VDIとリモートデスクトップの違いとは?両者の特長と用途を解説

  • 投稿日:2023 - 6 - 12
  • 更新日:2023 - 8 - 10
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リモート環境を構築するために、「仮想デスクトップ(VDI)」や「リモートデスクトップ(RDS)」など、パソコンの遠隔操作システムを導入する企業が増えています。しかし、両者の違いがよく分からず、用途に合わないサービスを選んでしまうケースも少なくありません。

そこで本記事では、VDIとリモートデスクトップの違いや、向いている用途などについて詳しく解説します。どちらを導入すべきかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

仮想デスクトップとリモートデスクトップの仕組みと特長

仮想デスクトップとリモートデスクトップは、どちらも「リモートアクセス」のためのシステムです。リモートアクセスとは、自宅や外出先にある端末から、社内のパソコンにアクセスすることを指します。
端的に言うと、仮想デスクトップとリモートデスクトップには以下の違いがあります。

  • 仮想デスクトップ:仮想的なデスクトップ環境を用意するため物理的なPCは不要
  • リモートデスクトップ:ホストとなる物理的なPCが必要

これを踏まえて、仮想デスクトップとリモートデスクトップの仕組みの概要を見ていきましょう。

仮想デスクトップは仮想サーバーへアクセスする

仮想デスクトップは、PC本体にアクセスするのではなく、仮想サーバーへアクセスする方式です。
さらに、仮想デスクトップには、ユーザー全体でサーバーを共有する方法「SBC(Server Based Computing)」と、ユーザーごとの仮想サーバーへアクセスするもの「VDI(Virtual Desktop Infrastructure)」があります。

仮想デスクトップについては、以下の記事で詳しく説明していますので、併せてご参照ください。

リモートデスクトップはオフィスのPCを遠隔で操作する

リモートデスクトップサービス(Remote Desktop Services)は、オフィス内にある自分のPCに外部のPC等からリモートログインする方式です。
社内のPCにソフトウェアを導入することで、インターネット経由で別の端末から簡単にリモートアクセスができます。

VDIとリモートデスクトップの違い・比較

VDI(仮想デスクトップ)とRDS(リモートデスクトップ)の概要を確認したところで、それぞれの違いと共通点について、以下の表にある4つのポイントから掘り下げていきましょう。

ポイント VDI(仮想デスクトップ) RDS(リモートデスクトップ)
リモート環境の構築方法
  • 物理的なPCは不要
  • 仮想的なデスクトップ環境、仮想サーバーへアクセスする
  • ユーザーごとや複数ユーザーで仮想サーバーへアクセスする
  • ホストとなる物理的なPCが必要
  • 物理PCを遠隔で操作する
  • 物理PCへのアクセス、クラウドサービスへアクセスする
データの保管場所と転送方式 仮想サーバーに保管し、画面転送する 物理PCやクラウドで画面転送する
コストやハードウェアの負担 大きい 小さい
導入や運用に必要な工数 多い 少ない

リモート環境を構築する方法

前述したように、VDIは仮想的なデスクトップ環境、仮想サーバーへアクセスする一方で、RDSは、ホストとなる物理的なPCにアクセスします。
このことから、「データの保管場所」や「コストやハードウェアの負担」「導入や運用に必要な工数」などの点で、両者に違いが生じます。

データの保管場所と転送方式

VDI、RDSともに、画面を転送することは共通ですが、VDIは仮想サーバーにデータを保管し、RDSは物理PCやクラウド上に保存されます。
手元の端末に画面を転送するしくみをパソコンの動作にたとえるなら、手元の端末はモニターやキーボードにあたり、オフィスにあるPCや仮想サーバーが本体やドライブのようなものです。
文書を作成する場合、手元の端末で画面の表示や操作を行ないますが、ファイルデータはオフィスにあるPCや仮想サーバーに保存されます。

こうした特長から、VDIとRDSのどちらの場合も、基本的にデータは手元で操作する端末に残りません。
そのため、万が一、利用者が手元の端末を紛失しても情報が漏えいするリスクは低く、セキュリティ面でも優れているといえるでしょう。

コストやハードウェア面での負担

コストやハードウェアの負担は、VDIよりRDSのほうが少ないです。
VDIでは、ユーザーごとにOSやアプリケーションを用意しないといけないため、ユーザー数が増えるほどコストが増大します。
一方、RDSはサーバーを用意する必要がないため、VDIと比べると低コストで導入できます。

導入や運用のために必要な工数

コストと同じく、導入・運用にかかる工数もRDSのほうが少なくなります。

VDIでは、ユーザーごとに個別の作業環境を構築する必要があり、ユーザー数が多いほど環境構築に時間がかかります。
ユーザーの作業内容に合わせたカスタマイズを行う場合は、アップデートやセキュリティ対策などの運用面でもさらに工数がかかるでしょう。
一方、RDSでは、アプリケーションを入れれば手軽に操作ができるサービス、またWindows PCに標準搭載されている「リモートデスクトップ」を利用することで費用を抑えることができ、
導入・運用にかかる工数を削減できます。

仮想デスクトップ(VDI)のメリットとデメリット

仮想デスクトップ(VDI)のメリットとデメリットとして、以下のような点が挙げられます。

▼メリット
① 一元管理のため、OSやアプリケーションのアップデートを一括でできる
② オフィスに近いリモートワーク環境を構築できる
③ ユーザーごとに最適な環境を用意できる

▼デメリット
① 専用のサーバーを用意するシステム構築が必要
② 導入や運用にかかる工数が大きい
③ サーバー側やネットワークに不具合が起きると、すべての接続先端末が影響を受ける

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット①:一元管理のため、OSやアプリケーションのアップデートを一括でできる

VDIは、従業員の端末を一元管理できるため、OSやアプリケーションのアップデートやセキュリティを強化するためのパッチ適用が一括で行えます。

そのため、メンテナンスにかかる費用や運用コストを削減することができるので情報システム部門の負担軽減にもなります。

メリット②:オフィスに近いリモートワーク環境を構築できる

VDIでは、オフィス環境に近いリモートワーク環境を提供できます。オフィス勤務では、従業員が自分のパソコンで作業し、それぞれ自身の作業内容に合わせてパソコンをカスタマイズして使うのが一般的です。
VDIでは、実サイズのデータの転送ではなく画面イメージのみのため、ネットワークの負荷が低く、集中的なアクセスにも対応しているためリモートワークならではの「動作が重たい」という状態を回避できます。
そのため、オフィス以外での業務も効率的に作業が行うことができるでしょう。

メリット③:ユーザーごとに最適な環境を用意できる

ユーザーごとに作業環境をカスタマイズできるため、それぞれの業務内容が異なる場合にも対応できます。
例えば、WindowsでExcelのような一般的なアプリケーションを使用するユーザーと、Macで画像処理ソフトを使用するクリエイターが混在する場合などです。
最適な仮想デスクトップをサーバー上にカスタマイズして作っておけば、いつでもどこからでも利用ができ業務の効率化につながります。

デメリット①:専用のサーバーを用意するシステム構築が必要

VDIの導入には、OS・ソフトウェア・ネットワーク機器など、ハードウェアとソフトウェア双方のコストがかかります。
ユーザー数が増えるほどコストもかさむため、導入が困難なケースも珍しくありません。
低コストでリモート環境を整備したい場合は、リモートデスクトップが向いています。

デメリット②:導入や運用にかかる工数が大きい

VDIの導入時は、個別の仮想サーバーを構築するために、リソース配分の緻密なプラン設計が必要です。
ユーザーごとに環境差があるため、仮想サーバーの管理やアップデートにも工数がかかります。
このように、導入・運用の工数が大きいため、VDI運用には適切な体制の構築が欠かせません。

デメリット③:サーバー側やネットワークに不具合が起きると、すべての接続先端末が影響を受ける

VDIはサーバー上に構築された仮想環境を接続先端末へ転送するため、サーバーに不具合が起こるとすべての接続先端末へ影響を及ぼします。

 

サーバー上に複数のOSをインストールするため、サーバーの負荷が高くなることから処理能力が高くないとネットワーク環境が不安定になるリスクがあります。

また、災害などによってサーバーが停止してしまうと業務に支障をきたすため、サーバーやネットワークの管理を徹底する必要があります。

RDS(リモートデスクトップ)のメリットとデメリット

RDS(リモートデスクトップ)のメリットとデメリットとして、以下のような点が挙げられます。

 

▼メリット
① 低コストかつスムーズに導入できる
② データはすべて接続元端末のため、情報漏えいリスクが軽減する
③ 接続先端末のスペックに依存しない

▼デメリット
① 社外に通信の入り口を作らないといけない
② インターネットの回線速度が遅いとパフォーマンスが低下する
③ ネットワーク経由のセキュリティリスクがある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット①:低コストかつスムーズに導入できる

前述したように、リモートデスクトップは低コストかつスムーズに導入できます。さらに、運用やメンテナンスの工数も削減できます。コストと工数の双方で負担が少ないため、人員や予算に余裕がない場合でも導入しやすいでしょう。

メリット②:データはすべてホスト端末のため、情報漏えいリスクが軽減する

RDSは社内のパソコンへ遠隔でアクセスして作業するため、手元の端末にデータが残りません。そのため、情報漏えいリスクを軽減することができます。

メリット③:接続先端末のスペックに依存しない

画面転送方式のため、接続先端末に高い処理能力は必要ありません。また、PCだけでなくスマホやタブレットなどからでも操作ができることもメリットです。

デメリット①:社外から通信の入口を作らないといけない

リモートデスクトップの一つである「VPN」は、仮想の専用線やプライベートネットワークで安全に社内ネットワークに接続する技術です。
ネットワーク上にトンネルのような仮想空間を構築し、その中でデータの送受信を行なうため、外部からの不正アクセスを防ぐことができます。
しかし、社内ネットワークへアクセスするためには「通信用の入口」を作らなければならず、その入口がセキュリティリスクを伴います。

関連記事:テレワークで改めて考えるVPNの仕組みと脆弱性の課題

デメリット②:インターネットの回線速度が遅いと業務効率が低下する

RDSは常にインターネットに接続して、遠隔で端末を操作するため、インターネットの回線速度に依存します。

マウスや入力した内容が反映されるまでタイムラグがあると業務効率の低下に加え、ストレスの原因にもなります。

デメリット③:ネットワーク経由のセキュリティリスクがある

リモートデスクトップを利用するPCに対して、サイバー攻撃、マルウェア攻撃の標的対象として狙われやすくなります。

そのため、通信が暗号化され、特定の人以外社内ネットワークにアクセスできないVPNと併用する必要があります。

VDI(仮想デスクトップ)が向いているケース

VDI(仮想デスクトップ)が向いているケースとして、以下の2つが挙げられます。

 

  • 各ユーザーに合った作業環境を提供したい場合
  • 社内のハードウェア資産を有効活用したい場合

各ユーザーに合った作業環境を提供したい場合

ユーザーごとに最適な作業環境を用意したい場合は、VDIが向いています。

 

サーバー上に作成された各ユーザーの仮想端末でアプリケーションを利用するため、物理的なPCとほぼ同じ自由度の高い実行環境で多くのソフトウェアを使用することができます。
VDIであれば、各ユーザーに合わせた環境を構築できます。

 

ただし、すべてのユーザーがほとんど同じ作業を行う場合は、あえて個別の環境を用意するメリットは少ないでしょう。

社内のハードウェア資産を有効活用したい場合

PC・サーバー・ネットワーク機器など、社内に予備のハードウェア資産がある場合は、VDIでリソースを分割することで有効活用できます。
リソースに余裕があれば、それだけ快適なリモート環境を構築しやすくなるでしょう。

 

ただし、社内のハードウェア資産が限られている場合は、追加リソースが必要なのでコストパフォーマンスが悪化します。

RDS(リモートデスクトップ)が向いているケース

RDS(リモートデスクトップ)が向いているケースとして、以下の2つが挙げられます。

 

  • できるだけコストを抑えたい場合
  • リモート環境を迅速に構築したい場合

できるだけコストを抑えたい場合

導入・運用のコストをできるだけ削減したい場合は、リモートデスクトップが向いています。

リモートデスクトップは、気軽に導入できるため導入費用を抑えられます。
また、画面転送をするのみなので、転送先のPCの処理能力に依存しないことから、ハイスペックのPCを用意する必要がなく経費の削減につながります。
また、PCだけでなくスマホやタブレットなどどんな端末からでも利用できるので、コストを抑えることができます。

リモート環境を迅速に構築したい場合

リモート環境を迅速に構築したい場合も、リモートデスクトップが向いています。

Windows PCであれば標準搭載されている機能を利用したり、ソフトウェアのインストールのみで導入できたりするため、気軽に利用できます。
PCとインターネットが接続できる環境さえ整えばすぐに始められるので、迅速にリモート環境を構築したい場合に向いています。

手軽なリモート環境の導入にはリモートデスクトップがおすすめ

リモートデスクトップ(RDS)と仮想デスクトップ(VDI)は、自宅や出張先などの社外からアクセスする端末にデータを送らないリモートアクセスの手段です。
リモートデスクトップが、社内のPCにアクセスするのに対し、仮想デスクトップは仮想サーバーへアクセスするためそれぞれ向いている用途が異なります。

VDIはユーザーの職種などに合わせたリモート環境を提供できますが、導入・運用にかかるコストや工数が大きいことが難点です。一方、リモートデスクトップは細かなカスタマイズこそできませんが、低コストかつスムーズにリモート環境を構築できます。そのため、リモートワーク環境構築の第一歩としては、リモートデスクトップの導入がおすすめです。

「moconavi RDS」なら低コストのリモートデスクトップ導入が可能!

株式会社レコモットの「moconavi RDS」なら、低コストのリモートデスクトップをスムーズに導入できます。
「moconavi RDS」は、会社のパソコンに社外端末からリモートでアクセスし、 普段と同じようにアプリの操作やデータの取得ができるリモートデスクトップです。

 

また、幅広いデバイスに対応しているうえに、操作のタイムラグもほとんどないため、快適なリモート環境の構築を実現できます。
サーバーや初期費用不要で、いつでも・どこからでも、社内のシステムに安全にアクセス可能です。

VDIを社内だけで使っているケースでは、外側からVDIを使う口がない、または外側からVDIを使うにはVPNが必要ですが、moconavi RDSのStreamerをVDIの仮想デスクトップに入れるだけで、VPN不要でゼロトラストなネットワークで社外からVDIを利用することが可能です。リモートデスクトップでのデメリットである通信用の穴をあけることも、VPNも不要なので、「moconavi RDS」とインターネット環境があれば、場所にとらわれないリモートワークを実現します。

リモートワーク環境に最適な「moconavi RDS」導入の詳細については、ぜひ以下のページでご確認ください!

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