VPNの脆弱性に注意! サイバー攻撃や情報漏えいのリスクと企業のセキュリティ対策
- 投稿日:2025 - 6 - 24
- 更新日:2025 - 6 - 24

公衆のインターネット回線上で仮想的な専用回線環境を構築するVPN は、テレワークをはじめとする社内外での通信において、セキュリティを確保するために利用されています。
一方で、VPNの利用方法次第では情報セキュリティ上の弱点となる脆弱性を生じさせる可能性があります。また、VPN機器そのものに脆弱性が報告されているケースも見られます。
この記事では、VPNの脆弱性についてリスクと対策を解説します。
脱VPNによるゼロトラストの実現については、こちらの資料をご確認ください。
VPNの脆弱性によるサイバー攻撃や情報漏えいのリスク
VPNの利用によって脆弱性が生じると、サイバー攻撃の標的や機密情報が漏えいする可能性があります。
VPN機器のパッチ未適用を狙った攻撃
VPN機器そのものが抱えている脆弱性をパッチで修正していない場合、サイバー攻撃の標的にされるリスクが生じます。
例えば、2019年に複数のVPN機器において脆弱性が見つかり、多くのサイバー攻撃の標的とされました。修正パッチは配布されているものの、未修正で放置されている機器は今後も狙われる可能性があります。
出典:経済産業省『サイバーセキュリティに関連する海外の動き』
認証情報を悪用した通信経路への侵入
VPNの認証情報へのセキュリティ対策や認証権限の設定に不備がある場合、認証に関する脆弱性が生じます。
認証情報を悪用されて通信経路へと不正に侵入された場合、サイバー攻撃を行う入り口として利用されたり、データを盗まれたりするリスクにつながります。
マルウェアに感染した端末でのアクセス
VPNの仕組みには、マルウェアに感染した端末でアクセスした場合にネットワークを通じて感染が拡大してしまう脆弱性があります。
VPNは、仮想的な専用回線でネットワークを外部から隔離することでセキュリティを確保します。この仕組みにおいては、VPNへのアクセス権を持つ端末がマルウェアに感染していてもセキュリティ上の対処は行えず、感染の拡大を許してしまいます。
VPNの脆弱性に備えた企業のセキュリティ対策
VPNの脆弱性に備えてセキュリティを強化するには、VPN機器やソフトウェアを最新のバージョンに保ったり、多要素認証を導入したりする方法が有効です。
また、SASEやエンタープライズブラウザなど、セキュリティの確保に寄与するほかのソリューションを導入する方法もあります。
①VPN機器やソフトウェアを最新のバージョンに保つ
VPN機器・ソフトウェアを最新のバージョンに保つことで、これらに脆弱性が生じても迅速に修正パッチを適用できるようになります。
Web上で情報公開されている脆弱性は特に攻撃者から狙われやすいため、常に最新情報を把握することがポイントです。
②多要素認証を導入する
二つ以上の認証要素を用いる多要素認証を導入すると、認証に関する脆弱性への対策が可能です。
従来のID・パスワードに加えて、所持情報や生体情報などによる認証を行うことで、ID・パスワードを知っている攻撃者による不正なアクセスを防止できます。
▼多要素認証で用いる所持情報・生体情報
要素 | 例 |
所持情報 |
|
生体情報 |
|
なお、多要素認証についてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
③SASEによるアクセス手段へ切り替える
社外からのアクセス手段をVPNからSASEに切り替えることで、VPNの脆弱性によるリスクの回避が期待できます。
SASEはネットワークやセキュリティに関する機能をクラウド上に集約して一体的に管理する手法です。
SASEはゼロトラスト(※)の概念に基づいて構成されており、VPNでは対応できないネットワーク内部に対するセキュリティの向上が実現できます。
なお、SASEについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
※ゼロトラストとは、すべてのアクセスを信用しないとするセキュリティ対策の概念のことです。
④エンタープライズブラウザを利用する
社外から業務を行う際、VPNで社内ネットワークにアクセスするのではなく、エンタープライズブラウザ上で業務を行う方法が考えられます。
エンタープライズブラウザは、高度なセキュリティと管理機能を持つ企業向けのWebブラウザです。エンタープライズブラウザ上で業務アプリケーションを実施して仕事に取り組むようにすることで、業務に使用する情報を管理・保護できます。
エンタープライズブラウザにはセキュリティに関する豊富な機能があり、ゼロトラストの実現にも寄与します。
▼エンタープライズブラウザの主な機能
機能 | 概要 |
Webブラウザの一元管理 | すべての端末で利用するWebブラウザの設定を一元管理できる |
有害データ・Webサイトからの保護 | コンピュータウイルスやフィッシングサイトなどからの保護・フィルタリングを行う |
ログの管理 | Webブラウザ上での操作・アクセスのログを取得して管理する |
アクティビティの制御 | ファイルのダウンロードやコピー&ペーストを制限する |
画面上における情報の管理 | ウォーターマークやマスクによって機密情報を保護する |
なお、エンタープライズブラウザについてはこちらの記事で詳しく解説しています。併せてご確認ください。
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テレワークをはじめとする社内外での通信に用いられるVPNには、利用方法次第で脆弱性が生じてセキュリティリスクにつながる可能性があります。
VPNから脱却してセキュアなリモートアクセス環境を実現するには、エンタープライズブラウザの導入が有効です。エンタープライズブラウザ上で業務を実施することで、セキュリティの安全性を確保できます。
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詳しくはこちらの資料をご確認ください。
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