日本でテレワークの普及が進まないのはなぜ?その理由と解決策

  • 投稿日:2019 - 8 - 29
  • 更新日:2022 - 9 - 20
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働き方改革の推進や新型コロナウイルスの流行によって、日本では飛躍的にテレワークの導入が進んでいます。しかし、さまざまな事情からテレワークの導入を進められていない企業も多く、海外と比べると導入率が低くなっているのが現状です。

本記事では、日本でテレワークの普及率が上がらない理由や課題の解決策について詳しく解説します。

日本のテレワークの普及率と海外の状況

はじめに、日本と海外のテレワーク普及率の違いをみていきましょう。日本と海外の実施状況を、それぞれ紹介します。

2021年の日本のテレワーク実施率

2021年の日本のテレワーク実施率は、1月22.0%、4月19.2%、7月20.4%と、調査対象の約5人に1人がテレワークを実施しているという調査結果が出ています。

日本では新型コロナウイルスの感染状況に関わらず、テレワーク実施率は2割程度で推移していることがわかります。

※参考:公益財団法人 日本生産性本部「第6回 働く人の意識に関する調査

海外におけるテレワークの実施状況

日本よりテレワークの普及が進んでいる国は多くあります。例えばEU全体で見ると、新型コロナウイルス流行前でも在宅勤務を月1回以上実施している人の割合は22.7%でした。これは、2021年の日本のテレワーク実施率とほぼ同水準です。

新型コロナウイルス流行後には、EU全体のテレワーク実施率は36.5%に上昇しました。フィンランドは特に実施率が高く、6割を超える人が在宅勤務を実施しています。この結果から、海外に比べて日本が遅れを取っていることがわかります。

※参考:総務省「海外におけるテレワークの動向

テレワーク導入が進まない理由

日本でテレワークの導入が進まない理由として以下が挙げられます。

  • セキュリティについて不安がある
  • コミュニケーション不足が懸念される
  • 業務効率の低下が懸念される
  • 労務管理について不安がある
  • 人事評価について不安がある
  • 仕事とプライベートの切り替えについて不安がある
  • 導入コストがかかる

それぞれの理由について、以下で詳しくみていきましょう。

セキュリティについて不安がある

テレワークは自宅やカフェなど、従業員一人ひとりが異なる環境で仕事をするため、オフィスワークと比べてセキュリティリスクが高くなります。「フリーWi-Fiに接続して不正アクセスされてしまった」「パソコンを盗まれてしまった」など、パソコンを持ち出してオフィスの外で仕事をすることには、多くのリスクがあります。

セキュリティ事故が起きると顧客や取引先からの信頼を失い、大きな損失につながりかねません。このような事態を避けるために、テレワークの導入に慎重になっている企業もあるでしょう。

コミュニケーション不足が懸念される

テレワークは従業員がそれぞれ別の場所で仕事をすることになります。そのため、上司や同僚と顔を合わせる機会が少なくなり、コミュニケーション不足に陥りやすくなります。テレワークによって従業員同士の連携が取りにくくなるおそれがあり、導入に踏み切れない企業もあるでしょう。

特に、日本では協調性が重視される傾向にあり、それぞれが別の場所で働くテレワークに抵抗感をもつ経営層や従業員がいることで、導入を決断できないケースも少なくありません。

業務効率の低下が懸念される

テレワーク導入を成功させるためには、テレワークに適した環境を整備する必要があります。安定したネットワーク環境や、離れていてもコミュニケーションがとれるWeb会議システムやチャットツールなど、テレワークでも問題なく業務を進めるための環境整備が重要です。

環境整備が不十分なままテレワークを開始すると、業務効率の低下を招く可能性があります。テレワーク用の環境整備がハードルになり、導入が先延ばしになっている企業もあるでしょう。

労務管理について不安がある

従来型の働き方の場合、従業員の出社状況を見れば、あらかじめ決められた就業時間や休日を守って働いているかどうかが一目瞭然でした。これに対し、テレワークはオフィスに出社する必要がないため、予定の勤務時間にしっかりと働き、休日をきちんと取っているかなどが把握しにくくなります。

法律で定められた時間を超えて残業していたり、真面目に仕事をしていなかったりしても上司や人事部門が気づきにくいため、労務管理に不安があってテレワーク導入を進められない企業も少なくないでしょう。

人事評価について不安がある

企業には、定期的に従業員の働きぶりをチェックし、その内容に応じて昇進や昇給を実施する人事評価制度があります。企業のためにも従業員のためにも、それぞれの働きにふさわしい正当な評価の実施が欠かせません。

しかし、テレワークでは従業員が働いているところを目にする機会が減り、評価がしにくくなります。数字や商品など目に見える形で成果が確認できない業務では、特に評価が困難です。現状の評価制度がテレワークに適していないことで、導入に踏み切れない企業もあります。

仕事とプライベートの切り替えについて不安がある

従業員にとって自宅で仕事ができるのは非常に便利なことですが、仕事とプライベートの切り替えが難しいという問題もあります。いつでも仕事ができる環境にあるため、ダラダラと長時間仕事をしてしまう従業員もいるかもしれません。

長時間勤務は残業代の増加や健康を損なうなどデメリットが多く、生産性が低下するおそれもあります。このような事態を懸念して、テレワーク導入に慎重になる企業が多くても無理はないでしょう。

導入コストがかかる

テレワークの導入には、情報漏えいやウイルス感染を防ぐためのセキュリティ強化や、労働環境の整備などにコストがかかります。テレワークに合わせた労務管理・人事評価のためのシステム構築やコミュニケーションツールの導入にも費用が必要です。

これらすべてのコストを合わせると初期費用がかなり高くなるケースもあるため、資金に余裕のある企業でなければ積極的に導入を進められないという事情もあります。

テレワーク課題の解決策とは?

ここまで紹介してきたテレワーク導入に関する課題を解決するには、以下の方法があります。

  • セキュリティ対策を行う
  • 各種業務ツールを導入する
  • 各種制度を整備する

それぞれの解決策について、以下で詳しく解説します。

セキュリティ対策を行う

テレワークの導入には、セキュリティ対策が必須です。すべてのテレワーク端末にウイルス対策ソフトをインストールしたり、安全に通信できるVPN環境を整備したりして、ウイルス感染や不正アクセス対策を実施しましょう。また、テレワーク実施時のルールの策定やインシデント発生に備えた体制整備も必要です。

ただし、テレワーク環境や運用体制を整備するには、コストと業務負担の増加が見込まれる点に注意しましょう。できるだけコストや担当者の負担を抑えて導入できるセキュリティツールを活用するのがおすすめです。

各種業務ツールを導入する

コミュニケーション不足や業務効率の低下を防ぐには、各種業務ツールの導入が有効です。テレワーク時のコミュニケーションには、複数人で会議ができるWeb会議システムを活用しましょう。また、手軽に連絡できるチャットツールを導入すると、効率的に連絡がとれます。

タスクごとの担当者や進捗を確認できるタスク管理ツールを活用すると、それぞれ別の場所で仕事をしていてもチームや部署で連携がとりやすくなります。このように、ツールを導入するとテレワークでも快適に働くことが可能です。

各種制度を整備する

テレワークに対応した労務管理や人事評価を行うために、各種制度を整備することも大切です。評価基準を数値化して自宅で働いていても評価しやすい制度に変えたり、労務管理システムで出退勤時間を管理したりすると、テレワークを導入しても適切な対応ができるようになります。

従業員が働きやすいように、テレワークに適した労働環境を整えることも忘れてはいけません。端末の貸し出しに関するルールを決めて周知したり、自宅では仕事をしにくい人のためにサテライトオフィスを用意したりすると、従業員もテレワークを実施しやすくなります。

適切なテレワークで企業の利益向上と従業員の理想的な働き方を実現!

日本では導入が進められていない企業も多いテレワークですが、実際に導入するとさまざまなメリットがあります。通勤が不要になるため、従業員にとってはワークライフバランスの実現、企業にとっては生産性の向上などが期待できます。適切なテレワーク環境を整えて、利益向上と理想的な働き方の実現を目指しましょう。

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