リモートワークのデメリットや課題を知って正しく対策しよう!

  • 投稿日:2019 - 8 - 16
  • 更新日:2022 - 9 - 20
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リモートワークは、従業員が「会社」という場所に縛られることなく仕事に取り組むことができる新しい働き方です。

多くのメリットが語られ、国も働き方改革の一環として推奨するワークスタイルですが、解決すべき課題も多く、安易に導入すると失敗を招きかねません。

企業と働き手の双方にとって最適な状態でリモートワークに取り組むためには、リモートワークの良い面だけではなく、課題やデメリットにも目を向けておくことが大切です。

ここでは、リモートワークにおける課題に注目し、導入するにあたって取り組むべき対策について紹介します。

リモートワークとは?

リモートワークとは、従業員がリモート(遠隔)で働くことを意味します。従来の働き方では、従業員は会社に出社して仕事をすることが一般的でしたが、リモートワークでは必ずしも出社の必要はありません。自宅やカフェ、コワーキングスペース、外出先など、拠点となるオフィスから離れた遠隔地で仕事に取り組みます。

ちなみ、リモートワークとともに「テレワーク」という言葉も聞いたことがあるでしょう。どちらも同じように場所にとらわれない働き方を意味しますが、テレワークは個人事業主やフリーランスも含めたワークスタイルとして用いられる言葉。これに対して、リモートワークはあくまでも企業に所属する従業員が会社に縛られずに働くことを示します。

会社に出社することなく、主に自宅で仕事に取り組むリモートワークでは、対面でのコミュニケーションができなくなるため、通信技術を使って仕事のやりとりを行います。電話やメール、チャット、テレビ会議など、さまざまなツールがリモートワークには欠かせません。

一言でリモートワークといっても、どのように導入するのか、その形態は企業によってさまざまです。正規雇用者のすべての業務をリモートワークで行う形態もあれば、オフィス勤務を基本にしながら、一部の業務のみリモートワークで作業するといった形態もあります。

リモートワークにおける企業側のデメリット・課題

ここからは、リモートワークにおける不安要素について解説します。企業側のデメリット・課題は主に以下の3点があげられます。

従業員の勤怠管理・労務管理の難しさ

場所をとらわれずに働けるリモートワークは、従業員にとっては働き方の自由度が上がる一方、企業としては従業員の管理が難しくなります。オフィスワークであれば、出社している従業員がどのように働き、どんな勤務態度でどれくらい成果を上げているのか、いつでもその場で確認して評価できます。

しかし、従業員が出社しないリモートワークでは、インターネットを通したやり取りが中心になるため、社員の勤務態度を直接見ることができません。そのため、リモートワークで働いている社員が仕事を怠けていたり、手を抜いていたりしたとしても、それに気付きにくいのです。

また、リモートワークは場所だけではなく、時間にも縛られない働き方です。基本的には就業規則に基づいた勤務時間内で仕事をしますが、従業員のライフスタイルに柔軟に合わせられるのもリモートワークの特徴。

例えば仕事の合間で育児をしたり、朝方の生活の人は早朝から働くことができたりと、働く側にとっては良い面が多いですが、従業員の裁量権を大きくするほど、企業側としては管理が大変になってしまいます。

こうした課題が解決できないままリモートワークを続けてしまうと、生産性や業務効率の低下につながるでしょう。また、労務管理に目が行き届かず、一部の従業員に業務が集中してしまうといったことも考えられます。さらに、人事評価を正しく行えず、従業員が不満を抱いてしまう場合もあるのです。

チーム力の低下

リモートワークでは従業員同士の対面によるコミュニケーションがなくなるため、場合によってはチーム力が低下してしまうということも大きな課題です。

オフィスワークの場合、日々従業員同士が顔を合わせて話すからこそ、活発な意見交換ができ、新しいアイデアも生まれやすいでしょう。ちょっとしたことでも気軽に声をかけて質問でき、問題解決も迅速にできます。

リモートワークの場合、チャットやメールによるコミュニケーションでは相手にうまく思いを伝えられず、苦労することも考えられます。特に新入社員の場合、上司に気を遣ってすぐに相談できず、問題を抱え込んでしまうことが起こりやすいもの。

チーム力が下がることは、業務が滞り、仕事のスピードと品質に悪影響が出るなど、組織の根幹を揺るがす大きな問題となってしまいます。

セキュリティリスクが高まる

リモートワークでは、自宅やカフェ、移動中の電車内、出張先など、さまざまな場所で仕事をすることが想定されます。

パソコンやタブレットで仕事のデータを外部に持ち出す機会も増えるため、外出先で機密情報の入った端末を紛失してしまう可能性もあります。端末が盗まれ、情報が外部に漏れることがあれば、会社は大きな不利益を被り、取引先からの信頼を失うことになるでしょう。

また、物理的に端末やデータを盗まれる以外にも、マルウェアに感染した端末が社内システムに不正アクセスする場合や、従業員が個人利用する端末で、SNSやメールのアカウントが攻撃者に乗っ取られてしまい、情報が漏えいする場合などもあります。

リモートワークにおける働く側のデメリット・課題

続いて、リモートワークにおける働く側のデメリット・課題を2点解説します。

長時間労働への懸念がある

働き方改革の一環としても注目されているリモートワークは、うまく導入できれば社員の長時間労働を解消するきっかけにすることもできます。通勤の必要もなくなるため、それによって生まれた時間を有効活用できるようになります。しかし、リモートワークを導入したことで、かえって長時間労働が助長されてしまう場合もあるのです。

リモートワークでは、適切に就業規則を整備していない場合、従業員は自宅で自分の好きなときに働いて、好きなときに休むことができます。仕事とプライベートの境目が曖昧になり、仕事熱心な人ほど、プライベートな時間まで仕事に費やすようになりがちです。

また、メールやチャットなどでやり取りするリモートワークでは、どうしてもほかの従業員とのコミュニケーションにもタイムラグが生じやすくなります。プライベートな時間に仕事のメールやチャットが入れば、その時間も業務に対応し、結果として仕事に従事している時間が長くなってしまいます。

コミュニケーションが減る

企業側のデメリットとして解説した「チーム力の低下」にも関連しますが、リモートワークでは、メールやチャットでのやりとりが基本になるため、リアルなコミュニケーションが減ってしまうということが働く側の課題でもあります。

従業員同士がオフィスで顔を合わせてコミュニケーションを取っていれば、表情や仕草からも相手の意図を読み取ることができます。しかし、メールの文面や電話越しの会話では、言葉からしか情報が伝わってきません。そのため、お互いの気持ちが伝わらずに、関係性も希薄になってしまうこともあるでしょう。

コミュニケーションが減ることで、従業員のメンタルヘルスにおいて不調が出たり、モチベーション低下につながったりと、深刻な問題につながる可能性があります。

リモートワークにおける課題の解決策

ここからは、リモートワークにおける課題を踏まえたうえで、3つの解決策について解説します。

ツール導入による環境整備

ツールの導入はリモートワークにおいて欠かせません。さまざまなツールを組み合わせて使うことで、リモートワーク特有の課題を解決できます。

まず、「従業員の勤怠管理・労務管理の難しさ」や「長時間労働への懸念」に対する課題の解決策として有効なのが、勤怠管理・労務管理システムです。

場所を選ばずに打刻ができる機能やリアルタイムで勤務状況を把握できる機能が搭載されたツールであれば、従業員の労働時間を正確に把握することができます。それにより、労働時間を適切に管理し、過重労働を防ぐとともに、労務管理を行う事務担当者の負担軽減も実現可能。さらに、人事評価も行えるシステムを選べば、基準に従って適切な評価が可能になります。

次に、「チーム力の低下」や「コミュニケーションの減少」といった課題への対策としてはチャットツールやWeb会議ツールが有効です。チャットツールを使えばメールのような定型的なやりとりを省き、短い文章で素早くやりとりが可能。

Web会議ツールならお互いの顔を見ながら会話ができるので、定期的に打ち合わせを行えばメンバー間の安心にもつながるでしょう。画面共有機能を使いながら話をすれば、対面での打ち合わせ以上に意思疎通がスムーズになる場合もあります。

他にも、ファイル共有ツール、タスク管理ツール、ナレッジ共有ツールなどを使うことでリモートワークはより快適になります。似た機能をもつツールでもさまざまなサービスが提供されているので、業務内容やプロジェクトの規模など、自社の事情に合わせて選ぶと良いでしょう。

当然、ツールを導入する際は、従業員一人ひとりがそれらを使いこなせなければ意味がありません。従業員のITリテラシーも考え、使いやすいツールを選ぶことが大切です。また、必要に応じて使い方のレクチャーを行ったり、ルールを定めて共有したりといった配慮も必要です。

ツール選びのポイントはこちら

リモートワークに適したセキュリティ対策

リモートワークを進める際は、セキュリティ対策も非常に重要です。いくら業務用のツール導入が整い、快適な作業環境を実現できたとしても、ひとつのセキュリティ事故によって全てが台無しになってしまうこともあるでしょう。

社内の端末のセキュリティ対策が万全だったとしても、リモートワークを行う従業員の端末にセキュリティソフトが入っていなければ、そこから情報が盗まれてしまうこともあります。

特に個人のスマートフォンやパソコンを業務目的で使用するBYODという業務スタイルでは注意が必要。端末がウイルスに感染しまうと、会社の重要なデータや顧客情報などが漏えいしてしまったり、データが消滅したりする危険性もあります。

リモートワークでは、オフィスと離れた場所でも情報の安全性を担保できるよう、特別なセキュリティ対策が必要不可欠なのです。

BYODとは?

課題を一つひとつクリアし快適なリモートワークを実現しよう

企業と従業員にさまざまなメリットをもたらすリモートワーク。新時代のワークスタイルとして、その環境を整えていくことはとても大切です。しかし、付け焼き刃で導入してしまうと、かえってトラブルや混乱を招きます。今回解説した課題を一つひとつクリアして、快適なリモートワーク環境を実現しましょう。

リモートワークのセキュリティ対策としては、各種クラウドサービスや社内ネットワークへセキュアに接続でき、端末にデータを残さないリモートアクセスサービス「moconavi(モコナビ)」の活用がおすすめです。

「Office365」「Dropbox」「Salesforce」のようなグループウェアやクラウドストレージ、CRMツールを管理することも可能で、メール機能やビジネスチャット機能も搭載しており、オフィスワークと変わらない快適な仕事ができます。

安全で理想的なリモートワーク環境を実現するうえで、moconaviの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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