【ワーケーション体験】組合せは「バケーション」だけじゃない、「ワーク+α」の発想で働き方の幅を広げる

  • 投稿日:2020 - 11 - 19
  • 更新日:2020 - 11 - 21
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新しい働き方として注目されている「ワーケーション」。その可能性を探るため、当社でもその体験をしてきました。参加したのは経営管理部管轄 取締役 CFOの竹岡 昌宏と、経営管理部で財務経理や経営企画、人事労務などを担当する藤田 克哉。参加するまでの経緯やそこで得られた知見、さらには今後その経験をどのように生かしていくかについて、話を聞きました。

テレワークの先にあるものとしてワーケーションに注目

―― 長野県奥志賀高原で開催されたワーケーション体験に、10月24日~26日の3日間体験されたと聞いています。まずは参加までの経緯について教えて下さい。

竹岡 当社はテレワーク協会の会員で、すでにテレワークを積極的に導入していますが、ワーケーションはその先にあるものとして以前から注目していました。そこでテレワーク協会のセミナーに参加したのですが、そのセミナーの中でワーケーションに関する地方自治体の推進内容や、ワーケーションを実施している全国5~6箇所の施設が紹介されたのです。その中に奥志賀高原のプレゼンテーションがあり、ぜひ参加しようということになりました。

 

ワーケーション体験の宿泊施設、ホテルグランフェニックス奥志賀

 

―― 奥志賀高原を選ばれた理由は?

竹岡 候補地としては知床などの遠隔地もあったのですが、東京から参加する上での利便性や今後の展開も考え、比較的近距離で自然環境も豊かな奥志賀高原を選びました。

 

―― 参加されたのは、竹岡さんと藤田さんのお二人ですか。

藤田 そうです。自社の働き方にワーケーションを取り入れていくには、当然ながら社内制度をどうしていくかを考えていかなければなりません。そこで、私のように現場でワーケーションを利用する立場の人間と、竹岡さんのようにそれを承認する上司の2人が参加するほうがいいだろうということになりました。

 

経営管理部で財務経理・経営企画・人事労務などを担当する藤田

 

竹岡 もともと当社の働き方は、コアタイムのないフレックスであり、働く時間の裁量は個々の社員に委ねられています。つまり時間的な自由はすでに確保されているわけです。その後、コロナ禍の影響で2020年4月から約半年間、在宅勤務を行ってきました。

しかしテレワーク、リモートワークをする場所を、自宅だけに限定する必要はないのではないかと考えました。情報セキュリティの条件を満たし、コミュニケーションのための通信環境があれば、どこででも仕事はできるはずです。なので、個人の選択肢としてのワーケーションは、実質的に個人の裁量で実現可能なのです。

その一方で経営側としては、このワーケーションを会社として、どのように活用すべきなのかも考える必要があります。私自身はこの観点から参加することにしました。

 

経営管理部管轄 取締役 CFO竹岡

 

藤田 世の中全体の流れとしては、時間にも場所にも縛られず、いつでもどこででも働けるという方向へと進んでいくはずです。ワーケーションはそのファーストステップになり得るものだと思います。ただし、どんな条件なら利用したいと思うか、仕事とプライベートの区別はどうするかなど、ワーケーションを利用する側から見た課題もあるはずです。どんなことが課題になり得るのか、きちんと意識するために私は今回のワーケーショントライアルに参加しました。

自然豊かな場所で7社の人々がプログラムに参加

紅葉とグリーンタフが美しい奥志賀高原でのトレッキング

 

―― ワーケーション体験の内容はどのようなものでしたか。

藤田 今回参加したのは、自然の中で五感を研ぎ澄ますワークショップや、奥志賀高原トレッキング、ヨガ体験など、事前に「学び」「遊び」「健康・癒し」「滞在」をテーマにしたある程度のプログラムが組まれたものでした。当初はこのようなプログラムは必要ないのではないかと考えていたのですが、実際に体験してみるとプログラムがあった方が目的と手段がわかりやすいので参加しやすいですね。完全に自由なプランではなく、テーマに合わせてそれなりにパッケージングされたものの方が、手を上げやすいといいますか、利用しやすい感じがします。

 

ヨガ体験プログラム。豊かな森林を眺めながら心と体を整える

 

竹岡 今回は当社を入れて7社が参加したのですが、社外の方々と交流できたことも有意義でした。なかには家族で参加された人もいて、会社によってワーケーションに対する様々な考え方、捉え方があるのだとわかりました。やはり他社の方とコラボレートすると、通常では得られない刺激があります。また自然が豊かな場所に行くことで、リフレッシュ効果やメンタル面でのメリットもあります。奥志賀高原は環境省が定める国立公園地区に含まれているので、自然環境という意味でも素晴らしい場所です。実はプログラムの3日目には環境省の人も来て、その取り組みの説明や意見交換も行われました。

 

環境省からのワーケーションの説明や、堀井氏による1on1のワークショップなども開催された

 

藤田 宿泊先のホテル(ホテルグランフェニックス奥志賀)も素晴らしかったですね。ワーケーションには通信環境が不可欠ですが、館内Wi-Fiがしっかり整備されており、ロビーやラウンジ、客室でも、不安なくネットに繋げることができました。

 

Wi-Fiが完備されたラウンジでリラックスしながらモバイルワークが可能

 

竹岡 食事のクオリティも高かったです。冬はスキー場に直結していて、夏はトレッキングができます。ホテルの副社長さんは一般企業での経験もあり、企業側のニーズには大変感度の高い方で、企業としてのホテル活用について積極的に取り組んでおられる中で、体験施設として名乗りを上げたようです。
このホテルは、雅子様が大変気に入られており、皇太子妃時代にご家族でよく訪れられていたそうです。

 

どれも美味しく見た目にも華やかなクオリティの高いお料理

個人としてだけではなく会社として「ワーク+α」を考える

―― 実際にワーケーションを体験された結果、どのような知見が得られましたか。

竹岡 今回の体験から感じたのは、ワーケーションというのはあくまでも「ワーク+α」であり、ワークに付け加えるαは必ずしもバケーションでなくてもいいということです。例えば今回のワーケーション体験では、他社の方々とのディスカッションやコラボレーションの機会がありましたが、このような体験を社員に持ってもらうことは、会社としても大きな意義があります。

つまりワークショップに参加しながら仕事をする「ワーク+ワークショップ」というのも、1つの形だと言うわけです。他にも社内のチームビルディングのために、自然環境が豊かな場所で合宿を行いながら仕事をする、というのもいいでしょう。コロナ禍で約半年間の在宅勤務を行うことで、コミュニケーション不足による組織的なほころびも見え始めています。このような問題を解消する上で、「ワーク+チームビルディング」は有効なアプローチになるはずです。

 

他社の方々とのコラボレーション。意見交換も活発に行われた

 

―― ワーケーションを「ワーク+α」として捉え直すというのは、興味深い考え方ですね。

竹岡 もちろん個人が選択する働き方としてのワーケーションも、当然ながらあると思います。例えば冬の期間は北海道でスキーをしながら仕事をする、夏は実家に帰省した状態で仕事をする、といった働き方です。当社は勤務時間ではなくコンピテンシーと定量的な成果で評価を行っているため、働く時間も自由に設定できます。このような個人の自由な働き方をどう支援するかについては、不公正さを感じさせない制度を作ることが重要であり、ここが悩みどころだと感じています。

その一方で、個人選択以外の「ワーク+α」まで視野に入れれば、会社としてより積極的に取り入れることが可能です。バケーションだけでは会社としてはworkとvacationという相反する概念の組み合わせに抵抗感が残りますが、それ以外のものを組み合わせることができれば、会社としての意義を見つけ出しやすくなるからです。

 

―― 個人の自由な働き方という捉え方だけではなく、会社の施策としての「ワーク+α」も考えるべきだと。

竹岡 そうです。先程申し上げたチームビルディングはその1つです。部署単位でのチームビルディングを自然環境の中で行うのは、会社にとってより有意義なワーケーションの形になるはずです。その他にも、地域への貢献などを含むCSR的な取り組みを業務と組み合わせる「ワーク+CSR」といったものも考えられます。このような、単なるバケーション以外の目的をもったワーケーションに関しては、会社全体としての制度を整備し、利用しやすいパッケージとして提供すべきだと思います。

 

藤田 ここで悩ましいのが、当社のように規模が小さい会社では、自社だけでプログラムを組むことが難しいことです。このようなプログラムが世の中に数多く生まれ、それを紹介するプラットフォームが出来上がれば、利用しやすくなると感じています。

 

竹岡 私もそう感じています。チームビルディングのための合宿を行うのであれば宿泊場所と旅程を決めるだけで実施できますが、地域と交流を持つCSR的な活動は、社外との何らかのコーディネーションが必要になります。このようなサービスが世の中に増えていけば、ワーケーション推進はさらに加速していくはずです。

大企業よりも中小企業の方が「ワーク+α」の実現が容易

―― 最後に、今回の経験を踏まえた今後の取り組みについて教えて下さい。

竹岡 これはワーケーション体験の前から決めていたことですが、当社は2020年11月1日からテレワークを中心とした働き方へと、完全に切り替えました。これにあたり、これからは「在宅」という言葉は使わないことにしました。「在宅勤務」と言ってしまうと、働く場所が自宅に限定されるイメージが強くなるからです。働く場所は自宅に限らず、セキュリティとコミュニケーションの条件さえ満たしていれば、どこでも構いません。そのため今後は「テレワーク」という言葉に統一していく予定です。

 

藤田 「ワーク+α」の具体的なプランも検討していきたいと考えています。αの中身としてはすでに話に出ているように、チームでまとめて遠隔地にいって合宿を行う「ワーク+コミュニケーション」や、他社の方々と一緒に仕事をする「ワーク+コラボレーション」、住む場所を変えて仕事をする「ワーク+リロケーション」などが視野に入っています。

 

竹岡 このような目的を持った「ワーク+α」の取り組みは、会社として積極的に支援していきます。そのための場所も会社として、全国に何箇所か設定していくことができればと考えています。

 

―― このような取り組みは当社のような小規模な企業よりも、大企業の方が推進しやすいというイメージもあります。

竹岡 私は必ずしもそうだとは考えていません。大企業では多様な意見が出て議論が発散しやすく、最終的にカフェテリアプランのような八方美人なものになりやすいのではないでしょうか。テレワーク協会の会長も、大企業よりも中小企業の方が、ワーケーションのような新しい働き方は広がりやすいはずだとおっしゃっていました。小規模な企業ではトップや経営層がコミットすれば、大企業よりも簡単に会社の方向を変えることができるからです。「ワーク+α」を取り入れていくスピードも、当社のような小規模な企業の方が速いはずです。

 

今回ワーケーション体験を行った宿泊施設「ホテルグランフェニックス奥志賀」

 

部屋はもちろんラウンジなども居心地がよく、Wi-Fiも完備されている

 

ラウンジ

 

開放感溢れる絶景に囲まれた入浴施設。リラックスタイムを満喫できる

 

クオリティの高い季節に応じたお料理の数々

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