テレワークにおけるコミュニケーション不足の対策とは?課題と解決策を解説

  • 投稿日:2021 - 3 - 10
  • 更新日:2022 - 11 - 18
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テレワークが広がるなか、ビジネスにおいて重要な「コミュニケーション」が希薄になることでさまざまな問題が生じています。本記事では、テレワークにおけるコミュニケーション不足の原因や、その影響、解決策について解説します。

テレワークでコミュニケーション不足に陥る原因

近年、働き方改革の推進や新型コロナウイルスの感染防止対策として、企業のテレワーク導入が進んでいます。

パーソル総合研究所が2022年に行った調査によると、テレワーク実施者のなかで80.2%が今後も「テレワークを継続したい」と考えており、前年の78.6%からも増加傾向にあることがわかります。

また、テレワークを実施する企業に対して「テレワーク普及にあたって行った施策」を調査したところ、1位が「遠隔会議システムの導入・利用促進」で35.3%、2位が「ビジネスチャットツールの導入・利用促進」で27.9%という結果に。

テレワークを続けたいと考える人が増える一方で、企業が行っている施策としてはツールの導入が中心であり、コミュニケーションを増やすという視点での踏み込んだ施策は比較的少ないようです。

「第六回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」(パーソル総合研究所)

そもそもなぜテレワークではコミュニケーション不足が起こってしまうのか、その原因として、以下の2点があげられます。

顔を合わせる機会が減る

テレワークにより、社内外の人と顔を合わせる機会が減るとともに、コミュニケーションは対面からオンラインでのやりとりが中心になっていきます。

オンラインの環境では、業務に関連したコミュニケーションが優先され、挨拶やちょっとした雑談が減ってしまいがちです。オフィスワークの場合は挨拶や雑談といった業務外のやりとりから、個人的な相談や仕事の話などが始まることもありますが、テレワークではこうした機会が少なくなります。テレワークでは、特に自分が所属する部署以外の人と接する機会が減ってしまったと感じる人も多いようです。

情報共有に時間がかかる

テレワークではフレックスタイム制を採用している企業が多く、その場合は従業員が必ずしも同じ時間帯で働いているとは限りません。そのため、情報共有に時間がかかってしまうことも、コミュニケーションにおける壁になってしまいます。

急ぎで確認したい事項があっても、相手が電話に出てくれない、チャットですぐに返信してくれないといったことがあると仕事が止まってしまいます。オフィスなら相手の様子を目で確認したり、直接声をかけたりすることもできるので、「忙しそうだから別の人に相談する」といった判断もすぐにできますが、テレワークでは同じようにはいきません。

メールやチャットを使って文章で伝える際は、当然、文章の作成や確認に時間がかかります。また、文章では状況が正しく伝わらず、ミスコミュニケーションが生じてしまうこともあります。

テレワークのコミュニケーション不足で起こる問題

テレワークのコミュニケーション不足は、具体的にどのような問題を引き起こしているのでしょうか。特に企業にとって重要な問題は以下の3つです。

ミスやトラブルが増える

テレワークによるオンライン中心のコミュニケーションは、対面のコミュニケーションと比べると、質・量の両面で低下しがちです。必要な確認ができない、情報共有がうまくいかないなどの理由から、業務におけるミスやトラブルが増えることも少なくありません。

例えば、資料作成やデザイン作成といった制作業務や、イベント準備や商品開発などの企画業務においては、コミュニケーションミスによってアウトプットが大きく変わります。修正や対応などの余計な業務に時間を割かれてしまうと、生産性が大幅に低下してしまうこともあるでしょう。

顧客との信頼関係が損なわれる

コミュニケーション不足は社内だけでなく、社外においてより深刻な問題になる可能性があります。

コミュニケーションにタイムラグが生まれたり、意思疎通がうまくいかなかったりすると、ミスやトラブルの原因となります。また、対面では迅速にコミュニケーションができても、相手の顔が見えないことで遠慮が生まれ、コミュニケーションに影響が出てしまう人もいるでしょう。

顧客との信頼関係が損なわれれば、契約の見直しや取引の停止など、売り上げの低下に直接繋がってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

従業員のモチベーションが低下する

テレワークのコミュニケーション不足は従業員のモチベーション低下への影響も懸念されます。同じ空間で一緒に仕事をしている人がいないため、孤独感に悩む人もいますし、文章でのやりとりが中心になるため、特に人と会話が好きな人は張り合いがないと感じてしまう場合もあるでしょう。オフィスワークでは、業務と直接関係のない雑談も生まれるため同僚との関係が自然と構築され、それによって仕事のモチベーションが高まることもあります。こうした機会が減ってしまうと、従業員が仕事のやりがいを見失ってしまうこともあるのです。

また、情報共有の機会が減ったことで、会社や部署の仕事の全体像が見えにくくなって目標を見失い、仕事のモチベーションが下がってしまうということもあるでしょう。その他、教育がうまくいかずスキルアップが進まないといった課題もあります。

こうしたことによるモチベーションの低下から離職率が上がってしまうこともあるでしょう。

コミュニケーション課題の対策とは

コミュニケーション不足から生じるさまざまな課題は、企業成長の妨げとなる可能性もあるため、早めの対策が必要です。コミュニケーション課題の対策として、効果的な方法はどのようなものがあるのでしょうか。

ツールの導入

はじめにおすすめしたいのが、テレワークにおけるコミュニケーションの活性化を意識したツールの導入です。

 

・チャットツール

チャットツールは今、テレワークのみならず、オフィスワークを中心にしている企業の間でも導入が進んでいる、ビジネスで重要なツールです。

さまざまなサービスがあり、個人向けとしてはLINEやFacebook Messenger、ビジネス向けとしてはMicrosoft Teams、chatwork、slack、LINE WORKS、Talknote、Workplace、Wantedly Chat、WowTalkなど。

基本機能として、アカウントを持つ相手との一対一のテキストによるチャットや、複数人によりグループチャットができ、多くのサービスは音声通話やビデオ通話、ファイルの共有や文章の検索なども可能です。

ユーザー名の前に「@」をつけてメッセージを送れば、そのアカウントの端末に通知が届くため、受信者はすぐにメッセージに気づくことができ、離れた場所にいてもオフィスと変わらないスピーディーなコミュニケーションが実現できます。

また、メッセージに対して応答するボタンもチャットツールの特徴。例えばMicrosoft Teamsの場合、「いいね」「ステキ」「笑い」「驚き」「悲しい」

「怒り」と6種類のアイコンが用意されています。文章で返信内容を考える前にポップなアイコンで既読を示すことができ、コミュニケーションの活性化に繋がります。

 

・バーチャルオフィスツール

テキストを中心にコミュニケーションを円滑にするチャットツールに対し、オフィスを仮想空間で再現し、そこに従業員が“出勤”(参加)するという発想で生まれたのがバーチャルオフィスツールです。

サービスとしては、NeWork、roundz、FAMoffice、Oasis、RISA、LIVEWORK、Teracy、VoicePing、oVice、SpatialChatなど。

バーチャルオフィスツールとは、テレワークでもWeb上に擬似的なオフィス空間をつくることができるツール。従業員はアバターとして表示され、そのなかで仕事ができます。

バーチャルオフィス内には個人の部屋や会議室、休憩室など、さまざまなスペースを設定でき、テキストだけでなく音声による会話も可能。どのスペースに誰がいて何をしているかが一目瞭然でわかるため、同じ空間にいるような感覚でコミュニケーションも気軽に取ることができます。

リモートならではのコミュニケーション方法を押さえる

テレワーク環境下では新しい形のコミュニケーションへの対応が欠かせません。一般的なマナーを知るとともに、社内ルールを定めて教育することが大切です。

テレワークのコミュニケーション課題の対策に有効なコミュニケーションのコツについて解説します。

・スケジュールは積極的に共有する

テレワークでは、従業員同士が直接姿を見て状況を把握することができないため、積極的にスケジュールや業務の進捗状況を共有することが大切です。またテレワークの場合は、ある程度働く時間帯を自由に選べるため、いつでもすぐ対応できるとは限りません。取引先などの社外関係者へも自分が普段対応できる時間帯を知らせておくことで相手も連絡しやすくなります。

・チャットやオンライン会議システム等の積極的な活用

まず、先述したチャットツールやバーチャルオフィスツールに加え、オンライン会議システムなど、各種ツールを積極的に活用することが第一歩。しかし導入しただけでコミュニケーション課題が解決するわけではありません。機能面での難しさ以外にも、メール文化に慣れている人はチャットツールでのスピーディーなやりとりに違和感を覚え、なかなか参加できないといったこともあるでしょう。

ツールの導入担当者やプロジェクトのリーダーなどが積極的に活用して見本を示したり、使い方で困っている人をフォローしたりするなどの工夫が必要です。

・チャットは「短く」「素早く」「頻繁」を心がける

チャットツールのやりとりでは、ビジネスメールのような前置きはあまり必要ありません。「お疲れ様です。〇〇です。」といったメールにおいて定型的な文章は省き、用件を短くまとめて送りましょう。また、チャットは会話内容がどんどん流れていくため、オフィス内で会話をしているようなイメージで、できるだけ頻繁にチェックし、確認したことを「いいね」などの応答ボタンで知らせるようにしましょう。

・ビデオ会議はなるべく映像をオンに

ビデオ会議を利用する場合、できるだけ映像をオンにしましょう。どうしても難しい場合は仕方ありませんが、顔が見えるだけでもコミュニケーションの質は向上するため、積極的に映像をオンにすることをおすすめします。

・コミュニケーションを取る機会の定例化

テレワークでのコミュニケーションは、相手の状況がわからないことで遠慮してしまいがちなので、朝礼や部署・チームでの会議などを定期的に行うのも良い方法です。このとき、顔を合わせてコミュニケーションできるようにルールを工夫しましょう。

定期的にコミュニケーションの機会をつくることで、個人の状況把握ができるだけでなく、テレワーク環境でのコミュニケーションにも慣れることができるといったメリットがあります。

上司と部下による個別の1on1ミーティングも効果的。定期的に行うことで業務中には見えてこなかった部下の不安や課題にも気づくことができ、モチベーションの向上や信頼関係の構築、マネジメントの機会として有効です。

・業務以外での交流の機会を設ける

最後に、業務と直接関係のないコミュニケーションの場をつくることも重要です。

趣味の話や私生活のことなど、雑談を通して上司と部下の垣根を超えた関係性が生まれたり、日常の悩みを打ち明けてストレス解消に繋がったりと、さまざまな効果があります。

・オンラインで雑談ルームを作成

チャットツールを導入している場合は、「雑談用の掲示板」をつくったり、バーチャルオフィスを活用している場合は「雑談ルーム」を設けて業務外で従業員が自由に交流できる空間を用意したりするのも良いでしょう。出社していると自然に行われていた雑談も、オンラインではそうした機会を用意しなければなりません。テレワークでも雑談しても良いという空気をつくるのも大切です。

・オンライン懇親会

業務時間内に時間を取るのが難しい場合は、時間を決めて雑談の機会を設けるのもひとつの方法です。出社していると同僚とランチへ行ったり、飲み会を行ったりと、親睦を深める機会が自然と発生していましたが、オンラインでは時間を決めなければできません。特定の人と時間を決め、ビデオ会議でオンラインによる「ランチ会」や「懇親会」を行なってみるのもおすすめです。

また、バーチャルオフィスツールを使って全社でのイベントをオンラインで開催するという方法もあります。普段の業務では限られた社員同士でしか生まれなかったコミュニケーションも、部署の垣根を超えた交流ができます。オンライン懇親会用のゲームや食事プランを利用するのも良いでしょう。テレワークで希薄になりがちな企業の帰属意識を高める効果もあります。ポイントは、テレワークにおいては「業務以外の交流」を全て従業員任せにしないこと。企業側が企画をしたりフォローをしたり、それぞれの関係性が円滑かどうか「見守る」姿勢が大切です。

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テレワークはメリットも多い反面、コミュニケーション不足からさまざまな問題が生じています。自社の状況をよく確認し、自社に合ったツールや新しいコミュニケーション方法を積極的に取り入れて改善していきましょう。

レコモットが提供するテレワークプラットフォームのmoconaviでもビジネスチャット機能を提供しています。グループチャット、スタンプや写真、動画、無料通話、無料ビデオ通話など、コミュニケーション課題の解決に効果的な機能が豊富です。

また、Microsoft365やサイボウズOfficeなど、企業内のコミュニケーションを円滑にするうえで欠かせない多くのグループウェアとも連携可能。そのうえ、端末にデータを残さない仕組みのため、セキュリティ面でも安心です。

テレワークの実施企業で多くの導入実績がありますので、コミュニケーション課題でお悩みならぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

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