メタバースオフィスとは?種類や機能、導入のメリットと注意点を解説

  • 投稿日:2023 - 2 - 24
  • 更新日:2023 - 12 - 27
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ゲームやライブなどエンターテイメント業界で活用が進んでいるメタバースですが、ビジネス用途ではバーチャルの世界にオフィスを作り上げる「メタバースオフィス」が注目されています。

 

本記事では、メタバースオフィスの概要やメリット・デメリット、導入する際の具体的な流れなどを解説します。

メタバースオフィスとは

メタバースオフィスとは、インターネット上の仮想空間に作られたオフィスのことです。「バーチャルオフィス」や「仮想オフィス」とも呼ばれ、アバターを動かしたり各自のステータスを表示したりして、別の場所にいながら同じオフィスにいるような感覚で仕事ができます。

そもそもメタバースとは、「超」という意味のmetaと「宇宙」という意味のuniverseを組み合わせた造語です。インターネット上の仮想空間を指す言葉で、ゲームやイベントなどさまざまな分野で活用が広がっています。

メタバースのオフィスの種類

メタバースオフィスにはいくつかの種類がありますが、代表的なのは以下の3種類です。

  • 3Dメタバース
  • 2Dメタバース
  • 音声コミュニケーション特化

それぞれの特徴について、以下で解説します。

3Dメタバース

VRやMRの技術を使い、3次元の仮想空間にオフィスを設けるのが3Dメタバースです。それぞれが立体的なアバターを操り、実際のオフィスで一緒に仕事をしているような感覚をよりリアルに味わえます。

 

ただし、ハイスペックなパソコンや安定した通信環境が必要で、場合によっては快適に利用できないケースがある点に注意が必要です。

2Dメタバース

2Dメタバースは、平面的なデザインのメタバースオフィスです。アイコンや2Dのアバターを活用し、ワンクリックで話しかけるなど手軽に操作できます。

 

3Dメタバースと比較すると没入感は劣りますが、一般的な端末やネットワークでも問題なく利用できるので導入しやすいのがメリットです。

音声コミュニケーション特化

ボイスチャットや画面共有などの機能を主に提供する、音声コミュニケーションに特化したメタバースオフィスもあります。画面にそれぞれのアイコンが並ぶだけで、視覚的なオフィス空間は用意されていません。

 

端末や通信環境の事情で3D・2Dメタバースを利用しづらい場合でも、手軽に導入できます。

メタバースオフィスの主な機能

メタバースオフィスの機能はサービスによって異なりますが、主に以下のような機能が提供されています。

  • ステータス表示
  • チャット
  • ビデオ通話
  • 画面共有
  • アバター
  • フロアレイアウト
  • 勤怠管理 など

 

ステータス表示は、「オンライン」「離席中」「会議中」などその人の状況をリアルタイムに表示する機能です。アバターやフロアレイアウト機能があると、より実際のオフィスに近い感覚が味わえます。

 

サービスによっては、メタバースオフィスの入室・退室によって出退勤時刻を管理する勤怠管理機能が備わっているものもあります。

メタバースオフィスのメリット

メタバースオフィスには、以下のようなメリットがあります。

  • コミュニケーションを円滑化できる
  • 勤務状況を把握しやすくなる
  • 居住地に縛られず採用できる
  • 感染症対策や危機管理対策になる

それぞれのメリットについて、以下で詳しくみていきましょう。

コミュニケーションを円滑化できる

ステータス表示やアバターの状態を見れば、テレワーク中でもほかのメンバーの状況がひと目でわかります。「テレワーク中の上司に電話をかけたらWeb会議中だった」といった事態を防げて、相手の状況に合わせた円滑なコミュニケーションが可能です。

また、対面でのコミュニケーションが苦手な人も、アバターを介するメタバースオフィスならスムーズに会話ができることもあります。就労訓練でメタバースオフィスを活用しているケースもあり、コミュニケーションに関するさまざまな事情を抱える人の助けになっています。

勤務状況を把握しやすくなる

それぞれの勤務状況を把握しやすくなるのも、メタバースオフィスのメリットです。アバターやステータス表示を見るだけで出勤状況を確認できるため、細かく連絡して確認する必要がありません。

アバター同士で気軽に会話ができるので、作業の進捗確認もしやすくなります。

居住地に縛られず採用できる

メタバースオフィスは端末とネットワークがあればどこからでも出勤でき、どこに住んでいるかは関係ありません。居住地に縛られずに採用できるようになるため、日本全国、場合によっては海外も対象に広く人材を募集できます。

採用の対象を広げることで、より優秀な人材を見つけやすくなるでしょう。

感染症対策や危機管理対策になる

自宅にいながらオフィスに出勤しているかのように仕事ができるメタバースオフィスは、感染症対策や危機管理対策にも有効です。

新型コロナウイルスの流行のようなイレギュラーな事態が起こり、出勤が困難になっても問題なく事業が続けられるため、BCPの観点からも注目されています。

メタバースオフィス導入の際の注意点

メタバースオフィスの導入時には以下の点に注意が必要です。

  • 導入には快適な通信環境が必要
  • 導入する際は導入の目的や使い方の周知を行う
  • 従業員のストレスにならないよう注意する

 

これら3つの注意点について詳しく解説します。

導入には快適な通信環境が必要

メタバースオフィスはリアルタイムのコミュニケーションのために、常時ネットワークに接続しておかなければなりません。通信量の多い3Dメタバースの場合は特に、安定した快適に利用できる通信環境が必要です。

自宅にインターネット回線を引いていない従業員がいる場合は、会社側でモバイルWi-Fiを貸与するなど、メタバースオフィスを利用するための環境整備が求められます。

導入する際は目的や使い方の周知を行う

メタバースオフィスを最大限に活用するために、従業員に対して導入の目的や使い方をしっかり周知しておくことが大切です。目的や使い方が理解できないと、導入しても十分に利用されない可能性があります。

 

また、質問があるときやトラブル発生時にすぐに連絡できる窓口を用意しておくなど、導入後のサポートについても検討しておきましょう。

従業員のストレスにならないように注意する

メタバースオフィスは常に相手の状況が把握できるのがメリットですが、裏を返せば「常に見られている」と感じやすい点にも注意が必要です。適度な緊張感を保つ効果もありますが、一方で監視されているように感じて従業員のストレスになるケースがあります。

 

上司や管理者に対して、メタバースオフィスを監視ツールのように使わないよう注意喚起するなど、事前に対策しておきましょう。

メタバースオフィス導入の流れ

メタバースオフィスを導入する際は、以下の流れで進めます。

  1. 導入候補のサービスの検討
  2. 無料トライアルの実施
  3. サービスと料金プランの決定
  4. 正式契約

 

はじめに、導入するサービスの候補を挙げます。

3D・2D・音声コミュニケーション特化のどれが自社に合っているのか、そのなかで具体的にどのサービスが使いやすそうかを検討しましょう。

導入候補をピックアップしたら、まず無料トライアルで実際の使用感を確認するのがおすすめです。無料トライアル期間中に、なるべく多くの機能を使って導入後のシミュレーションをしておきましょう。

無料トライアルで各サービスを比較したら、導入するものを決定します。フロアの広さや同時接続数、オプション機能などによって料金プランが変わってくるため、自社に必要なプランを選んでください。

サービスと料金プランを決めたら、正式契約となります。導入の目的や使い方を周知するための説明会なども進めておきましょう。

メタバースオフィスサービスを選ぶときのポイント

導入するサービスを選ぶ際のポイントとして、以下が挙げられます。

  • 自社の業務に必要な機能があるか
  • パソコンへの負荷と推奨スペック
  • コストパフォーマンス

 

上記3点について、以下で解説します。

自社の業務に必要な機能があるか

メタバースオフィスのサービスを選ぶ際は、「自社に必要な機能が揃っているか」という視点で各サービスを比較しましょう。例えば「テレワーク中の勤怠管理を効率化したい」という目的があるのに、勤怠管理機能のないサービスを選んでは意味がありません。

 

自社にはどのような機能が必要なのか、そもそもの導入目的を明確にしたうえでサービス選定を進めることが大切です。

パソコンへの負荷と推奨スペック

メタバースオフィスの利用中は、継続的にパソコンへ負荷がかかります。3Dメタバースの場合は特に高いスペックが求められるため、サービスごとのパソコンへの負荷の程度や推奨スペックを確認しておきましょう。

最低でも、自社が支給するパソコンが推奨スペックをクリアしている必要があります。また、推奨スペックを満たしていても、メタバースオフィス利用中にパソコンの動作が遅くなると他の業務に支障が出るため、無料トライアルで実際の使用感を確認してください。

コストパフォーマンス

新しいツールを導入する際には、コストパフォーマンスも重要なポイントです。メタバースオフィスは月額料金だけでなく初期費用がかかるケースもあるため、導入にかかるトータルのコストを算出して、期待する効果との費用対効果を考えましょう。

従業員へのモバイルWi-Fiの貸与や、スペックの高いパソコンへの入れ替えなどを行う場合は、そのコストも考慮したうえでコストパフォーマンスを確認する必要があります。

メタバースオフィスによる新しい働き方が期待される

 

それぞれが別の場所にいながら、まるで同じオフィスにいるような感覚で働けるメタバースオフィスは、新しい働き方として注目を集めています。まだ導入している企業は一部ですが、今後より普及していく可能性は十分あるでしょう。

 

テレワーク中のコミュニケーション円滑化や採用の間口を広げられるなどメリットが多くあるため、導入を検討している場合は無料トライアルから始めてみてください。

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