕事そのものへの意欲向上も期待できます。これは、上手にオンとオフを切り替えられるようになるため、高いモチベーションを維持しやすいということです。

4-2.有能な人材の確保

有能な人材を確保することはどの会社でも望むことです。その方法はさまざまなものがありますが、ワーク・ライフ・バランスの実現も人材確保につながります。
なぜなら、有能な人材というのはより良い環境で働きたいと考えていることも多く、ワーク・ライフ・バランスを実現している会社は魅力的に映る可能性が高いからです。
たとえば、ワーク・ライフ・バランスを考慮していない会社での就業は、個人の状況に合わせて柔軟に働くことはむずかしいですが、ワーク・ライフ・バランスを重要視している企業ならそれも可能です。
このような労働環境構築は、知識や技術、経験のある人などの離職を防ぐことにつながります。また、働きやすい職場環境というのは、就職活動や転職活動を行う人にとっても魅力的に映るはずです。

4-3.仕事の効率化

日本社会では長年、長時間残業が当たり前とされてきました。しかし、長時間残業は従業員の健康はもちろん、仕事の効率化という意味でもマイナスになります。
ワーク・ライフ・バランスを実現することで、このような問題の解消も期待することができるでしょう。
具体的には、残業をしないように限られた時間内に仕事をすることが求められるため、自然と業務の効率が上がります。業務の効率を上げるためには無駄な作業をしないという姿勢が重要であり、本当に必要な仕事の生産性が増していくのです。

4-4.企業イメージのアップ

企業イメージをアップすることは、現代社会において重要なことです。なぜなら、企業のイメージが顧客や取引先、就労希望者に大きな影響を与えるからです。
企業イメージが良ければ顧客が増える可能性も高まり、初めて取引する会社にも安心してもらうことができます。さらに、知識や経験を持った有能な人材も集まりやすいでしょう。
このように、ワーク・ライフ・バランスを実現することによって社員を大切にする企業として認知され、企業イメージが大幅にアップするのです。そしてそれは、企業にとっては想像以上の効果をもたらすかもしれません。

4-5.コスト削減

ワーク・ライフ・バランスの実現は、長期的に見ると企業コスト削減にもつながります。具体的には、ワーク・ライフ・バランスを実現することによって、人材の流出を防ぐことができます。人材の流出を防げるということは、代わりの人員を探す手間が減り、コストを抑えることになるのです。
また、ワーク・ライフ・バランスの実現で職場環境が良くなれば、残業などの長時間労働も減るでしょう。長時間労働が減ることで、光熱費や交通費などの削減効果も期待することができます。さらに、このような環境を積極的に構築していく企業には、政府や地方公共団体から経済的支援が行われることもあります。

5.ワーク・ライフ・バランスを実現する方法

企業がワーク・ライフ・バランスを実現するといっても、そのやり方にはさまざまな方法があります。ここでは数ある方法の中から5つを紹介します。最初はそれぞれの企業に合った形で、取り入れやすいものから実現していくと良いでしょう。また、長期的には、より良い環境構築のために複数の方法を併用していくことが重要です。

5-1.出産・育児・介護休暇取得の促進

従業員の出産や育児、介護休暇の取得は社会的にも大きな注目を集めています。日本ではまだまだ、取得がむずかしい企業が多いといわれていますが、長い目で見れば従業員と企業の双方にとってメリットのある制度です。なぜなら、各種の休暇を従業員に使ってもらうことで、離職することを防ぐことができるからです。
出産などで従業員が離職したら代わりを探さないといけなくなりますが、制度を利用してもらうことによって、休暇期間が終わったら再び働いてもらうことも可能になります。また、育児休暇は女性が取得するイメージが強いですが、男性にも推奨することで男女共に働きやすい職場になるでしょう。

5-2.短時間勤務制度の導入

短時間勤務制度とは、一般的に「時短勤務」と呼ばれることが多い制度です。たとえば、育児や介護に携わる従業員を対象に、勤務時間を短縮します。従業員側からしてみれば、自分の家庭環境に合わせて働けるので、短時間でも集中力を持って働いてくれるでしょう。
そのようなモチベーションを高めて働いてもらうことは、企業側にとっても大きなメリットとなります。また、時間を短縮するパターンは複数用意して従業員が自由に選べるようにすると、より柔軟な働き方を実現させることが可能です。

5-3.フレックスタイム制度の導入

フレックスタイム制度とは、1カ月以内の期間で総労働時間を規定して、その枠の中で従業員が始業時間と終業時間を決めることができる制度を指します。これは非常に自由度の高い制度ですので、各従業員の家庭環境や価値観に合わせて働くことが可能です。
会社側としては、自由度が高すぎるので不安もあるかもしれません。しかし、一般的にコアタイムを設ければ組織の生産性を損なわないままで働きやすい環境構築ができるといわれています。したがって、自社に合った形で制度を取り入れれば、問題はないでしょう。

5-4.長時間労働の是正

日本社会では長年、長時間労働の問題が指摘されていました。ワーク・ライフ・バランスを意識することは、この長時間労働問題を是正することにもつながるのです。
ただ、長時間労働問題を是正するといっても、禁止や制限をするだけでは根本的な解決になりません。単に長時間労働を禁止や制限するだけでは、どこかにしわ寄せがくる可能性が高いからです。したがって、是正のために本当に大切なことは、業務フローを見直して無駄を削減することになります。業務フローを見直して根本的な部分から改善していけば、自然と長時間労働も改善されていくでしょう。

5-5.テレワークの導入

テレワークはメディアなどでも度々紹介され、注目を集めている働き方の一つです。具体的にテレワークとは、情報通信技術を活用して場所や時間にとらわれない柔軟な働き方をすることを指し、在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィス勤務なども含まれます。
分かりやすくいえば、インターネットを活用したまったく新しい労働方法といえるでしょう。テレワークは基本的に好きな場所で仕事ができるため、会社に通勤する必要もありません。そのため、自分で自由にスケジュールを立てることができ、介護や育児に追われる人でも無理なく働くことが可能です。
また、このような特徴から、通勤が困難な障害者の雇用にもつながります。

6.モバイルワークにおすすめのサービス「moconavi」

企業が従業員のモバイルワークを実現しようと考えるとき、何らかのシステムを導入する必要がでてきます。「moconavi」はそんな従業員のモバイルワークを実現するための、スマートデバイス向けプラットフォームの一つです。
特徴はその利便性にあり、タブレットやスマートフォンから社内のさまざまな業務システムにアクセスが可能になっています。
そのため、利用者は外出先でもオフィスにいるように快適に作業することが可能です。
また、このようなモバイルワークを行うときに気になるのが情報漏洩リスクですが、その点も、moconaviは端末にデータを保存しない仕組みになっているので、リスク管理という意味でも優れたサービスになっています。

ワーク・ライフ・バランスという言葉の使い方を理解して実現へ!

ワーク・ライフ・バランスは仕事と仕事以外の時間の両方を充実させるための考え方であり、従業員はもちろん、企業にとってもメリットが多い制度です。
ワーク・ライフ・バランスの実現よって働きやすい環境を構築している企業は、優秀な人材の流出防止や世間のイメージアップも図ることができます。あなたの企業でも、まずはできるところからワーク・ライフ・バランスの実現を目指していきましょう。

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