テレワーク事例:コロナ時代のテレワークに必要な働く環境とは?走りながら進めたルール整備

  • 投稿日:2020 - 11 - 25
  • 更新日:2023 - 1 - 11
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コロナ禍におけるテレワーク推進。テレワークプラットフォーム、moconaviを提供するレコモットにも、もちろんその流れはありました。新型コロナウィルスの国内流行が騒がれ始めた2020年2月から対応を始め、緊急事態宣言の発出された4月からは原則2名での輪番出社体制へとすぐに移行。

社員の健康を守ることを第一に、労務管理からICT環境の整備、電話や書類対応まで、アフターコロナ・ニューノーマルにおける勤務形態についてロードマップを作成し、6月以降は状況に合わせたテレワーク体制を構築してきました。

今回はテレワーク化の推進とルール整備にあたった経営管理部の藤田さんと工藤さんに話を聞きました。経営管理部として、テレワーク化に向き合ってきたリアルな声を紹介します。

書類対応は紙を廃止してペーパーレスを推進

──テレワーク化でどの会社でも悩んでいるのが、紙でやりとりされる書類の扱いだと思います。どのように対応されましたか?

工藤:経費精算はオンライン対応に切り替えました。これまでは領収書の原本を経理が確認していたのですが、各社員の出社が輪番制になったため、月締め処理の期限までに領収書原本を経理の手元に回収するのは困難になると考えました。

ですので、これまでは積極的に使っていなかった経費精算システムのファイル添付機能で領収書の画像データ提出をしてもらい、経理は画像データで金額を確認する仕組みに変更しました。

いずれにしても原本は回収しなければいけないので、出社時に提出をお願いしています。ちなみに、経費精算システムはmoconaviと連携させているので各自のスマホから領収書の写真を撮ってそのまま添付することが可能です。

新型コロナウィルスの感染が広がるなか、早急なテレワークへの切り替えが必要であり、そのためにはペーパーレスも同時に進めなければなりませんでした。それでもmoconaviを普段から使っていてBYODに慣れているため、皆さん柔軟で助かりましたね。

ペーパーレスの取り組みはその後も継続し、5月には給与明細もペーパーレスに対応しました。ただ、請求書や契約書類など、お客様とのやりとりには先方の都合もあるので、完全に切り替えるのではなく、臨機応変に対応しています。書類が紙で届いた場合、その際出社している社員にスキャンデータを送ってもらっています。


経営管理部 経理担当 工藤

──本来であれば完全ペーパーレス体制にしたいが、お客様都合で紙の書類が送られてくる場合があると。経理で取り扱う書類以外で対応されたことはありますか?

藤田: 他には電子契約システムの導入と契約書の電子データ保管を始めました。営業社員がお客様と打合せを行うにあたり、締結している契約の内容を確認したい時があります。以前は契約書が紙でしか保管されていなかったため、契約書の内容を確認したい時はわざわざ出社をするか、出社している社員に連絡を取り、契約書のスキャンデータを送ってもらう必要がありました。
また、契約書へ押印する必要があるので、押印権限を持つ役員が押印のために頻繁に出社をしなければいけない状態でした。
その状況を改善するために、契約書のスキャンデータ保管機能を備えた電子契約システムの導入を行いました。世の中で電子契約がようやく導入され始めた頃でしたので、社員やお客様・取引先様への説明は結構大変でしたね。また、紙の契約書を全てスキャンしてデータ化する必要があったのですが、紙の契約書をデータ化する作業も骨が折れました。
ただその甲斐あって、契約書は全てシステム上で閲覧できるようになったため、契約書の閲覧のために社員が出社する必要はなくなりましたし、電子契約というものが世の中に浸透するにつれて押印作業自体も減っていきました。また、電子契約システムはWebで行うことができ、在宅勤務時はもちろんのこと、外出時でもスマホから閲覧・電子契約対応ができるため、急ぎの時に場所を選ばず対応できるというのが助かります。

オンラインMTGで、テレワークのコミュニケーション課題を解消

──テレワークになり、やはりコミュニケーションの形も変わりましたか?

藤田:出社する日が人によってバラバラなので、MTGはオンラインでの実施がメインになりました。全員出社が当たり前だった時は、隣に座っている同僚がどんな業務をしているかや今忙しいかなどを知ることができましたが、リモートワークが当たり前になってから、業務時間の同僚の様子がわからなくなってしまいました。
自分から見て同僚に対してそう感じるということは、上司をはじめとする周りの社員から自分が同じように思われているということでもあるので、チャットを積極的に活用して情報を共有したり、自ら情報を取りに行ったりする意識が以前よりも必要になったと感じています。

経営管理部 藤田

工藤:でも、業務中に突然話しかけられることがなくなったのは、良い面もあるんです。経理として、数字チェックの仕事はかなり集中力がいりますが、誰にも邪魔されない時間をとれるようになりましたね。

藤田:経営管理部では部内のオンラインMTGの際にはカメラをONにし、お互いの顔が見える状態で話をするようにしています。工藤さんのように一人で業務に集中してしまう人は、体調やメンタルの変化に自分で気付かなかったりすることがあるので、MTG相手である私が仲間の些細な変化や反応に気付けるように工夫しています。

──オンラインMTGを行ってみての感想はいかがですか?

藤田:はじめは抵抗感がありましたが、画面の共有が簡単にできたり、会議室を確保せず自席で行うことができたりというメリットもあり、慣れてきた結果メリットに合わせて使い分けをできるようになりました。

工藤:テレワークだとMTG以外に顔を合わせる場がないので、きちんとアジェンダを用意し、その場で物事を確実に決定するようになりました。時間を無駄にしない意識が高まったように感じます。それは良い変化ですが、逆に雑談の余地がなくなってしまうのがテレワークの課題。これを解消するために、私の所属する経理・法務チームでは週1回、定例MTGの前半をコミュニケーションの時間としています。持ち回りで業務に限定しないテーマを決め、そのテーマに沿ってたわいもない会話をしています。

藤田:会話を通して仲間の意外な一面を知ったり、業務上のアイディアに繋がったりしますからね。

工藤:特に私は入社して1ヶ月でテレワーク体制になってしまったので、一緒に働く皆さんの人柄を知る機会としても、オンラインでのフランクなコミュニケーションは重要でした。テキストだと伝わりきらないニュアンスがあるので、オンラインMTGでのフランクなコミュニケーションも時には大切ですね。

様子が見えないなか、社員の健康を守る労務管理の体制構築とは?

──情報共有同様、社員の姿を目で追えないと、労務管理も大変だと思います。それについてはいかがですか?

藤田:テレワークをする社員には、勤怠管理ツールをmoconavi経由で使用して出退勤の打刻をするようにお願いしています。社員の労働時間の確認だけでなく、打刻の際にスマホの位置情報を取得する設定をしているので、場所も確認できる仕組みとなっています。

工藤:オフィスのドアにはスマートロックを導入していて、カードで鍵を開け閉めする仕組みになっています。かざした時間と個人が記録されるので、入退社の時間を追うことができ、オフィスで長く残業している社員もわかります。

──ツールをうまく活用されているのですね。テレワークにより労務に関する問題は起こりませんでしたか?

藤田:テレワーク開始と共に、職種部署問わず全社的に労働時間が増えてしまいました。通勤を境に仕事の時間とプライベートの時間を切り替えていたのが、テレワークによって通勤がなくなり、仕事のON/OFFの切り替えが曖昧になってしまった結果、夜遅くまで仕事してしまっている社員が増えたように感じます。
この課題については、勤怠管理システムの表示情報をわかりやすくすることで、解決を図りました。社員が自分の1か月間の勤務時間を意識しやすくなり、業務を効率化しようという意欲につながるようになりました。

工藤:もちろん労働時間だけでは見えてこない問題もあります。身体面だけでなく、精神面での疲労がないかアンケートも実施しました。

藤田:労務面での課題はありましたが、新しい取り組みもできるようになりました。テレワークやオンラインMTGが浸透したことにより、採用活動でオンライン面接の機会が増えました。業務を行う場所を選ばなくなったので、応募者も面接対応をする社員もオフィスにいる必要がなくなり、採用における障害であった「物理距離」がもはや障害ではなくなった感覚があります。採用対象者をオフィスへ通勤できる人という枠で狭めてしまう必要がないため、採用範囲が全国に広がる可能性も出てきたと思います。

テレワークに有効なツールとmoconaviシリーズで、リモートアクセスを促進!

──今までお聞きしたなかでもいくつかツールが登場しましたが、他にも活用したツールはありますか?

藤田:まずはやはりVPNとmoconaviですね。元々移動中や訪問先でノートPCを使うことが多かった営業社員のみにライセンスを付与していましたが、ライセンスの付与対象を全社員に広げました。これにより、全ての社員が自宅から社内の重要なファイルに対して、オフィス外からでも安全にアクセスできるようになり、ノートPCやスマホを持ち帰るだけでその日からテレワークを開始することができるようになりました。
また、カスタマーサポートチームはデスクトップPCを使っていたのでmoconaviRDSを活用しました。moconaviRDSはリモートデスクトップツールなのですが、自宅に持ち帰ったノートPCからオフィスに置いてあるデスクトップPCをリモートで動かすことができ、カスタマーサポートチームもテレワークができるようになりました。

テレワーク(在宅勤務)なら法人・商用向けリモートデスクトップ moconaviRDS

工藤:オンラインMTGツールとしては、Teamsの他にZoomを使用しています。これは社外MTG向けですね。お客様の都合によって選択できるよう、複数用意しています。

テレワークの重要課題「電話対応」はmoconavi050を使ったBYOD で出社負担も機会損失も解決

──テレワーク中の電話対応も課題にあげられると思います。こちらはどのようにされたのですか?

藤田:テレワーク中の電話対応は受けることにも掛けることにも課題がありました。
受けることの課題は、電話が掛かってきた際にオフィスの固定電話が鳴るために、当番制で出社しなければならず、電話のやり取りによる負荷が出社した社員に集中したことです。その結果、出社した社員が本来の業務に集中できない状態となっていました。

逆にかけることについては、社員のスマホからお客様先に電話を掛けた際、社員のプライベートの電話番号が先方側の画面に通知されてしまったり、通話料金が社員負担になってしまったりすることが課題でした。
この課題をまとめて解決してくれたのがmoconavi050でした。

テレワークの電話問題は050番号とクラウド電話帳で解決 moconavi050

まず先にBYOD制度として業務用の050番号を全社員のスマホに導入しました。そして各部署への着信は、決められた社員たちのスマホが鳴るようにしました。これにより、オフィスにいなくても社員が外線電話を受けられるようになりました。
また、moconavi050経由で電話を掛けた場合、相手先の画面には業務用の050番号を表示させることができるうえ、050番号の通話料は会社に請求されるので社員が通話料金を負担することもありません。
moconavi050はテレワーク推進に大きく貢献してくれましたね。

ちなみにBYOD制度として、個人スマホを業務に使用させてもらう分、通信料や端末調達などの費用としてBYOD手当というものを全社員に一律支給しています。この手当を社員に支給しても、全社的なコスト低減が実現できましたし、業務用のスマホと個人のスマホを2台持ち歩いて使い分ける面倒から解放され、社員にとっても嬉しい仕組みではないでしょうか。

これからは出社とテレワーク、自由に選べる会社へ。

──最後にテレワーク化を推進してきたお二人の考えをお聞かせください。

 

工藤:たとえば休むほどではないけれど体調が優れないとき、会社に行くのは辛いけど、家なら働けるということもありますよね。テレワークはコロナ禍に関わらず、便利な仕組みだと思います。これからも続けていくにあたって、出社したい人と在宅勤務したい人、どちらもその自由を守れる選択制が理想だと思います。

藤田:オフィスの在り方も考え直しました。働き方が選べるようになり、オフィスが「社員全員が毎日当然のように出社する場所」から「必要に応じて使用する業務場所の選択肢」へ変化したことを感じます。他部署で新しく入社した方がいてもなかなか直接会える機会がなく、顔と名前が一致しないままで数か月過ごすということもあるので、出社した社員同士が積極的にコミュニケーションをとれるようにしたいと考えました。座席のフリーアドレス化やカフェスペースを新設してコーヒーサーバーなどを導入したのですが、淹れたてのコーヒーを片手に部署が違う社員同士が談笑をしている姿を見ると、コミュニケーションの大切さを改めて感じます。
また、在宅で働くようになり、今まで通勤に使っていた時間の自由度が増しました。通勤に使っていた時間を自己研鑽に使えるようになり、ワクワクしています。

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