テレワークの導入率・企業が導入するメリットとは?成功事例とともに解説

  • 投稿日:2021 - 11 - 10
  • 更新日:2021 - 11 - 10
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働き方改革や新型コロナウイルスへの対策などで導入する企業が増えた「テレワーク」。

政府も推進しているテレワークは、国内でどれくらい導入が進んでいるのでしょうか?

今回は、国内におけるテレワークの導入率や、導入した企業の成功事例などを解説します。自社のテレワークについて見直しを考える際、参考にしてみてはいかがでしょうか。

日本企業におけるテレワークの導入状況

まずは、実際にどのくらいの企業がテレワークを導入しているのかをみていきましょう。

テレワークの導入率

2020年11月に総務省が公開した「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」では、テレワーク導入済みの企業は20.2%となっています。導入予定の企業も含めると29.6%となり、約3割の企業がテレワークを導入済みもしくは導入予定です。

また、2021年1月に東京都が実施した調査では、従業員30人以上の都内企業のテレワーク導入率は63.5%でした。

テレワークの普及状況

総務省の調査では、企業規模が大きくなるほどテレワークの導入率が高く、中小企業では大企業ほど普及が進んでいないという結果も出ています。また、緊急事態宣言の発令中は大企業で83.0%、中小企業で51.2%となっていたテレワーク実施率も、緊急事態宣言解除後は相当数の企業がテレワークをとりやめたと回答しています。

このように、日本企業におけるテレワークの普及は新型コロナウイルス感染症の影響が大きく、「新型コロナ収束後もテレワークを活用する予定」と回答した企業はテレワーク導入済み企業の4割にとどまりました。

一方で、テレワーク実施者のテレワーク満足度は高く、「とても満足」「やや満足」と回答した人は合計で61%にのぼります。政府も新型コロナ収束後のテレワークの定着のために各種施策を行っており、テレワークの普及促進が期待されています。

テレワークを導入するメリットとは

テレワークを導入することは、環境問題の緩和、少子高齢化の改善や地域活性化など、社会全体によい効果があるだけでなく、導入した企業や働き手にもメリットをもたらしてくれます。

ここでは、テレワークを導入することで得られるメリットについて、企業側と従業員側、それぞれの視点から紹介します。

企業のメリット

テレワークを導入すると、企業はオフィスの縮小や通勤交通費の削減が実現でき、コストカットにつながります。

また、介護問題や待機児童問題で、家を空けることが難しいという人が増えるなか、企業としては、せっかくキャリアを積み重ねて成長した従業員が、そのような問題で離職してしまうという不安もありました。

テレワークは多様なライフスタイルに対応できるため、従業員一人ひとりに合わせた労働環境を実現でき、離職率の低下や優秀な人材の確保がしやすくなることもメリットです。

テレワークのなかでも特に、パソコンやスマートフォンを活用した「モバイルワーク」はメリットの多いワークスタイル。営業の業務と親和性が高く、時間を有効活用して顧客との接点を増やせば、生産性の向上も期待できます。

さらには、災害や感染症のパンデミックのような緊急の事態になったときでも、被害を最小限にとどめられるでしょう。事業の中枢部であるオフィスを分散化することで、事業の継続、または早期再開が望めます。

就労者のメリット

テレワークを導入すると、出社の必要がなくなったり、直行直帰が可能になったりするため、業務の効率化や残業の軽減につながり、時間的な余裕が生まれます。

また、通勤による肉体的負担や混雑などのストレスも、テレワークを導入することで回避できます。

「家庭の事情で通勤することが難しい」「休暇を申請するのが気まずい」など、オフィスワークでは退職せざるを得ない状況であっても、テレワークが利用できれば退職の心配もありません。

育児や介護と両立して仕事ができるようになることはもちろん、家族との時間を優先しながら仕事ができる「ワークライフバランス」の実現にも効果的です。

テレワークのメリット・デメリットやデメリットの解消法については、以下の記事でも詳しく紹介しているので、こちらも参考にしてください。

テレワークを導入した企業の成功事例

テレワークを導入した企業は、一体どんな成果を挙げているのでしょう。実際にテレワークを導入している企業の取り組み内容と成果を見れば、テレワークがもたらす効果がいかに高いのかがイメージできるはずです。

ここからは、5団体のテレワーク成功事例を紹介します。

日鉄ソリューション株式会社

日鉄ソリューション株式会社は、2010年から在宅勤務制度の導入検討を開始し、2013年には育児者向け、2014年には介護者向け、2017年には係長級以上の社員向けと、年々在宅勤務制度の対象を拡大してきました。

自社で仮想デスクトップサービス「M3DaaS(エムキューブダース)」を提供していることもあり、大きなトラブルなく在宅勤務を導入できています。また、2015年には取り組みをさらに促進すべく、働き方改革を推進する組織を立ち上げ、約半数の社員がテレワークに参加するという大きな成果を上げました。

コロナ禍では全社員を対象に「原則在宅勤務」のルールを設け、緊急事態宣言中は全体の96%の部署が在宅勤務を実施するなど、会社全体で積極的にテレワークに取り組んでいることがわかります。

徳島県

徳島県では2002年から「全県CATV構想」を推進しており、県内全域に高速通信網が整備されていたことが、テレワーク導入にも大きく貢献しました。

スマートフォンによる業務を認めたり、自宅のパソコンから職場LANに接続して仕事ができる環境を整えたり、専用パソコンを持ち帰らなくても在宅勤務ができる環境が整っています。そのためコロナ禍では、在宅勤務者が前年の25倍以上に激増しました。

徳島県では2014年からテレワークの実証実験を始め、トライアルを繰り返していたという背景があります。モバイルワークやサテライトオフィスも含めて地道に取り組んでいたことが、テレワークの普及・拡大につながりました。

株式会社リコー

株式会社リコーでは、2017年から「働き方変革」というプロジェクトを開始し、社長直轄のチームを発足して取り組みを進めました。Microsoft365などを導入して業務環境を整備し、マネージャーへの研修など社員の意識改革のための取り組みも実施しています。

在宅勤務が全社的に定着していたことで、コロナ禍では全社員に対して原則在宅勤務を通達し、首都圏にある事業所の平均出社率を約7%にまで抑えることに成功しました。

初めて在宅勤務を利用した社員から出た不満に対しては、チャットボットでの問い合わせ対応やWi-Fiルーターの貸し出しなど、サポート体制を強化して課題を解消しています。

SCSK株式会社

SCSK株式会社では、自宅、サテライトオフィスなど、いつでも、どこでも働ける「どこでもWORK」という制度を全社員対象に実施しています。また、テレワークの阻害となるペーパー類の削減のため、ペーパーレス会議の推進、定着化しているのも大きな特徴です。

社内にオープン席や集中席など、自席を前提としないフレキシブルオフィスを採用していることも、テレワークスタイルの常態化促進や作業の効率化に大きく貢献しているようです。

これらの取り組みを実施することによって、SCSKでは毎月3000名程度の社員が月平均3回のテレワークを実施し、社員の満足度の向上も確認されています。

TRIPORT株式会社

TRIPORT株式会社では、代表取締役も含めて、全社員にテレワークを採用しています。全国にサテライトオフィスや小ワークスペースなどを完備しているため、従業員は居住地に関係なく働くことができ、優秀な人材を確保することに成功しています。

そのほか、SaaS型クラウドストレージサービスやチャット、WEB会議システムなど、安定したテレワーク環境を実現させるために多数のITインフラを導入するなど、テレワークで問題視されがちなコミュニケーション不足の解消にも抜け目なく取り組んでいます。

創業以来、正社員・アルバイトの離職率0%を維持しているというのは、他の企業ではなかなか見られない成果です。

中小企業がテレワークを導入する際に発生する3つの課題

テレワークを導入するメリットは大きいですが、企業の導入率は2020年11月末時点で20.2%、特に社員300人未満の中小企業は15.1%と低く、中小企業に関しては決してテレワーク導入が進んでいるとはいえません。

ここでは、中小企業への導入を阻む3つの課題と解決のヒントを紹介していきます。

初期費用とランニングコスト

テレワークを導入する場合、まず立ちはだかる課題が「コスト」です。専用のパソコンやモバイル端末の貸与、テレビ会議などのハードウェアを整備する初期費用は、1人あたり平均約10万円かかるといわれています。

さらに、それらツールのランニングコストを考えると費用の課題は大きく、なかなか導入に踏み切ることができません。そこで、国や自治体で行っている助成金を活用することをおすすめします。

いろいろな助成金がありますが、例えば厚生労働省による「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」は、初めてテレワークを導入する場合はもちろん、継続する場合においても支援を受けられるため、有効に活用できるでしょう。

そのほか、総務省による「ふるさとテレワーク」は、地方の過疎化を防ぐ狙いで生まれた制度です。地方の自治体や民間企業でテレワーク導入を考えているのであれば、ぜひチェックしておきましょう。

もうひとつ、東京都による「働き方改革宣言奨励金」という仕組みもあります。支援を受けるには「TOKYO働き方改革宣言企業」の承認を得る必要がありますが、都内の企業であれば利用を検討しておいて損はないでしょう。申請方法など、助成金によってそれぞれルールが異なるので、分からないことがあれば各自治体窓口に問い合わせてみましょう。

社内制度の維持や管理

社員がオフィスに出社しない働き方では、従来の社内制度が馴染まず、課題を抱えている企業も少なくありません。

代表例として、「残業や休憩、休日出勤や有給といった勤怠管理が難しくなる」「一人ひとりの仕事ぶりが把握しにくく、人事評価の基準が今までと同じでは通用しない」「社外に情報が持ち出されることが増えるので、情報漏えいのリスクが高まる」などといった問題があり、テレワーク導入にはそれなりに慎重な姿勢が必要になってきます。

実際に導入に踏み切る際は、リスクを抑えるためにも、就業規則の見直しや管理システムの導入など、専門家のサポートを受けながら進めていくことが大事です。あらゆる出来事を想定しておけば、万が一トラブルに見舞われたとしても冷静に対処ができるでしょう。

社内のコミュニケーション低下

中小企業ほど、自社の生産性を維持・向上させるためには、社内のコミュニケーションが必要不可欠です。しかし、テレワークは社員同士が離れて仕事をするため、コミュニケーション低下の懸念が拭えません。

これを解決するためには、リアルタイムにやり取りができるチャットツール、お互いの顔が見えるテレビ電話やWEB会議の導入が必要になります。

その一方で、これらのツールにあまり過度に頼りすぎていると、ストレスを与える可能性も否定できません。利用するときは適度な使用を心がけましょう。ストレスが生まれないようにするためにも、きっちりとルールを定めておく必要があります。

テレワーク導入成功のカギはリモートアクセス環境の整備

テレワークを導入すれば経費削減や人材確保の面でメリットは大きいのは確かですが、導入時や導入後の課題が多いのも事実です。

特に、中小企業がテレワークを実現するためには、助成金を活用しながらも、まずはリモートアクセスの環境整備を進めていくとよいでしょう。

テレワークでのリモートアクセス環境整備には、moconavi(モコナビ)がおすすめです。moconaviを使えば、リモートアクセス時のセキュリティリスクを解消し、クラウドサービスや社内システムに安全に接続できます。低コストで簡単に導入できるので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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