BYODの費用は企業負担? スムーズな運用方法と社用携帯との費用差も解説

  • 投稿日:2023 - 4 - 7
  • 更新日:2023 - 7 - 12
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BYOD(Bring Your Own Device)は、従業員の個人端末を業務でも利用できる方法として注目を集めています。

企業には、社用携帯(※)の購入費用を削減できるメリットがある一方で、月々の通話料・パケット通信料の負担区分が課題です。また、社用携帯との費用差もBYODの導入前に押さえておくことが大切です。

この記事では、BYODの導入で企業が負担する費用やスムーズな運用方法のポイント、社用携帯との費用差について解説します。

BYODの概要やメリット・デメリットについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

※社用携帯とは、法人契約をしている携帯電話のこと。

BYODに関わる費用負担

基本的に業務に関わる費用は、すべて企業が負担します。

BYODの導入で企業が負担する費用には、通話料とパケット通信料が挙げられます。しかし、従業員の個人端末を使用するため、使用量の切り分けが難しく、業務に使用した分の金額を明確にできないという点が課題です。

解決策として、個人端末に050番号(※)を付与する方法があります。私用と業務用を分けることで、業務に利用した通話料を把握でき、一人ひとりの利用量に見合った金額を負担できます。

ただし、業務で利用したパケット通信料は把握が難しいため、手当てを支給するのも一つの方法です。

テレワークで発生する費用とそれらの負担区分については、こちらの記事で解説しています。

関連記事:「テレワークの通信費や光熱費を社員に自己負担させないために企業が考えるべきこと

※050番号とは、インターネット回線を利用したIP電話特有の電話番号形式のこと。

BYODをスムーズに運用する方法

BYODを導入するにあたって、以下の3つのポイントを事前に確認しておくとスムーズな運用が可能です。

手当の支給

パケット通信料にあたる費用の負担として、手当を支給があります。

前述したように、BYODに関わる費用は企業が負担しなければなりませんが、データ通信量の切り分けが難しいです。

そこで、『BYOD手当』『テレワーク手当』など、会社独自の手当を全従業員に一律で支給できれば、パケット通信料を補助できます。また、毎月かかったパケット通信料の何割かを支給する方法も一つです。

ただし、通話料・パケット通信料などを管理する必要がなくなるものの、手当を超過した金額は従業員の負担になるため、その旨を就業規則に記載する必要があります。

運用ルールの明確化

BYODを導入する前に、運用にあたってのルールを明確に決めておくことで、トラブルの予防につながります。

BYODは、公私の情報が1つの端末に入ることが避けられないため、業務中はもちろん、プライベートでの利用方法も、注意を促さなければなりません。すべてのルールを許容してしまうと、仕事をプライベートに持ち込んで、かえって業務効率が下がる従業員が増えることも考えられます。

“メールやメッセージは受信のみ”“顧客の情報は個人端末に保存しない”といった、具体的なルールを示すことが重要です。

ただし、過剰なルールを設定するのも、BYODの利便性の低下を招くおそれがあります。運用しながら柔軟に運用ルールが変更できるように、社内ガイドラインの作成が求められます。

MDMやMAMといったツールの利用

個人端末を業務で使用する際は、情報流出やウイルス感染などにつながるおそれもあります。そのため、端末に対するセキュリティ対策も考えなければなりません。

セキュリティ対策には、MDM(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)やMAM(Mobile Application Management:モバイルアプリケーション管理)といったツールを導入する方法があります。

それぞれのツールの概要は、以下のとおりです。

▼MDMとMAMのツールの概要

ツールの種類

概要

MDM

  •  端末の一元監視や管理ができる
  • 端末を紛失した際に、遠隔でデータをリセットできる
  • 企業の資産管理としての利用もできる

MAM

  •  端末内のアプリを管理できる
  • 私用アプリと業務用アプリを切り分けて管理できる
  • 紛失時はアプリ自体を削除すれば、端末に情報が残らない

 

これらのツールを導入すると、BYODのセキュリティのリスクも軽減できます。ただし、MDMに関しては、個人を管理してしまうというプライバシーの観点では不向きといえます。

MDMやMAMについては、以下の記事でより詳しく解説しております。

関連記事:「BYODに必要なセキュリティ対策とは?MDMとMAMの正しい活用方法

BYODと社用携帯の費用差

社用携帯は、Webの閲覧制限をかけてセキュリティ対策ができるため、ウイルス感染を避けられるという点が安心です。また、費用は企業に一括請求され、担当者の管理負担も軽減できます。

ただし、端末を一から準備しなければならず、端末の購入費用や月額費用などが発生します。

一方、BYODであれば個人端末を使用するため、社員が2台持ちする必要がなく、端末の購入も不要です。利用サービスによっては、業務利用した通話料を明確に把握でき、一括請求できます。

「BYODと社用携帯それぞれにメリット・デメリットがあるため、導入に悩んでしまう」という方のために、具体的な費用の違いを以下の表にまとめました。

▼BYODと社用携帯のコストの差(従業員1人当たりにかかる月額費用)

項目 BYOD 社用携帯
端末本体 2,000円
端末保障 300円
MDM・VPN・ウイルス対策 500円
通信料 3,500円
moconaviライセンス 650円
通話料金 750円
BYOD手当 2,000円
合計 3,400円 6,300円

※株式会社レコモットの『moconavi』を利用した場合

 

上記はあくまで一例ですが、社用携帯と比べてBYODを導入したほうが、全体的なコストが抑えられることが分かります。

 

費用の詳細が知りたい場合は、こちらの資料で利用人数別で月々の費用にどのくらい差が出るのかを説明しています。併せてご覧ください。

コスト比較資料:「社給端末とBYODでどのくらいコストに差が出る?3つのケースでコストを比較!

まとめ

この記事では、BYODの費用負担について以下の内容を解説しました。

  • BYODに関わる費用負担
  • スムーズな運用方法
  • BYODと社用携帯のコストの差

業務に関わる費用は、原則すべて企業負担になるため、BYODを導入する場合は、明確な運用ルールの設定やパケット通信料の補助手当の有無など決める必要があります。

 

BYODであれば、端末の購入費用が必要ないため、従業員が増えても初期対応の負担軽減につながります。また、利用サービスによっては、社用携帯よりもBYODの費用が抑えられる場合もあります。

 

レコモットが提供する『moconavi』
では、個人端末に050番号を付与することで、ビジネスとプライベートで番号と通話料を使い分けられます。“個人端末にデータを残さない”仕組みで、安全なBYOD運用を実現します。

BYODの導入で、費用について悩んでいる担当者さまは、お気軽にご相談ください。

 

お問い合わせはこちらから

社給端末とBYODでどのくらいコストに差が出る?

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近年、テレワークの普及とともに注目されているBYOD。
社給端末での運用と比較しても、月々のコストが低い傾向にあり、多くの会社でコスト削減につながる可能性があります。

本書ではBYOD運用で発生するコストや社給端末での運用と比較したコストメリットについて具体例とともに解説します。

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