リモートアクセスに必要なセキュリティ対策とは?

  • 投稿日:2023 - 3 - 22
  • 更新日:2023 - 4 - 13
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リモートアクセスの導入によって、自宅でのリモートワークや出張をはじめとする事業所以外での業務を効率的に進められるようになります。

 

しかし、導入による利便性が期待できる一方で、セキュリティ面には不安が残ります。リモートアクセスを導入する企業は、考えられるセキュリティ面のリスクを把握したうえで、適切な対策を行うことが重要です。

 

本記事ではリモートアクセス導入によるセキュリティ面のリスクとともに、セキュリティ対策の具体例を紹介します。

 

リモートアクセスについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

リモートアクセスに伴うリスク

リモートアクセスは、本来社内でしか閲覧できないデータに社外からアクセスできる仕組みです。そのため、セキュリティ面でのリスクを伴います。

 

ここでは、リモートアクセスにおけるリスクの例を2つ紹介します。

情報漏えい

リモートアクセスを利用するためのログイン情報が流出した場合、第三者が会社のデータに不正アクセスし、そこから情報が漏えいしてしまうリスクがあります。

 

リモートアクセスで 起こり得る情報漏えいの例

  • 推測しやすいパスワードを設定したため特定されてしまう
  • パソコンがサイバー攻撃を受けてログイン情報が流出する
  • 通信を介してデータを盗み見(盗聴)される

 

流出した情報の内容や量によっては、顧客ひいては世間からの信用を失うといった事態にもつながりかねません。

情報改ざん

リモートアクセスのログイン情報が何らかのかたちで第三者に知られ、不正アクセスされると、情報が漏えいするだけでなく、改ざんされてしまうリスクも起こり得ます。

 

具体的には、社内の情報や自社Webサイトの情報を不正に書き換えられるといったリスクです。

特に、自社Webサイトの情報改ざんは、ページの画像や文言が書き換えられることにより、“不正アクセスの被害を受けた”ということが目に見えて分かるため、自社の信用問題に関わります。

リモートアクセスにはセキュリティ対策が必須

リモートアクセスを導入し、情報漏えいや情報改ざんなどのリスクに備えるには、以下で紹介するセキュリティ対策を行う必要があります。

VPN接続の利用

VPN(Virtual Private Network:バーチャル・プライベート・ネットワーク)接続と呼ばれる、暗号化した回線をつくる仕組みを導入することで、リモートアクセス時の通信における安全性を高められます。

 

リモートアクセスで通信する拠点間だけを接続しつつ、通信内容を暗号化するため、通信の盗聴や、サイバー攻撃の被害にあいにくく、不正アクセスのリスクを回避できます。

 

ただし、VPN接続はあくまでも安全に通信を行うための仕組みです。そのため、リモートアクセスに利用している端末そのものがサイバー攻撃の被害を受けると、情報は流出してしまいます。

不正アクセスを万全に対策するには、VPN接続を導入するだけでなく、端末そのもののセキュリティ対策も施す必要があるということです。

なお、VPN接続を利用する際は、回線速度の低下や脆弱性といった課題についても把握しておくことが重要です。VPNの課題については、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。

 

関連記事:テレワークで改めて考えるVPNの仕組みと脆弱性の課題

従業員への教育を行う

システム側のセキュリティを強化しても、従業員のセキュリティ対策が十分でなければ、不正アクセスのリスクは高まります。

 

第三者に業務用端末を使わせたり、ログイン情報を口外したりといった人的なミスによる不正アクセスの被害を受けないためにも、社内でセキュリティ教育を行うことが重要です。

 

セキュリティ教育の具体的な内容として、リモートアクセス利用時のルール制定や、社内勉強会の実施が挙げられます。

 

▼リモートアクセス時のルールの例

  • リモートアクセスに使う端末を家族と共有しない
  • ログイン情報を口外しない
  • 業務以外で不必要に端末を社外に持ち出さない

また、単にルールを定めるのではなく、万が一トラブルが起きた際の具体的なリスクの内容や、セキュリティ対策の重要性も同時に伝えることが望ましいといえます。

リモートアクセスサービスを利用する

手元の端末で簡単にリモートアクセスができるようになる“リモートアクセスサービス”を利用するのも一つの手段です。

 

リモートアクセスサービスは、スマートフォンやノートパソコンなど、手元から離れた場所にある端末、システムにアクセスできるサービスです。

リモートデスクトップ

リモートデスクトップという方法を利用すれば、自宅から会社にあるパソコンの画面を遠隔操作できます。OSによってはリモートデスクトップ機能が標準搭載されているほか、専用ソフトも提供されています。

サービスによっては、端末間でのデータのやり取りや、自社のパソコン内にあるデータを印刷できる機能も搭載されているため、セキュリティ面のみならず、利便性においてもメリットがあります。

なお、リモートデスクトップについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

関連記事:リモートデスクトップとは?基本的な知識からエラー時の対処方法まで徹底解説

セキュアブラウザ

リモートアクセスサービスを使用する際は、不正アクセスや情報漏えいを防止するために、セキュリティ機能に特化したセキュアブラウザを使用することが欠かせません。

セキュアブラウザを使用することで、ブラウザを終了する際、閲覧したWebサイトの情報やダウンロードデータが自動で削除されます。そのほか、閲覧を許可または禁止するWebサイトを設定することも可能です。

情報セキュリティポリシーの策定

情報漏えいや改ざんのリスクを徹底的に回避し、安全にリモートアクセスを利用するには自社の“情報セキュリティポリシー”を策定することが望ましいです。

 

情報セキュリティポリシーとは、自社における情報セキュリティに対する考え方や、具体的な対策内容などをまとめた指針のことです。

 

総務省のホームページでは、情報セキュリティポリシーについて、以下のように解説されています。

 情報セキュリティポリシーとは、企業や組織において実施する情報セキュリティ対策の方針や行動指針のことです。情報セキュリティポリシーには、社内規定といった組織全体のルールから、どのような情報資産をどのような脅威からどのように守るのかといった基本的な考え方、情報セキュリティを確保するための体制、運用規定、基本方針、対策基準などを具体的に記載するのが一般的です。

引用元:国民のための情報セキュリティサイト『情報セキュリティポリシーの概要と目的』

なお、情報セキュリティポリシーを定める目的は、自社の情報を漏えいのリスクから守ることだけではありません。

ここで定められた指針の周知や運用を通じて、従業員のコンプライアンス意識を向上させ、組織全体のセキュリティレベルを統一することも目的の一つです。

まとめ

この記事では、リモートアクセスのリスクについて以下の内容を解説しました。

 

  • リモートアクセスに伴うリスク
  • リモートアクセスにはセキュリティ対策が必須
  • 情報セキュリティポリシーの策定

リモートアクセスは、社内のデータに社外からもアクセスできるという便利な特徴を持つ一方、セキュリティの面でリスクがあるのが懸念点です。

 

不正アクセスから自社のデータを守るには、情報セキュリティポリシーを策定して自社の情報管理体制を万全にしたうえで、リモートアクセスシステムを導入することをおすすめします。

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moconavi(モコナビ)』は、会社に端末がなくても、いつも使っているクラウドサービスや社内システムに安全にアクセスできるリモートアクセスツールです。専用のアプリとAPIによる接続方式と高い通信効率によって、業務の生産性を落とすことなく快適な業務を実現できます。

 

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moconavi RDS』は、会社の端末へ安全にアクセスできるリモートデスクトップです。堅牢なセキュリティ体制を敷いたうえで、サーバーの用意や初期費用が不要で簡単にリモートアクセスを導入できます。

 

いずれのサービスも、社内システムへいつでも社外のどこからでも安全にアクセスすることを実現できます。働き方に合わせて選択してみてはいかがでしょうか。

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