政府主体のテレワーク月間とは?導入するメリットや適した業種を解説

投稿日:2019 - 11 - 12

政府は労働者の問題を解決し、よりよい働き方を実現できるように、さまざまな施策を推進していて、その一つがテレワーク月間です。働き方改革の一環として実行しており、これによって柔軟な働き方を労働者が選べるようにしています。それでは、政府が推進するテレワークにはどのようなメリットがあるのか、導入にどの業種が適しているのか、注意点は何かなどを解説します。

政府が進めるテレワーク月間とは何?

政府が働き方改革の一つとして展開しているのがテレワーク月間です。「テレワーク推進フォーラム」という厚生労働省や経済産業省、総務省、国土交通省、産業界、さらに学識者によって構成されている組織が、2015年に毎年11月を「テレワーク月間」と定めました。この目的は、テレワークを推進することで、場所や時間にとらわれない柔軟性のある働き方を推進しています。「テレワーク月間」では、企業や団体、個人を対象として、試用や実戦、応援や協力、学習や議論などいろいろな角度から実施できるテレワークの取り組みが募集されているのです。月間の最後には、募集された取り組みの中から優れたものを表彰する試みもされています。そんな「テレワーク月間」は積極的に広報活動が行われ、注目されているイベントとなっています。

また、「テレワーク月間」とは別に「テレワークデイ」というイベントも政府は企画しています。こちらは、総務省や厚生労働省、経済産業省、国土交通省、内閣官房、内閣府によって2020年に実施されるものです。その目的は、2020年に開催される東京オリンピックのときに、公共交通機関や道路の混雑を解消するためであり、東京都と経済界が協力しています。「テレワークデイ」は、2020年の7月24日と定められていて、東京オリンピックの開会式の日です。参加企業を募っており、本番に向けて2019年7月22日~9月6日までの1カ月間は試験的にテレワークが実施されます。ただし、応募は2019年5月現在すでに終了していて、応募企業はそれぞれテレワークの準備を進めています。

政府が推奨しているテレワークとは?

政府が推進するテレワークは、インターネットなどのICTを利用した情報通信技術の発達によって可能となりました。時間や場所に左右されることなく業務に従事することができるメリットがあります。テレワークは造語であり、離れた場所という意味の「tele」と働くという意味の「work」を組み合わせたものです。大きく分けると、「在宅勤務」と「モバイルワーク」、「サテライトオフィス勤務」の3つが挙げられます。

テレワークは、スマートフォンやタブレット端末といった情報通信機器やブロードバンドサービスをはじめとした通信サービスを利用する方法です。自宅でも充実した通信環境を整えられるので、運用コストはあまり問題にならず、企業が導入するハードルは低くなっています。セキュリティ対策をしっかりと行えば、リスクを可能な限り防ぐことができるのです。そのため、実際にテレワークを導入する企業は増えています。

テレワークは、日本の労働や経営に関するさまざまな問題の解決に役立つとされている働き方です。そこで、政府は積極的にテレワークの推進を行い、情報発信や普及のためのイベントの開催、導入企業の支援などをしています。テレワーク導入に関する助成金や補助なども、国や地方が積極的に実施しており、活用している企業は多いです。今後も、政府はテレワークの推進に力を尽くしていくことが予想されます。

在宅勤務の特徴と実施条件とは?

在宅勤務とは、自宅で業務に従事する働き方のことです。そんな在宅勤務には、さらに「終日在宅勤務」と「部分在宅勤務」の2種類があります。「終日在宅勤務」とは、終日出勤することなく自宅で働くことで、「部分在宅勤務」とは1日の中で部分的に自宅勤務をする働き方です。「終日在宅勤務」では、通勤する必要がなくなるため、通勤の負担が軽減され、その分時間に余裕ができるメリットがあります。「部分在宅勤務」の場合は、一度オフィスに出勤するか、あるいは会議や顧客訪問などが必要なときに自宅から外出するため、通勤の負担を軽減する効果は薄れるのが欠点です。

在宅勤務を導入することによって、従業員のワークライフバランスを実現するのに役立ちます。たとえば、育児や介護のために仕事を辞める必要がなくなるのです。さらに、さまざまな事情で通勤できなくなった従業員の就労を継続させることもできます。また、自宅で自分の仕事のしやすい環境を整えてそこで業務に従事できるため、仕事への集中力を高められる点もメリットです。

通信費や端末の購入費など業務に必要な環境を整えるための経費は、すべて会社が負担することが条件となります。たとえば、情報通信機器やパソコンを貸与させる、通信回線使用料や電話料金のうち仕事に使った分のみを会社が負担するなどです。経費の負担の詳細については、事前に話し合いで決めておきます。

モバイルワークとはどんな働き方?

モバイルワークとは、外出先で仕事をすることです。場所はカフェや取引先、移動中の公共交通機関などが含まれます。業務の確認や資料のまとめなどの際にオフィスに戻る必要がないため、時間のロスがなく効率的に働けるのがメリットです。無駄な移動がなくなれば身体的負担を軽減でき、従業員のワークライフバランスの向上にも効果があります。たとえば、営業職のように外回りの多い職種に向いている働き方です。モバイルワークができる環境が整っていれば、顧客先で何か問題があったときに、迅速に対応することができます。そのため、顧客の満足度を高める効果を期待できるのもメリットといえるでしょう。

モバイルワークを実現するためには、モバイル端末が必要不可欠です。これによって時間や場所に縛られずに業務に従事できます。具体的には、電話やメールによって移動中に商談を進めたり、外出先から電話で会議に参加したりするなどです。近年、モバイルパソコンやタブレットパソコン、スマートフォンなどが高性能になっていて、仕事に十分使える機能を有しています。そのため、外出先でもオフィスにいるのと変わらない状態で業務を進められるのです。お手頃な価格のモバイル端末もあるため、気軽に導入できます。高速なネット通信も可能となっており、国内だけではなく海外にいても、ほとんど問題なく会議に参加できるでしょう。そのためにも、セキュリティレベルの高い環境を構築することが大切です。

サテライトオフィスの定義とは?

サテライトオフィスとは、本社への出勤の難しい遠隔地にいる従業員のために設けた簡易的なオフィスのことです。通信環境が整っている程度の簡素な場所が選ばれることがよくあります。従業員の自宅近くに設置するケースでは、オフィスに通勤することが困難な人にとって大きなメリットです。顧客先の近くに設置される場合では、迅速に顧客対応ができ、新規顧客の開拓にも寄与します。本社から出張したときに立ち寄れるオフィスとして利用することも可能です。

サテライトオフィスは空き家や遊休施設などを利用して設置されることもあります。この場合、既存の施設を有効活用することで、オフィスコストを抑えられます。こういったサテライトオフィスは、オフィススペースの契約形態によって、「専用型」と「共用型」に分けることができます。「専用型」とは自社やグループ専用の場所として利用され、移動中や出張中に立ち寄れるスペースとしての利用が多いです。事業所とは別にスペースを設置する方法だけではなく、各地の事業所の中にサテライトオフィス専用の場所を設けるパターンも存在します。

複数の企業がシェアしてサテライトオフィスとして利用するのが共用型です。「シェアオフィス」や「コワーキングスペース」と呼ばれることもあります。企業だけではなく、フリーランスや起業家も利用できるケースもあり、仕事だけではなく、情報交換やイベントなどの用途で利用されることもあるのが特徴です。

テレワークに適している業種や職種

テレワークに向いている業務の条件として、1人ですることができ、セキュリティ上安全に業務ができることが重要です。これらを満たしている業種や職種には、プログラマーやシステムエンジニア、Webライター、Webデザイナー、営業職やマーケティングなどがあります。デスクワークの仕事か、顧客回りのように移動が多い職種であれば、テレワークに適しているといえるのです。ただし、1人で作業を進めることができても、接客など対面で人と接する必要のある仕事は適していません。また、医療関係や介護職などは、利用者と直に接する機会がどうしても存在するため、テレワークに向いていません。営業職の場合は、顧客のもとへ向かうときの移動時間や空き時間などに外出先で業務をすることになります。

業務内容は、基本的に1人でできる作業が多く、集中力が要求されます。たとえば、資料作成の仕事であれば、集中してデータの収集や整理ができるため、業務の効率は高まります。データ入力や分析のような仕事も、与えられたデータをパソコンで処理するのでテレワークに適した業務です。インターネット上でデータを受け取ることができて、誰かと対面で会う必要のない業務であれば、オフィスを離れた場所で仕事をしても問題は生じないでしょう。

テレワークを業務に導入するメリット

テレワークを導入すれば、さまざまな事情から通勤が困難になった従業員の離職を避けられます。たとえば、配偶者が異動するため引っ越しするケースや、介護や育児などで家にいる必要があり出勤が困難になった場合でも、テレワークならば仕事を継続しやすいです。テレワークによって、貴重な労働力を維持することができ、優秀な従業員が会社を去ってしまうことを避けられます。特別な事情を抱えた従業員にテレワークを適用することで、多様な働き方を認めることができるのです。

また、災害や突発的な事故などで出勤が難しくなったケースでも、テレワークによって業務の継続ができます。たとえば、大きな地震が起きて、しばらく通勤が困難になる状況であっても、テレワークを導入していれば、業務の中断を回避することが可能です。業務がストップすることで生じる会社の損失を防ぐことができます。

ほかのメリットは、遠隔地に住んでいる従業員の通勤のストレスを解放できる点です。毎日、満員電車に乗って通勤するのは、本人が思っている以上に心身に大きな負担となります。このストレスがなくなることで、従業員のワークライフバランスは充実するでしょう。また、従業員の移動時間の無駄がなくなるだけではなく、交通費の支給をする必要がなくなり、会社にとって大きなコストカットにつながります。

テレワークを導入するうえでの課題

テレワークの導入のためには、従業員の勤怠管理が課題となるケースがあります。在宅勤務やサテライトオフィス勤務をさせる場合、いつ仕事を始めたのか確認することが難しいです。会社は、従業員の残業や休日出勤なども把握する必要があるのですが、テレワークでは正確な勤務状況を確認しにくいでしょう。本人に自己申告させる場合であっても、嘘の報告をする可能性もあるため、会社を悩ませる問題となります。

また、テレワークによって、従業員はオフィスにいる社員から孤立してしまい、コミュニケーションや情報共有などの問題が生じやすい点も課題です。本社勤務の従業員と差をつけられやすい環境となり、昇進が遅れてしまう可能性もあります。セキュリティの問題も大きな課題で、オフラインでUSBメモリや端末などでデータを持ち出す際に、盗難や紛失、データの流出などが起きる可能性があるのです。また、オンラインでデータのやり取りをする場合でも、なりすましによって不正アクセスの被害が起きる可能性もあります。さまざまな課題を理解した上で、テレワーク導入のための環境を整えることが大切です。

課題の解決のためのツールやシステムを導入している企業はたくさんあります。たとえば、ビデオ会議システムを導入することで、テレワークの社員がネットを介して会議に参加し発言することが可能です。チャットの導入によって、社員が気軽にコミュニケーションを取れる環境を整えている会社もあります。ほかにも、バーチャルオフィスの導入や画面モニタリングシステムの導入、フォローアップ制度など幅広い対策があるのです。

最適なツールでテレワーク月間に備えよう

テレワークはメリットだけではなく、デメリットがあることを理解した上で導入することが大切です。従業員とのコミュニケーションの問題やデータ流出のリスクなど、さまざまな課題を最適なツールでクリアにして実現しましょう。

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