PHSのサービス終了で病院や介護施設が対応すべきこととは?

  • 投稿日:2021 - 9 - 30
  • 更新日:2021 - 10 - 4
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PHSは、2021年1月でサービスが終了となりました。しかし、PHSが広く活用されている病院や介護施設では、サービス終了後もPHSを使い続けているところも多いでしょう。

PHSの構内活用が定着していた病院や介護施設が、今後どのように対応すべきか解説します。PHSの代替となるサービスも紹介するので、対応策の検討にお役立てください。

PHSサービスが終了となる背景

病院や介護施設などで広く使われていたPHSですが、なぜサービスが終了してしまったのでしょうか。はじめに、サービス終了の背景を紹介します。

サービス終了の理由

PHSは持ち運びできる通信手段として、1990年代から普及が進みました。しかし、2000年代になると携帯電話が安価に利用できるようになったため、PHSの契約件数が急激に減っていったという背景があります。その後はスマートフォンの普及も進み、ますますPHSの契約件数が減少したことで、PHS提供事業者はサービス終了を決定しました。

PHSの契約件数が減っていくなかでも変わらず利用を続けていたのが、病院や介護施設です。医療機関では強い電波を発する携帯電話の使用が制限されるため、携帯電話が登場したあともPHSが主流でした。

当初は2020年7月末に終了予定だった

PHS提供事業者は当初、2020年7月末にサービスを終了すると発表していました。しかし、新型コロナウイルスの流行により、携帯電話への移行が困難な企業や施設からの要望を受け、2021年1月31日までサービス終了が延期されました。

PHSサービス終了による病院や介護施設への影響・求められる対応策

PHSサービスはすでに終了していますが、施設内の内線通話用としてPHSを使い続けることは可能です。しかし、いつまでも使い続けることには問題点もあるため、PHSを使っている病院や介護施設は対応策を考えなければなりません。

PHSサービス終了による影響と、現在でもPHSを使っている病院や介護施設が取るべき対応策について解説します。

病院や介護施設への影響

現在使用している構内PHSや「スプリアス」といわれる電波規格が古い場合、将来的に使用が制限されます。電波利用環境の維持のため、2005年にスプリアス規格に関する電波法令が改正されました。2007年11月30日以前に製造された旧スプリアス規格の製品は法令に定められた許容値を超えるため、定められた期限までに新規格への移行が必要です。

新型コロナウイルスの影響で移行が滞っていることから、法令に記載の移行期限は「当分の間」とされています(2021年9月時点)。しかし、いつかは制限を受けることになるので、なるべく早く対応を進めなければなりません。もし規制開始後に規制対象の構内PHSを使用すると、罰則や罰金の対象となります。

求められる対応策

先述の電波法令に対応するためには、定められた期限までに新スプリアス規格へ移行する必要があります。また、PHSではなく携帯電話やスマートフォンなど、ほかの通信方法に乗り換えるのもひとつの方法です。

PHSに変わる通信手段

医療機関や介護業界でPHSに変わる通信手段として期待されているのが、スマートフォンです。以前は電波の強さから医療機器に影響を与えるとされていましたが、近年のスマートフォンは性能が向上しており、安全性の問題もクリアしています。

病院や介護施設でのスマートフォン活用には、多くのメリットがあります。例えば、電子カルテをスマートフォンから利用したり、全員で共有したい情報をチャットで一斉送信したりすることが可能です。そのため、スマートフォンをPHSの代替として導入する施設も増えています。

スマートフォン以外にもPHSの代替として利用できる通信手段はいくつかあります。ここからは、PHSに変わる通信手段の仕組みや特徴について、詳しくみていきましょう。

スマートフォンのIP無線アプリ

IP無線とは、インターネット回線を使って音声通話を行う仕組みです。IP無線アプリをダウンロードすることで、スマートフォンをIP無線機として使用できます。

IP無線アプリのメリットは、グループ通話機能で一度に複数人と通話ができる点です。また、相手が着信を受けなくてもトランシーバーのように音声が届きます。電話回線は災害時に発信制限がかかることがありますが、インターネット回線を利用するIP無線アプリなら災害時でも通信制限を受けにくいのもメリットです。

一方デメリットとしては、使用料やデータ通信料といった毎月のコストが発生することが挙げられます。まれに通信制限や通信障害が起こる可能性がある点にも注意しなければなりません。また、携帯の電波が届かない地域では利用できないというデメリットもあります。ただし、現在はほとんどの場所で電波が入るようになっているので、施設内の利用であればあまり問題ないでしょう。

sXGP

sXGPは、自営PHSの後継として規格された通信システムです。一般のスマートフォンよりも低出力で、医療機器に与える影響が少ないことがメリットです。独立した通信環境を構築するため、地震や台風など有事の際に公衆回線が使えなくなったとしても単独で動作します。また、高セキュリティなプライベートネットワークを構築できるというメリットもあります。

sXGPのデメリットは、まだ実導入に至っていない点です。可用性を懸念する導入検討先が多く、実導入が進むにはもう少し時間がかかると考えられます。

クラウドPBX

電話交換機をクラウド上で利用するクラウドPBXも、PHSからの移行先としてひとつの選択肢です。クラウドPBXを使うと内線と外線をひとつのスマートフォンで利用でき、業務効率の向上が期待できます。スマートフォンの使用によって、電子カルテなど他システムとの連携や、チャットツールなど通話以外のコミュニケーションも可能です。クラウドPBXは録音機能が備わっているため、ナースコールや患者とのやりとりを保存できるのもメリットです。

一方、毎月の利用料がかかる点や、発信できない番号がある点など、デメリットもあります。クラウドPBXは、110や119といった緊急通報用の番号には通話できません。インターネット回線を使って通話するため、通信環境によっては音声品質が低くなる恐れもあります。また、サポート体制の悪いメーカーを選んでしまうと、トラブル時などに苦労するかもしれません。

IP-PBX

クラウドPBXがクラウド上にサーバーを設置するのに対し、IP-PBXは自社内にサーバーを設置するのが特徴です。クラウドPBXは低額の初期費用と毎月の利用料がかかりますが、IP-PBXは数十万円の初期費用がかかる代わりに月額費用はかかりません。通話にはインターネット回線を使用するので、従来型PBXと比べて通話料が抑えられるというメリットもあります。

スマートフォンやパソコンを通話端末として利用でき、内線や外線、転送機能が使えます。

パソコンとの連携では、通話内容の記録やバックアップ、音声データのメール送信など、通話以外の機能も利用可能です。すでにある端末をそのまま使用できるため、端末の購入費用が抑えられるのもメリットです。オプション機能が豊富で、業務効率の向上も期待できます。

IP-PBXのデメリットとして、長時間停電すると機能が停止してしまう点や、インターネットの接続状態に通話品質が左右される点、自社でセキュリティ管理が必要になる点などが挙げられます。また、自社にサーバーを設置するための工事が大規模で、導入までに10日から1ヶ月程度かかることもデメリットです。

各種コストがかかる点にも注意が必要です。定期メンテナンスや故障時の費用や、数十万円という高額な初期費用がかかることを把握しておきましょう。

FMC

FMCは固定電話と携帯電話の機能をひとつにまとめる仕組みです。FMCサーバーに固定電話と携帯電話の情報を登録すると、固定電話にかかってきた電話をスマートフォンで受けたり、スマートフォンを内線として使用したりできます。スマートフォンを内線として使用するには、FMCだけでなくIP-PBXもしくはクラウドPBXを併用します。

FMCは、通信キャリアを統一しなければならない点がデメリットです。携帯電話と固定電話のキャリアがバラバラの場合は、どちらか1社にまとめなければFMCは利用できません。また、外部の基地局を経由して通話するため、停電などが発生すると通話ができない可能性があります。

まとめ:PHSの代替えには音声通話・ビデオ通話が可能なmoconavi「ビジネスチャット」という選択肢も

PHS

PHSはサービスが終了しており、ほかの通信手段への乗り換えが求められています。PHSの代替えには機能性の高いスマートフォンがおすすめで、チャットツールなど通話以外のコミュニケーションも可能なアプリを使えば業務効率も向上するでしょう。

moconavi(モコナビ)が提供する「ビジネスチャット」機能は、テキスト・音声・ビデオの3つのコミュニケーション手段が使えます。状況に応じて最適なコミュニケーション手段が選べるので、格段に利便性がアップします。

外線としての使用には、「moconavi 050」が便利です。個人の携帯電話に050番号を付与し、ビジネスとプライベートで電話番号や通話料の使い分けができます。通話には携帯電話回線を使用するため、高品質な通話が可能です。

PHSの乗り換え先の候補として、moconaviを検討してみてはいかがでしょうか。

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