11月はテレワーク月間!政府が推進する背景と取り組み内容を解説
- 投稿日:2022 - 10 - 27
- 更新日:2023 - 10 - 19
政府は労働者にとってよりよい働き方を実現するためにさまざまな施策を推進しており、その一つが「テレワーク月間」です。この記事では、テレワーク月間の概要や政府が推進する背景などについて解説します。
テレワーク月間とは?
テレワーク月間とは、厚生労働省や経済産業省、総務省、国土交通省、産業界、学識者などによって構成される「テレワーク推進フォーラム」が、2015年から実施しているテレワークの集中取り組み期間です。
毎年11月をテレワーク月間と定め、関係府省庁などによる表彰イベントやセミナーなどが行われます。
テレワーク月間の活動として「テレワークを試みる・実践する」「テレワークを学ぶ・議論する」「テレワークを応援する・協力する」のいずれかを実践している企業や個人を参加対象として広く募集しています。
無料で参加でき、参加登録するとロゴマークが配布され、ホームページや名刺などに掲載できるようになります。
政府がテレワーク月間を推進する背景
政府がテレワーク月間によりテレワークを推進する背景として、以下の3点があげられます。
ICT による労働生産性の向上
生産年齢人口(15歳以上65歳未満の労働力の中心となる年齢の人口)の減少による労働力不足が深刻化するなか、ICTの活用により労働生産性を向上させる動きが強まっています。ICTの活用は医療や教育といった現場でも進んでいますが、特にテレワークでは、コミュニケーションツールや労務管理ツール、スマートフォンやタブレットから会社のクラウドサーバへアクセスするためのリモートアクセスサービスなどが必要不可欠といえます。
テレワーク環境を整えることは、いわばICT環境を整えることそのもの。情報通信技術をフル活用して場所にとらわれない働き方を可能にすることで、育児や介護をする人や障がいをもつ人など、さまざまな事情により就労が困難だった人も含め、誰もが多様で柔軟な働き方を選択できるようになります。その効果として労働参加率や労働生産性の向上が期待できます。
スマートシティ構想の実現
テレワークを推進してICT環境を整えることは、スマートシティ構想実現の一端を担う取り組みです。内閣府によるとスマートシティとは、「ICT 等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場」と定義されています。
政府は「データ連携促進型スマートシティ推進事業」により、各自治体が抱えるさまざまな課題を解決するために、ICTやAIによる機械学習などを駆使し、各分野の横断的かつ効率的な連携が可能な都市づくりを目指しています。
そのために、まずは企業や個人のレベルでテレワーク環境を整えておくことが重要になるのです。
災害や感染症拡大への備え
テレワークの推進は災害や感染症拡大といった有事の事態に備えるという意味もあります。近年では気候変動の影響により気象災害が激甚化・頻発化するとともに、南海トラフ地震や日本海溝・ 千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震といった大規模地震の発生も切迫しています。
さらに新型コロナウイルスの蔓延など、さまざまな脅威へのBCP対策として、ICTを活用したテレワーク環境の構築は欠かせません。
テレワーク月間に関連して政府が行っている取り組み
ここからは、テレワーク月間に関連して政府がテレワーク推進のために行っている取り組みを2つ紹介します。
テレワーク・ワンストップ・サポート事業
「テレワーク・ワンストップ・サポート事業」は、厚生労働省と総務省が連携して実施しています。ICTの活用や労務管理について、テレワークの実施に関する相談をワンストップで受ける窓口として「テレワーク相談センター」を設置。テレワークの導入・定着を目指す企業や団体が抱える、以下のような相談や悩みに答え、総合的な支援を行っています。
・どのようなプロセスでテレワークを導入したらよいか
・人事評価や人事育成、費用の取り扱いなど、労務管理上の注意点
・他社の導入事例を参考にしたい
・セキュリティの注意点
・必要な機器やネットワーク
・労働時間管理や安全衛生の確保の方法
・対象業務や対象者を選定するときの留意点
電話やメールでの相談対応や具体的な導入支援を行うコンサルティングを実施。専門的知識を有するテレワークマネージャーからアドバイスを受けることができます。
総務大臣賞・テレワーク先駆者の選出
テレワーク月間では、取り組みの一環として、総務省が主体となり、テレワークの先行事例の収集と表彰を行っています。平成27年度からスタートしたこの企画では、テレワークの導入・活用を進めている企業・団体を「テレワーク先駆者」と位置づけ、さらにそのなかから十分な実績や効果を出している企業・団体を「テレワーク先駆者百選」として公表。
平成28年度には「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を創設し、テレワーク先駆者百選のなかでも特に優れた取り組みを表彰しています。ここからは令和3年度にテレワーク先駆者百選 総務大臣賞を受賞した6団体を紹介します。
・愛和税理士法人
セキュリティ対策について人為的要因に言及し、リスク低減の取り組みを明文化。中小企業や士業におけるテレワークの見本となることも期待され受賞。
・株式会社エグゼクティブ
全社全部門で100%テレワークを実施。在宅勤務を主体として出勤日を自由に選択できるように就労環境を整備。テレワークの導入によって時短勤務からフルタイム勤務に展開した実績も。また、オフィスを「仕事場」ではなく、「コミュニケーション+遊び場」という位置付けに変更した。
・株式会社三技協
テレワーク化の推進が遅れている建設業において、全ての役員・従業員がテレワーク可能な環境を整備。これにより、Uターン社員でも就業を続けられるようになると同時に、地方都市に住む人の採用もできるようになった。
・株式会社ニット
オンラインアウトソーシングサービスとして、創業時からフルリモートで事業運営。テレワーク環境を整備することで、事業規模が拡大した現在でも、世界33か国に在籍する約400名のスタッフがフルリモートで業務を遂行。社員の副業も認めている。
・日本航空株式会社
出張先での滞在を延⻑する「ブリージャー」や、休暇先でのテレワークを可能にする「ワーケション」など、 新たな形態の働き方の制度化を実現。あわせてIT改革や既存業務の棚卸し、業務プロセスの改革を実施した。全社的にテレワークを推進する大企業の好事例。
・ネットリンクス株式会社
学術研究部門において全従業員がテレワーク可能な環境を実現。育休中を除く従業員の16名中6名がワーキングマザーという状況のなか、「テレワークは子育てをする人が活用する特別な働き方」というイメージを払拭し、全従業員を対象とする公平な制度を設けている。
テレワーク先駆者百選 総務大臣賞には、都市部の大企業だけでなく、中小企業や地方の企業も選ばれています。
テレワーク先駆者には、「過去1年での労働関係法令等の重大な違反がない」「テレワークが就業規則の本則もしくは個別の規程等に定められ、実際に行っている」という2つの条件を満たしている企業であれば応募できます。
テレワーク先駆者百選に選ばれたり表彰されたりすることは、企業の認知度向上や働き方改革を推進している企業としてのPRにもつながると思いますので、ぜひこの機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
優れたシステム導入で快適なテレワークを目指そう
毎年11月はテレワーク月間。導入を検討する企業も、さらなる環境整備を進めようとしている企業も、関連するイベントに参加したり、政府が発信する情報を参考にしたりしながら、取り組みを進めるきっかけにしてみてください。
政府も推進している通り、テレワーク環境の構築にはICTが欠かせません。さまざまなツールの準備が必要になるなか、コミュニケーションツールや労務管理ツールの活用は浸透しつつあるでしょう。しかし、スマートフォンやタブレットを業務で利用する際のセキュリティ対策については意外と整備が進んでおらず、ウイルス感染や情報漏えいの落とし穴になっていることも…。
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